取り敢えず打ち破ろうか 160 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

いつもは静かな屋敷内も

かなり活気に満ちていて

人に出入りも多くなった

里の者が一丸となり儀式を成功させる

その心意気を感じる

 

名を奪われ隠れるように住んでいた先人

彼らを想うと胸が痛くなってくる

名を取り戻すことこそが悲願だったのだと

改めて思い知った

 

「径君 ・・・ 今日も蔵に行く?」

 

部屋に入るなり

和也に聞かれた

 

「うん、そのつもりだけど

 オープニングに展示する物を

 そろそろ選ばないとダメだろ?」

 

俺が軸や絵に関するもの(屏風や襖なども含む)

画伯が絵画を手伝ってくれる

風間君は焼き物(陶器)や古道具

蔵の中にある物だから

かなりの偏りはあるけど

私設博物館だからそこは自由だ

 

「うん、そうだね

 物によっては期間が定められてる物もあるでしょ?」

 

「国宝、重文だと展示期間は決まってるな」

 

蔵の中にも国宝・重要文化財の

指定を受けてる物が何点かある

 

「全部を出しちゃうと

 後期に展示する物が無くなってしまうから

 そこを考えてもらわないと」

 

「ああ、それは考えてる

 オープニングの目玉は

 智翔の軸と蒼灯の器

 この二つは指定されていないだろ」

 

まだ見つかっていないから ・・・

 

「それって、本当にあるの?」

 

疑いの眼差しを向けてくる

翔が戻ってきてるんだから

そろそろ連絡があってもいいのだが

未だ連絡がない ・・・

 

 

間に合うのか?

 

「ちゃんと完成したよ」と

豆屋さんのお墨付きも頂いているけど

現物を見るまでは

安心できない

 

「あるよ

 若ちゃんも蒼灯さんも

 嘘はつかないから」

 

「そうだけど ・・・

 そろそろ展示場所を決定しないと」

 

「二つは特別展示室だな

 当日はかなりの記者が来るはず

 なんせ、新発見だから」

 

間違いなく大騒ぎになる

 

「それに画伯の絵もあるから

 あれは一番最初に目に入ってくる場所に飾る」

 

現代の絵師として

画伯の絵でお出迎え

 

「その辺りの事を詰めたいから

 先に博物館の方に行ってくれる?」

 

「いいよ

 風間君と相葉君も一緒?」

 

「潤君も来るって」

 

「試験中じゃないの?」

 

考えたら此奴もだ ・・・

 

「来週からだよ

 俺も潤君も一旦家に戻る予定」

 

「ん?もしかして相談事?」

 

目が泳いでるから図星だな ・・・

 

「面倒なことじゃないよな?」

 

「全然面倒じゃないよ」

 

いや~分からないな ・・・

今は止めて ・・・

俺もキャパオーバーだし

 

彼奴の話だったら聞かない

それを言えないのが辛いな ・・・

 

「なに?」

 

ジト目で見てしまったからか

逆に質問されてしまった

 

「何もないよ

 んじゃ、小瀧に車出してもらうよ」

 

「一緒の行くからね」

 

「未来の館長様ですから

 ちゃんとお乗せしますよ」

 

後部座席に座ってくれ!

 

何の話だか ・・・

ちょっと小瀧に聞いてみないと ・・・

 

 

 

 

 

 

<続きます>