韓国映画 チャンシルさんには福が多いね (2019年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャンシルさんには福が多いね

 

アンニョン、いつも、おおきに、ありがとうさんです(^-^)ノ

 

チャンシルさんには福が多いね

 

この作品は私、今年の1月に日本で公開された時、気づいてなくって、ブロともさんたちの記事で教えてもらったんですね。

 

最初、タイトルの中の「福」って感じが中国っぽいので中国映画かと思いましたけど、韓国映画ですよ。

それが私にはとても不思議な感じでした。

自分が知らないことが。

その未確認感がね。

 

ただ、アメーバの映画ブロガーさんたちが大勢、劇場で観ておられたんですね。

ですので、これはきっと専門家筋からの評価が高い映画なんだろうと思ってたし、ブロガーさんたちの記事に触れて、その思いを強くしておりました。

 

そん時、映画館で観ておきゃ良かったんですがね ―― 実際、それを後悔しましたね。

 

結論として、この映画、めちゃくちゃ良かったです合格合格合格合格合格

 

11月は『燃えよ、マッハ拳!』、『食われる家族』、『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』、『愛の旋律』、『不倫する理由』、『茲山魚譜 チャサンオボ』、『大脱走』、『奇蹟 ミラクル』、そして『仁義なき戦い』シリーズを3作品、そんなけ新しく観ましたけど、『チャサンオボ』と、この『チャンシルさんには福が多いね』の2本が、最も好きになった映画だと思います。

 

まあ、本当は順位なんか決められないんだけれども ―― ズバリ私がどんな映画が好きか ―― それは『チャンシルさんには福が多いね』のような映画・・・そう思ってもらって結構なほどです。

 

私も観ながら、うわ~、こらアカン~、やられた~、ぎゃ~、と心躍るワクワク感・・・ほんっとに嬉しかったです(≧∇≦)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説

長年にわたりホン・サンス監督作のプロデューサーを務めてきたキム・チョヒが初メガホンをとり、自身の体験を投影させながら描いたオフビートなコメディ。
映画プロデューサーのチャンシルは、ずっと支えてきた映画監督が急死したため失業してしまう。人生の全てを映画に捧げてきた彼女には家も恋人も子どももなく、青春さえも棒に振ってきたことに気づく。そんな彼女に、思わぬ恋の予感が訪れる。Netflixドラマ「愛の不時着」のキム・ヨンミンが、香港スターだと言い張る男性役で出演。

(映画.com)

 

 

物語自体は字で語ってそこまで面白いものではないと思うんですね、これはもう、映画として編集の間の妙で、そのリズムが異常に心地よく、「人生の喜び」のような世界です。

 

まあ、自分の気持ちを記録したいから書かしてもらうと、チ・ミョンス監督(ソ・サンウォン)の映画にプロデューサー(PD)としてたずさわって幾歳月、イ・チャンシルPDは映画への熱意で生きてきたオンナ。

 

 

この場面で映っているポスターは左上から、『私のチンピラな彼氏』(2010年)、『クイック!!』(2011年)、『第7鉱区』(2011年)、『ダンシング・クィーン』(2012年)、『コンフィデンシャル 共助』(2017年)、『それだけが、僕の世界』(2018年)・・・これだけで嬉しくなってきませんかね。

 

ってゆうかこんな映画を作ってきた会社なら大きい会社に思えるんですけど、まさか、ただポスターを飾ってるだけとか(;´∀`)

 

もしかするとネタバレになるかもしれないので、観る予定の方はくれぐれもご注意くださいドンッ

 

チ・ミョンス監督がこれから撮ろうとしていた『裏山で生きる』はもっと小規模な映画な感じですが・・・「撮影 安全祈願」の告祀のあと、飲み会で騒いでたら監督、急死してしまわれました。

 

この監督がこと切れる時にチャンシルさんがダメ押しでふざけているのがヒリヒリと痛いのですが、死なんてそんなものでしょう。

そうなる前には考えもしないってこともあるだろう。

 

しかし、とかく、笑う門には福きたる、とされてるが、監督の死を境に福が逃げていく~。

 

 

チ・ミョンス監督のPDとして生きてきたアラフォー女、イ・チャンシル、PDとして使い捨てにされ、引越し。

 

 

大家さんはユン・ヨジョンさん・・・あんた、ここでまさかのオスカー女優やわビックリマーク

 

 

すごい いい見晴らしね

オンニ おいしい空気を吸えば きっと元気になるわ

 

私の家まで見える

 

 

あとあと考えても、なんで出てきたのかよくわからない果実を見るお嬢さん。

 

落ちて減っていく果実は減少していくイ・チャンシルの女子力の象徴か。

 

ああ、この世界、そなたの名は残酷。

 

熟れて落ちるだけね

 

 

「現生は、滅びたと思うが」、自分のことを「オンニ~」と慕ってくれる女優のソフィーの家政婦が足をケガしてやめちゃったので、「ソフィー家の家事手伝いに就職して生きる道を企てる」チャンシルPD。

 

 

そしてソフィー家で、ソフィーのフランス語の家庭教師、実は短編映画の映画監督、キム・ヨンと出会い(文字通り)電気がビリドンッ

 

 

何度か顔を合わせるたびに、(そこまでイケメンとかでもないけどもの腰柔らかな)キム・ヨンに、何かを感じ、あ、あれ、これは~はてなマーク・・・いやいやいやこの歳であせる・・・でももしかしたらラブラブと心のうずきに戸惑う家なし・男なし・仕事もなくなった映画プロデューサー。

いや、それ、今、辛い時期だから人のぬくもりが欲しくて、とかじゃ汗

 

それとなくキム・ヨンと会うものの、小津安二郎の映画の良さを理解せず、クリストファー・ノーランの方が好きですねと断言しくさるキム・ヨンに大人気なくイラッ(#゚Д゚)

 

 

そして周辺をウロウロしていた不審な下着男、レスリー・チャン登場。

 

 

いや、この発想はなかったわ。

 

〝レスリー・チャン〟を演じたキム・ヨンミンさん、長い俳優歴をお持ちなんだけど、意外とおじさん世代だったので驚きました。

 

 

キム・チョヒ監督 ―― 左の方ですが、本名はキム・ギョンヒであり、「キム・チョヒ」は映画監督としての名前だそうです。

 

キム・チョヒ監督のこれまでの経歴は以下の通り・・・。

 

ハハハ (2010年) プロデューサー 製作

教授とわたし、そして映画 (2010年) プロデューサー 製作

次の朝は他人 (2011年) プロデューサー 製作

冬のピアニスト The Winter Pianist (2011年、短編映画) 監督 脚本

3人のアンヌ (2012年) プロデューサー 製作

ヘウォンの恋愛日記 (2013年) プロデューサー 製作

ソニはご機嫌ななめ (2013年) プロデューサー 製作

うちのスニ OUR SOONI (2013年、短編映画) 監督 脚本 主演

自由が丘で (2014年) プロデューサー 製作

正しい日 間違えた日 (2015年) プロデューサー 製作

山菜娘 Ladies of the Forest (2016年) 監督 解説者役(出演) 脚本

チャンシルさんには福が多いね (2019年)

 

韓国語版のウィキペディアには、2007年の『夜と昼(アバンチュールはパリで)』を皮切りにホン・サンス監督の作品にプロデューサーとして参加した。と書かれてますが、日本のサイトにあるインタビューでは、その映画では演出助手だったようです。

 

とにかくずっとプロデューサーとしてホン・サンス監督とお仕事されてきた方ですね。

 

つまり、『チャンシルさんには福が多いね』は監督ご自身の経験も参考にされたところもあって、主人公チャンシルさんは監督と重なるところもあるのでしょ。

でもあからさまな自伝ではないようですね。

 

「パリでの留学時代にも4本の短編を作っています」と仰ってるのでキム・ヨンのキャラにも重なってるのかな。

 

「この映画を撮った40歳の時に、十数年間やっていた映画プロデューサーという仕事を失って、生計の心配もありましたし、危機であると直感しました」と仰ってますが、まあ、そこはそれ、首は突っ込みません。

『チャンシルさんには福が多いね』では映画監督は急死しますが汗

 

事実関係もちょっと気にはなりますが、とにかくついにPDは長編映画を監督されたと。

 

小津安二郎監督を一番尊敬してて、きっと香港映画も大好きなキム・チョヒ監督の長編第1作・・・。

 

 

主人公イ・チャンシルを演じたカン・マルグムさん・・・舞台で活躍してこられたようで、知らない女優さんでしたが『悪の偶像』(2019年)でハン・ソッキュさんの奥様役だったんですね。

それを知ると、さらにチャンシルさんの役作りの素晴らしさに思い至りましたわ。

 

 

なんか、(もちろん役としてですが)チャンシルさん、水木しげる先生の描くキャラに異常に似てる気がして、それが楽しくもピッタリなんですよ(水木しげる先生の漫画、けっこう読んでます)。

すごく微妙な顔・・・多くは無表情と言っていいんですが、その微妙な顔にイライラとか怒りがにじみ出ていて爆笑です(≧∇≦)

だから「笑いは笑いながらではなく別の表情で生み出さねばエフェクト」がそうして活きてるのです。

 

カン・マルグムさんのこの役作りだけでずっと観てられます。

いや、もう、チャンシルさんの映画をずっと観ていたいヾ(*´∀`*)ノ

韓国映画の中でも特に際立つ個性的な女性キャラでした~。

 

 

ソフィー役のユン・スンアもよく知らなかったけど、あひらめき電球

今、知りました、キム・ムヨルさんの奥様だそうですドンッドンッドンッ

 

ユン・スンア、可愛いし、しっかり笑いどころを押さえた演技です。

 

ソフィーは女優としてフランス語やらギター演奏、ダンス教室をお稽古して頑張ってますけど、売れてないわけでもなさそうに思えましたけど。

チャンシルさんにお金が貸せるほどなのでね。

でも、自分の出演した場面がカットされるとそりゃ落ち込みますわね。

 

彼女と仕事してるヘアメイク・アーティストや衣装担当の女の子たちもいい感じ。

 

映画関係者がチャンシルさんの手伝いでぞろぞろついて回って引越しチャジャンミョンを食べてるのとかもホント好き。

 

 

キム・ヨン役のペ・ユラム、『EXIT』(2019年)で「タタタータータータータタタ!!」と叫んでたお兄さんですが、私が最初に意識したのは『奴が嘲笑う』(2015年)の「ダメな悪いヤツ」でしたっけ。

考えてみるといろいろな映画で見てきた俳優さんですが、キム・ヨン役、良かったですよね~。

 

 

キム・ヨンミンさん演じる〝レスリー・チャン〟の出方とかめちゃくちゃ好きでした(≧∇≦)

 

ヨンミンさんも笑いを心得てはりましたわ~。

 

 

そして前述の通り、大家さんはユン・ヨジョンさん。

ただ一人、私がよく知ってるキャストですが、ユン・ヨジョンさんのいかにも自然なとぼけた持ち味、活かされまくりでまたそれが嬉しかった。

 

大家さんは娘さんを亡くされてるが、そのへんチャンシルさんも思うところがあったでしょう。

 

 

どんな映画って・・・まあ、映画作りに生きてきたPD女子が途方に暮れて迷い、そこからある地点に到達する映画で・・・思いっきりコメディでしたよ。

 

ホントに私は面白かったし、笑いました。

笑える悲劇ってヤツですね。

 

いかにコメディが多くを深く語るか、痛感しましたほどでな。

 

私は別にチャンシルさんと同じような人生ではないけど、無理なくすごく共感できるんですよ。

とても日常的で・・・こんな映画を観る時、ああ、韓国も日本も同じなんだと思わされますね、つくづく、ええ。

 

笑うて暮らすも泣いて暮らすもそんなに差もなく、同じ生きるなら笑うて暮らせ、そんな感じで。

笑いは健康の元ともいいますし。

 

シーンとかでハッとさせられますよ。

すごくいい脚本ですよね。

もう、ちょっと称賛しかないんですけど。

要は私が観たかった映画ってことです。

これはスクリーンで観てたらもっと笑てたと思うんですけどね~。

残念、スクリーンで観なくって。

 

映画として色気もありますね~。

色気っちゅうのは人の心臓の鼓動っちゅうか、ナマの人間が出てる映画ってことやろかなあ。

 

そりゃ人間、生きててもそないにええことばっかりやないでしょう。

そんなええことばっかりな人、あんまり私も会うたことない。

つまるところ気の持ちようとか何とかゆう話しで。

 

チャンシルさんには福が多いのかはてなマーク

それもわかりません。

 

でも、この映画こそが良き世界の象徴でしょう。

何が起こったか考えると、多くを失っているが、次がまた来る、これこそ良き世界じゃないかと。

 

チャンシルさんのその後にも福がありそうです。

彼女は映画を作るだろうし、仲間たちとダラダラ過ごすのだろうし、良き恋に巡り合い、映画では描かれなかったラブシーンを演じることになる・・・ねはてなマーク

色気がおまっしゃろ(´∀`*)

 

 

結論としてどんな映画だとか、それは書きたくないんですけど、一つ、エンドロールで流れる歌の歌詞にはなぜか納得してしまう私。

 

もしも私の記事を参考にしてもらえるのなら・・・この映画、ホンマにオススメしたいです。

観ておられなかったら是非、観てください。

短い映画ですがとても有意義な時間を過ごしていただけると思います。

 

そんなんで今日もホンマにおおきに、ありがとうさんですキスマーク

アンニョン(^.^/)))

 

追伸: 映画を観たあと、YouTubeで『チャンシルさんには福が多いね』リブート企画の動画をググってみてください。さらに笑えます。

 

영화 '찬실이는 복도 많지' MV


 

私たちが信じたいものを

成したいことを

見たいものを




チャンシルさんには福が多いね
原題:찬실이는 복도 많지
英語題:Lucky Chan-sil
中国語題:灿实也多福


2019年製作/96分/G/韓国
日本公開:2021年1月8日
配給:リアリーライクフィルムズ、キノ・キネマ

監督・脚本:キム・チョヒ [第1作]
PD:キム・ソンウン、ソ・ドンヒョン
助監督:カン・テウ
撮影:チ・サンビン
照明:カン・ジヒョン
編集:ソン・ヨンジ
音楽:チョン・ジュンヨプ
美術:キム・ジニョン

出演
カン・マルグム → イ・チャンシル PD
ユン・ヨジョン → おばあさん 大家
キム・ヨンミン → チャン・グギョン(レスリー・チャン)
ユン・スンア → ソフィー 女優
ペ・ユラム → キム・ヨン フランス語先生 短編映画監督
ソ・サンウォン → チ・ミョンス 映画監督
カン・テウ → トンジク(制作部1)  [助監督]
キル・ドヨン → シヨン(制作部2)
イ・ドユン → ヨルミン(制作部3)
ムン・ヘイン → 扮装
イ・ヘア → ヘアー
ク・ギョイク → マネジャー
アナスターシャ → 通行人
キム・ヨンピル → お父さん
カン・ドンウォン → 告祀(コサ)お客さん
カン・ミンス → 告祀(コサ)お客さん
キム・スンユン → 告祀(コサ)お客さん
キム・ファジ゙ジュン → 告祀(コサ)お客さん
ムン・イヌァン → 告祀(コサ)お客さん
ソン・イングク → 告祀(コサ)お客さん
シン・ソッコ → 告祀(コサ)お客さん
オム・ジュヨン → 告祀(コサ)お客さん
オ・ソヨン → 告祀(コサ)お客さん
ウ・ソンウン → 告祀(コサ)お客さん
ユ・ヘミン → 告祀(コサ)お客さん
チェ・ヒョニョン → 告祀(コサ)お客さん

特別出演
チェ・ファジョン → パク代表
イ・ヨンジン → 女優

 

※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。