ハングマンズ・ノット (2017年) 阪元裕吾監督 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆











ハングマンズ・ノット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハングマンズ・ノット


Hangumanzu notto
Hangman's Knot
교수인의 매듭


2017年製作/87分/日本
配給:ブラウニー
劇場公開日:2018年8月25日

スタッフ・キャスト
監督 阪元裕吾
脚本 阪元裕吾 吉井健吾

吉井健吾
安田ユウ
松本卓也
村原孝麿
木村直樹
大橋直樹
杉原亜美
安藤直也
浜田俊輔
野口和真
中西一志
長尾寿充

 

 

 

 

いつも、ありがとうございます(^-^)ノ

 

一昨日、23日でしたが、阪元裕吾監督の2017年の作品『ハングマンズ・ノット』を観ました…カチンコ

 

「カナザワ映画祭2017」の自主映画公募企画「期待の新人監督」でグランプリ(新人監督賞)と出演俳優賞をダブル受賞したほか、「ゆうばり叛逆映画祭2018」などで上映されて話題を集めたバイオレンスエンタテンメント。 ―― です。
「エンタテンメント」という定義はちょっとピッタリとは言えないかもなあ~汗

 

できるだけ内容に触れずに書きますが、何も知りたくない方はご注意ください。

 

私の感想ですが、『ハングマンズ・ノット』と比べたら『スロータージャップ』(2017年)の方が「面白かった」ですね。

 

『ハングマンズ・ノット』が面白くないわけではないんです。

でも、他の映画で感じる「面白さ」ではなかったんですね。

気分が悪くなったというか…その気分が悪くなったことがエンタメみたいなんですけどね汗

 

 

もしかしたら観ようと思う方に注意していただきたいのは、暴力的な映画であることが前提なんだけど、さらに性犯罪が露骨に描かれていることですね。

私はそこが嫌いだったし、不快でした。

当然ですが、性犯罪は映画の中で見てもイヤなものです。

 

しかしもちろん映画に性犯罪の場面があってもそれは許容されるべきだし、それによって何かを表現することも許されるわけです。

『ハングマンズ・ノット』のその場面も非常に不愉快なんですが、観終えて考えると必要な場面だと思います。

 

ただ、そういう暴力的な場面がありますので、観ようと思う方はご注意ください。

 

少しストーリーに触れさせてもらうと、影山アキラとシノブの兄弟を中心としたヤンキー集団が、本能の赴くままに凶悪な犯罪を犯しているんですね。

違法な薬物を摂取していておかしくなってるので殺人も躊躇しない危険な集団です。

 

そして、柴田というサイコパス大学生もいて、彼はカフェでアルバイトをしていますが、言動がだいぶんおかしいんです。

要するに彼はストーカーで、話してもいない女性を「彼女」だと思い込んで勝手に興奮してます。

この描写は本当に不気味で怖いです。

柴田は人から暴力を振るわれ、それを助けてくれたホームレスの男性と仲良くなります。

ホームレスの男性はおとなしくてたくさん本を読んでいるような人ですね。

 

影山兄弟たちと柴田はあることがきっかけで危うい関係が生じ、影山兄弟は柴田に復讐することを目的とします。

そんなん頭のおかしい大学生の柴田なんか、すぐにやっつけられそうなんですが ―― という話です。

 

 

もっと深く感想を書きますので、知りたくない方は読むのをやめてくださいよ💥

 

要するに、性犯罪や殺人まで犯すような暴力的な集団と、自分の思い込みで女性にストーカーするような変態が戦いになっていくんですけど、これはホントに怖い映画だと思いましたね。

 

観ていてちょっと笑いそうなコメディな雰囲気もあるんですが、ブラックを通り越してぜんぜん笑えないんですよ。

残酷度では『スロータージャップ』の方が上だと思うんだけど、『ハングマンズ・ノット』は笑えない映画でした。

 

私は観てる間、イヤ~な気分になって、げんなりしました。

 

影山兄弟も柴田も嫌いだし、イヤなんですよ、ホントに。

 

つまり、どういうことかというと、私たちが普段観て、大好きなアクション映画などですね ―― ヒーローが一般の善人を助けるため、かっこいいヒーローとかっこいい悪役がかっこよく戦いまくり、興奮の激闘を繰り広げるという、そういう映画だからみんな観たいわけじゃないですか。

かっこいい暴力にスカッとストレス発散したりね。

 

『ハングマンズ・ノット』は誰もが嫌いな犯罪者集団と気持ちの悪い大学生の戦いに、普通の人が巻き込まれて犠牲になってしまうという最悪な映画なんですよ。

 

映画で銃撃戦や殴り合い、刃物でのバトルがあるとかっこいいと思うわけじゃないですか、それがね~あせる

『ハングマンズ・ノット』はイヤな気分で楽しくないというあせる

だからこの映画はぜんぜん違う映画だし、キャラが変わればバトルもどんなにイヤな気分になるものかという、そんな怖さの映画なんですよね。

 

阪元監督と、そして脚本を監督と一緒に書かれた吉井健吾さん ―― ということは主演の一人である柴田を演じられた ―― の意図はどういうものなのか、それは一概に言えないけど、観る人をイヤな気分にさせる目的な映画ではないかと思います。

 

私が特にイヤだったのは影山兄弟たちが女子高生を拉致して性犯罪に及ぶ場面で、その結果にも気持ちが重くなりましたが、柴田が交流のない女性を自分の彼女だと思い込んでるのもオエッとなりました。

アルバイト中、話が通じないのもムカムカきました。

 

好きになれるキャラが一人もいないのよ汗

 

影山兄弟たちのヤンキー集団や柴田は、阪元監督が出会った人をモデルにしてるのかなあ…。

暴力の歯止めの効かない興奮状態にあるヤンキー集団も、自己中心で思い込みの強いストーカーも、実際、こんな人たちなのかなあと私は非常に怖かったです。

 

それで…読書が好きなホームレスの男性も、キャラクターとして、物欲のない知的な人物なんだろうけど、映画には被害者への思いやりに欠けてる気がして映画自体がサイコパスな感じなんですよね。

人が死んでも何とも思わないというか。

そのあたりホント不道徳&理不尽。

 

後半で登場する大学のボランティアのサークル「ドレミ」の部員たちも既成概念的にイヤな感じに描かれて、不快な感じで「その他大勢」な扱いなんですよ。

 

ただ一人、柴田と会話し、彼のことを心配していた大学生の人(でも友達ではないと思う)の扱いもホントに酷かったなあ。

覚醒した柴田は関わったら死ぬということだったのだろうか。

 

テイクアウトのお店での理不尽な状況、そして「コミュ障」のキャラクターという阪元監督の他の作品と重なるエレメントもありますなあ。

 

で、スカッと快感なものでもかっこいいものでもありませんが、アクションや暴力描写に確かに「面白み」はあります。

「意外性」は面白いですよね…。

ただ暴力描写そのものは観客をバカにしたようにあっけらかんとしていて、そこまで真に迫るような怖さはないと思いました。

いい悪いはともかく「軽い」です。

しかし拉致された女子高生のエピソードだけは非常に気が滅入りました。

この場面だけでも、この映画を「観ない理由」があると私は思います。

 

やっぱり悪趣味、不道徳、理不尽、不愉快な映画で、勧善懲悪がぜんぜんないのよっ!!

エンドロールがまたホントにイヤな映画でした汗

 

そういうことで、『ハングマンズ・ノット』は観たこともないイヤな感じの映画で、阪元監督が素でこの映画を撮ったのなら、阪元監督も狂った不気味な人ということになりますが、しかし『ある用務員』(2021年)、『ベイビーわるきゅーれ』(2021年)、そして『黄龍の村』(2021年)を観る限り、そうではないことがわかります。

 

だとすれば阪元監督もなぜ『ハングマンズ・ノット』のようなイヤなだけの映画を作られたのか。

それはやっぱり観たこともない映画を作って、かっこよくないアクション映画、バイオレンス映画を生み出したかったのではないかと思いました。

 

サム・ペキンパーやマーティン・スコセッシの暴力描写も怖いものですが、『ハングマンズ・ノット』の暴力や理不尽な殺人は、軽いながらも不快感が強く、こうして考えていると逆説的に暴力を否定してる ―― のかなあ…。

わからないので違うかもしれません。

ピュアな「ただ面白いから」という感じもありましたが…。

 

面白いのは『ある用務員』、『ベイビーわるきゅーれ』、『黄龍の村』の方ビックリマーク

その3作はホントに好きだったなあ汗

 

ホントに不愉快な『ハングマンズ・ノット』でしたが、私はこんな映画を観たことがなかったので、観て良かったです。

観るのにある種の決意が必要な作品ですが、我こそはと思わん方はまたチャレンジしてください(>_<)

 

 

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズの封切りですが、もう明後日ですねNEW

 

映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』公式サイト

 

1作目と2作目をまとめたブルーレイとDVDも発売されてるようですので買っといたらNEW

 

 

 

私は3作目『ナイスデイズ』を観に行くかどうか決めてませんけど、だってまだ2作目を観てないし汗

 

でも観た方がいいのはそうでしょうね~。

 

そういったわけで『ベイビーわるきゅーれ』最新作の公開に合わせて阪元裕吾さんの映画を観てますが、まだ観てない作品をまた観ていきたいと思います。

 

今日もおおきに、ありがとうさんでした…☆⌒(*^-゜)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月に観た映画
 
1日 メメント(2000年)
3日 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(2022年) クライモリ デッド・エンド(2007年)
4日 ボストン1947(2023年)
5日 ファーザー(2021年)
6日 誰も知らない(2004年)
9日 憑依(2023年)
10日 ドッグ・ソルジャー(2002年)
11日 ランサム 非公式作戦(2023年) ある用務員(2021年)
13日 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年) 怪物 モンスター(2010年)
14日 10 クローバーフィールド・レーン(2016年) クローバーフィールド・パラドックス(2018年)
15日 ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年)

18日 大好きだから(2017年) THE LOST 失われた黒い夏(2005年) ザ・ウーマン(2011年)
19日 スロータージャップ (2017年)

20日 クローバーフィールド HAKAISHA(2008年)

21日 グッドフェローズ(1990年) ゴーストランドの惨劇(2018年) ベオウルフ / 呪われし勇者 ディレクターズ・カット版(2007年)

23日 ハングマンズ・ノット(2017年) ヘレディタリー/継承(2018年)

24日 ウィッチサマー(2019年)