水無月 (珈琲屋さんと雑貨屋さん) | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

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大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

6月の30日は一年の半分が過ぎた日

と言うことで ・・・ 

風流な催しの準備を始めないと

それが過ぎたら七夕だな ・・・

 

「ごめんくだしゃ~い」

 

朝は早くから庭からのお客様

 

「こんな早くに誰かな~?(笑)」

 

この舌っ足らずな愛らしい声は

骨董屋のちびちゃんだ

 

「おはようごじゃましゅ

 こっとうやからきまちた」

 

手には巾着袋のようなものを持って

庭先から中に入ってきてお辞儀をする

 

「ちびちゃん、おはよう

 いらっしゃい」

 

骨董屋とあの方が

しっかりしつけているらしく

礼儀は満点

 

「きょうは おつかいできちゃの

 まめやしゃんは じぶんでつくるから

 これをとどけちぇって たのまれちゃの」

 

「骨董屋から?」

 

彼奴も風流だねえ ・・・

 

俺ほどではないが

同じように長く生きる者としては

季節ごとの行事を大事にする

(最近は西洋の行事の方が盛んだが)

 

「うん、しょうなの!

 たくしゃん つくるだろうからっちぇ

 いっぱいもっちぇきちゃよ」

 

「その袋の中にあるのは

 小豆かな?」

 

どうしてわかったのって顔で

目を真ん丸くした後

満面の笑みを浮かべて

 

「どうちてわかっちゃの?」

 

あれだけヒントを出してるのに(笑)

 

「ちびちゃんの顔に書いてあったよ」

 

「おいらのかおに?」

 

驚いた顔で

慌てて指先で顔を撫でる

ほんと素直な子だねぇ ・・・

 

「ふふ ・・・ 書いてないよ(笑)

 お詫びにご馳走するよ

 美味しいサクランボを手に入れたんだ

 食べていくかい?」

 

「さくらんぼ!

 おいらだいしゅき!」

 

「じゃあ、用意するね

 そこに座ってて」

 

「は~い ・・・ 

 まめやしゃんも つくるんだよね

 みなじゅき!

 おいらも かえっちゃら

 おてつだいしゅるの!

 

大きな声で返事をした後

きんちゃく袋を俺に渡して

ちょこんと椅子に座る

それを見て、庭から子ども妖が

わらわらと中に入ってくる

 

「わらちしゃん げんきだっちゃ?」

 

ちびちゃんを囲んで笑顔の花が咲く

この子たちも今から大事な用があるから

美味しいサクランボ

たくさん出してあげないと(笑)

 

 

招待される予定の雑貨屋

ちゃんと覚えてるのかな?

妖達が招待状を渡したらしい

 

「あっ!わすれちぇた

 あのね ・・・ ざっかやしゃん?

 あおひしゃんの うつわをたのまれちぇ

 ことわっちゃの ・・・

 そんで、そのちゅうもんが

 うちにきちゃの ・・・」

 

直接、来た訳じゃないな

どっかの骨董屋が引き受け

泣きついて電話してきたんだろう

紅玉はそういう所は優しくない

 

「俺の器の注文?」

 

見つけられるはずがない

そもそも大半がここに有る

 

「うん ・・・ 」

 

「それで、骨董屋はどうしたの?」

 

「ない!っちぇことわっちゃの」

 

予想通りの答え(笑)

骨董屋、冷たいからな ・・・

 

「雑貨屋も器を持ってるのに ・・・

 あれを売れば

 小金持ちにはなれる(笑)」

 

「それは、ざっかやしゃんのもの!

 おいらのも、おいらのだもん!」

 

ちびちゃんが正論を言う

大事にしてくれてて嬉しいよ

過去の蒼灯が聞いたら

飛んで喜ぶ

 

「それはありがとう」

 

サクランボを大きなガラスのお皿に盛って

テーブルに置く

 

「どうぞ召し上がれ!」

 

「ありがとう

 いただきま~す!」

 

可愛らしい声が店の中に響く

まあ、こういうのも有りだな

 

 

 

さて ・・・ まずは小豆から煮るとしますか ・・・

マスターも来るだろうから

結構な数を作らないと ・・・

 

 

雑貨屋、迷わずに来るように!

 

 

 

 

 

<続きます>