バッドサンタ (2003年) テリー・ツワイゴフ監督 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

今月20日にネットフリックスで公開が始まるヨン・サンホ監督の『JUNG_E(ジョンイ)』のニュースで知ったのですが ―― 私は存じ上げていなかったので驚きました。

カン・スヨンさんが去年5月7日に亡くなっておられたのですね。

気づいてハッとしました。

 

5月5日、ご自宅で急性脳出血で倒れられたとのことですが、享年55(日本の数え方で)…まだお若かったのに…。

 

カン・スヨンさんの出演作は私はほとんど観れてないんですが、女性映画だった『ディナーの後に』(1998年、イム・サンス監督)と、ホラー映画の『輪廻 リ・インカーネーション』(2003年、パク・スンベ監督)の2作だけ観ております。

特に『ディナーの後に』をよく覚えています。

訃報はいつも悲しいものですが…。

 

皆さま、今月の20日から公開される『JUNG_E』、SF映画だそうですが、是非、観て、カン・スヨンさんを追悼なさってくださいね。

 

JUNG_E ジョンイ Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

 

※ 左の白衣の女性がカン・スヨンさん。

 

JUNG_E ジョンイ 99分

 

内戦により荒廃した近未来の世界。人工知能研究所の研究員は、自分の母である伝説的な傭兵(ようへい)の脳データを複製することで、戦争を終わらせようとする。

出演:カン・スヨン、キム・ヒョンジュ、リュ・ギョンス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッドサンタ

 

 

はい、いつも、おおきに、ありがとうさんどす(^-^)ノ

 

今日、書かしてもらう映画は『バッドサンタ』…アメリカ合衆国では2003年11月26日に公開された作品です。

日本では2004年の12月に公開されたそうですが、私もその時、何となく観たかった記憶がありますので、18年ぐらい経ってようやく観た形です。

 

ハッキリとは覚えてないんですが2004年頃は映画を真剣に観ていなくって、常識や道徳をあざ笑うような不謹慎な作品なら観てもいいよはてなマークって感じだったかなあ…忘れました。

むしろ、パニックものとか大作を好んでいたような…でも相変わらずアート系の低予算な作品にも関心を寄せていたような…覚えてないけど、確かなことは今の方が映画を真剣に観てるってことでしょうか。

観ていた本数が昔は少ないですよね、圧倒的に。

 

『バッドサンタ』ですが、私はこの映画がクリスマスの映画だからクリスマスに記事を公開したらちょうどいいと思ってたんですが、結局、元旦の深夜に観ることになってしまい…タイミングがあきまへんな~あせる

 

 

まずこの映画、子どもが観る映画でも何でもないんだけど、日本では大人が観ても困ってしまうような映画じゃないかな~。

 

なんか割りとエロい系のネタが入ってますけど、やっぱりアメリカンなそれなので、私は困ってましたが。

 

どんな話かというと、ホントにどうしようもない荒んだアル中オヤジが、相棒と悪いことをしていましてね…オヤジはデパートでサンタさんのアルバイトに精を出しつつ、実は相棒が店内を調べ尽くしてから、金庫のお金と、それから商品を好きなだけ持ち去ってしまうという犯罪どすな。

 

それを繰り返してきたようなんですが、盗んだお金もアル中なので一年で使い果たすようでシーズンになるとまたバッドサンタの登場と相成るわけどすな。

 

コメディ映画ですが物語の背景は意外と重く、このアル中オヤジ、ウィリー・タグボート・スークスは、子どもの頃、父親の虐待を受けて育ったために人生に絶望し、幸せが見いだせないでいるのです。

どうしても建設的に生きられないというか、絶望が前提に来てしまって酒に溺れ、刹那的な欲望のみに耽ることで時をやり過ごしている…。

 

で、笑いどころとしては、ほら、アメリカのクリスマス映画でよく見る、子どもたちがプレゼントに何が欲しいか明かす、デパートの一階にいるサンタさん(…の扮装をしたおじさん)が、酒飲んで酔っ払ってるわ、失禁してるわ、ヘビースモーカーだわ、もちろん絶えず子どもには優しくないわ、ちょっとしたことですぐキレるわ、人生に絶望してるくせに十分スケベでエロいことばっかり考えて実行してるわっていう、そんな下品でいやらしく俗っぽい絵ヅラにゲラゲラ笑うんでしょうね、アメリカの観客たちわ。

 

それはわかるんですけどね~、あからさまやな~あせる

 

だいたい子どもが酷い目に遭う映画どすな。

 

そういえばデイブかジェイソンか、言ってた人は忘れましたが、アメリカでは子どもたちがサンタさんが実在することの夢を(ある程度の年齢になるまで)壊さないために大人たち全員が協力し合って、徹底的にサンタさん実在の設定で会話を成り立たせているのだとか。

って夢壊してるじゃん、その話をした時点でビックリマークあせる

 

で、実は映画の本筋としてはさらに ―― え~、ネタバレになってしまいますが…いいでしょう、この低俗にして虚無的なウィリー・タグボート・スークスが、ふとしたきっかけでいじめられっ子の少年と出会い、一緒に過ごすことになるって話なんですね。

 

そんな中でオヤジも少年もその交流を通して少しずつ変わっていく ―― そういった話ですね。

 

笑うシーンも多かったけど、私にはそこまで大爆笑ではなく、でもやっぱりダメダメなアル中オヤジが少年と交流していく流れは優しい気分になるもので…最後は、あ~ビックリマークって感じでした。

その「あ~ビックリマーク」のまま終わったら泣ける映画だったんですけど、実際は別の意味で泣ける映画でしたね~。

 

映画が主張することは意外とまともじゃないですか。

笑いはかなりお下劣&不謹慎のキツイ系ですが、観ててもイヤにならないもの。

 

観終えてから知ったんですが、ジョエル&イーサンのコーエン兄弟が製作を担当してたんですね。

そういえば確かに似てる面もある。

でも、コーエン兄弟の映画はもっとイヤになる映画が少なくない。

コーエン兄弟の映画はほとんど犯罪コメディですがね。

 

もちろん『バッドサンタ』も面白かったですよ。

どこか、消費社会への風刺も効いてますしね。

 

え~と、主演がビリー・ボブ・ソーントンさん…コーエン兄弟の『バーバー』(2001年)や『ディボース・ショウ』(2003年)に出てはりますなあ。

私はあまり出演作を観てなかったんですがビリー・ボブ・ソーントンさん…コメディ映画での演技がええですなあ。

コメディ映画だけど笑わそうとせず不機嫌そうに仏頂面で…それが笑えるんですけどね。

相棒役のトニー・コックスさんとの掛け合いも面白い。

 

ビリー・ボブ・ソーントンさんが自分で主演して監督もした『スリング・ブレイド』(1996年)って作品、評価が高いようで、ずっと観たかったんですが、これを機会に本気で観た方がいいかもしれません。

 

 

 

 

そんな感じの私の「観たいけど観てない映画」ってホンマ多いですよ。

 

他のキャストですがトニー・コックスさんてよく覚えてます。

『ふたりの男とひとりの女』(2000年)でジム・キャリーを蹴ってましたなあ。

私が観た中では『バッドサンタ』のマーカス役はかなり主役級で演技もじっくり見れて嬉しかったですよ。

 

ウィリーに付きまとう少年を演じたブレット・ケリーくん…いい味ですが、このあともしっかり俳優を続けているようで…大人になった姿を見るとあまり変わってませんな~(≧∇≦)

 

ローレン・グレアムさんは「なんでこんな素敵な女性がこんなカスみたいなアル中オヤジと」って感じの素敵な女性の役でした(単にサンタ帽をかぶってるオトコに興奮するだけかもしれんが)。

彼女の存在もオヤジを変えていったんでしょうかね。

 

でも、この『バッドサンタ』、2016年に続編の『バッドサンタ2』が公開されてコケたらしいんですけど、ウィリー・タグボート・スークスは更生してるはずもなく元のアル中&エロオヤジのままで、しかもローレン・グレアムさんは出てないようなんですね…アカンやん汗

 

監督さんも違うし、無理に作ったような感じの続編ですが、ウィリー・タグボート・スークスのお母さんをあのキャシー・ベイツさんが演じてはるそうです。

 

 

トニー・コックスさん演じるマーカスの妻、ロイスは私が特に気に入ったキャラ…。

 

 

そんなに物語に関わってないんですが、固い表情で何を考えてるのかわからないのがサイコパスの怖さで好きでした。

実際、この映画の中で最も残忍なキャラクター。

 

演じておられるのはローレン・トムさんって方です。

 

あと…「チェンバレンズ・モール」のマネジャーに泣きつかれてウィリーとマーカスを調査する警備主任のジン・スラゲルを演じるのがバーニー・マックさんでした。

バーニー・マックさんも死んじゃったんですよね…まだ若かったのに…。

 

それと、ホントに小さな役でオクタヴィア・スペンサーさんが少しだけ出てくるので驚きました。

カメオはてなマーク

彼女は続編にも出られたそうです。

 


 

『バッドサンタ』の監督さんはテリー・ツワイゴフ監督…『ゴーストワールド』(2001年)の監督さんでしたかひらめき電球

あ~、観に行った、観に行った、『ゴーストワールド』…京都の朝日会館さんに…。

帰りの階段で同世代の女子二人組がしてた会話も覚えてる…。

なかなかええこと言うてはりました。

 

 

 

 

テリー・ツワイゴフさんは、あまり映画を監督してはらへんようですなあ…。

ちょっと経歴を読ませてもらうと「こだわりの人物」みたいで好感を感じるのですが…最新作は2017年のテレビ映画、『Budding Prospects』のようです…。

 

今、調べてみたら、1994年に監督されたドキュメンタリー映画『クラム Crumb』のBluRayが去年9月2日に日本で発売されてますね…ひらめき電球

 

 

 

『バッドサンタ』ですが、日本版DVDが素晴らしいのは吹き替えでウィリー・タグボート・スークスの声を磯部勉さんが吹き替えられてることですね。

この日本語吹替版は完成度が高いです。

 

磯部勉さんのお声、好きなんですよ。

去年、磯部勉さんが声を担当された『ブレードランナー』(1982年)のBluRayを買ったほどでしてな(実はまだ観ていない…汗)。

チェ・ミンシクさんの声も担当されておられますし、磯部勉さんの声で見るチェ・ミンシクさんも格別なんですよね。

磯部勉さんが吹き替えられる映画は必ず日本語吹替版で観たくなりますが、『バッドサンタ』も素晴らしかったです。

かなりお下劣なセリフが多いのですがね、それも磯部勉さんの声だと耐えられる。

 

そんなわけでもしもまた『バッドサンタ』を観られる時には日本語吹替でも観てくださいな。

 

…新年2回目の記事はこんな感じでいかがでしょうか。

 

またいろいろ考えて今年も書いていきますのでヨロシク音譜

 

今日もおおきに…ごめんやす…(^.^/)))

 

 

 

 

 

 

 

『ゴーストワールド』とまとめられたオリジナル・サウンドトラックです。

 

 

 

 

続編『バッドサンタ2』のオリジナル・サウンドトラックです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッドサンタ
原題:Bad Santa
韓国語題:나쁜 산타
中国語題:圣诞坏公公


2003年製作/91分/アメリカ
日本公開:2004年12月4日
配給:ワイズポリシー

監督 テリー・ツワイゴフ
製作 サラ・オーブリー ジョン・キャメロン ボブ・ワインスタイン
製作総指揮 イーサン・コーエン ジョエル・コーエン
脚本 ジョン・レクア グレン・フィカーラ
撮影 ジェイミー・アンダーソン
音楽 デビッド・キティ

キャスト 役名 俳優 (日本語吹替)
ウィリー・タグボート・スークス ビリー・ボブ・ソーントン (磯部勉)
マーカス・スキッドモア トニー・コックス (高木渉)
少年 ブレット・ケリー (坂本千夏)
スー ローレン・グレアム (水谷優子)
ボブ・チペスカ ジョン・リッター
ジン・スラゲル バーニー・マック (大塚芳忠)
マーカスの妻 ローレン・トム
ロジャー・マーマン イーサン・フィリップス
少年のお婆ちゃん クロリス・リーチマン
オーパル オクタヴィア・スペンサー