取り敢えず打ち破ろうか 159 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

まさに棚から牡丹餅の知らせに

未だ信じられない状態の俺達

マンションに戻ってからも

夢じゃないかと、何度かラインを確かめた

 

「里に入るときは

 御前と一緒なんだよね

 あそこって、屋敷に入るには

 道の途中に検問所みたいなのがあったけど

 俺たちが乗ってたら

 不審がられないかな?」

 

一度、貴方に会いに行こうと

あの道を車で登ったが

途中で引き返したのを思い出した

かなり厳重な鉄の門扉があったのを憶えてる

 

「本家に行く道にもあったな ・・・」

 

思い出したように呟く翔兄

 

「その時は問題なく入れたの?」

 

「あの人が一緒だったし

 家令さんがいらしたから」

 

ここでは画家だけど

本家にとって画伯は

御前よりも上の見極める者だから

通れない訳ないのか ・・・

 

「せっかく同行を許してもらえたのに

 入れなかったらと思うと

 凄く気が重い ・・・」

 

諸手を挙げて喜べない立場なんだ ・・・

はあ ・・・ 嬉しいのに ・・・ 不安

 

「じゃあ、行かないのか?

 俺は行くよ

 検問所で引っかかったら

 耀とは無関係と叫んでやる」

 

翔兄ならやりかねない ・・・

でも、それで良いのかも ・・・

 

「翔兄が一緒なら

 俺も叫べそうだ(笑)」

 

一人なら途方に暮れたけど

強い兄貴が傍にいる

それはきっと貴方もそうだよね

最強の兄貴「画伯」が傍にいる

 

「その気持ちが重要だな」

 

笑みを浮かべて

「直人さんのつまみで一杯やろう」

冷蔵庫からビールを取り出した

 

今日は車だったから

カンテラでは夕食のみ

 

「取り敢えずビールで乾杯

 あと少しで再会できるな」

 

グラスをあてて

乾杯してから口に運ぶ

いつになく美味しそうに飲み干していく

 

「画伯はそのまま戻るの?」

 

「即位の儀に関わる行事があるらしい

 それが全て終わったら

 戻れるって言ってた」

 

「じゃあ、2,3日後になるんだね」

 

「一緒には戻って来れないから

 お前と戻る予定だけど」

 

翔兄とは状況が違い

戻るのは一人だ

だから気を使ってくれてる 

 

「そうしてくれると有り難い」

 

「行きも帰りもお前と一緒

 そんな心配はするなって

 もしかしたら、お前は

 向こうに残るかもしれないだろ」

 

O国から戻ってきてからの翔兄は

頼もしい兄貴になった

 

「どうしてそう思うの?」

 

「採用試験とかあるんじゃない?」

 

「その可能性もあるね」

 

言われてみたら

確かに可能性はある

 

「うん、即位の儀が終わるまで

 採用試験はやらないはず

 それどころではないからな」

 

「そうだね」

 

まあ、受けられたらの話だけど ・・・

 

「着ていくものは何が良いんだ

 そう言うのはお前の方が詳しいだろう」

 

「礼服で良いんじゃない?」

 

「燕尾服じゃなくて?」

 

「ああ、そうか 

 そうだよね ・・・

 でもさ、本家の人って

 何処に並ぶんだろう?」

 

里の人たちと同席するとは思えないし

となると ・・・

そこまで畏まらなくても良い気もする

 

「それは御前に確認したら?」

 

「その手があったか」

 

普通に考えたら

それが一番確実だよ

 

「明日にでもラインしてみるよ」

 

御前とライン友達って

考えたら不思議な関係(笑)

 

多分、画伯と御前の間に

蟠りは全くなくなったんだと思う

翔兄にとっては父親的存在なんだろうな

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん ・・・ 飲もうかな ・・・」