Wish you were here  059 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

お蕎麦が出来上がったのは

昼を少し過ぎた頃

 

健太君は顔が真っ白になってて

翔さんの作務衣もそば粉で白くなってた

 

翔さんの家の分は大きめのタッパーに

家の分もは中くらいのタッパーと小さめのタッパー

(何故か二つある)

 

「これは翔君が打った蕎麦だ

 お前に食べて欲しいって言ってたから

 智だけ、こっちの蕎麦だよ」

 

「切ったのも翔さん?」

 

「ああ、延ばしも切りも全部彼だよ」

 

父ちゃんがこっそり教えてくれた

 

一人で作った蕎麦を食べさせたいって

約束守ってくれたんだ

家に帰ってからの楽しみが出来た

(食べたらお礼のLINEを入れよう)

 

「みんな疲れたでしょ

 お昼にしましょうね」

 

マダムと母ちゃんが

おにぎりをたくさん作ってくれてた

 

「わ~い おにぎりだ!」

 

健太君が嬉しそうに叫んで

リビングのそがーに座る

 

「健ちゃん、手を洗ってきてから

 それとお顔(笑)」

 

「マダム僕が連れて行きます」

 

「お願いできる?」

 

「はい、翔さんも一緒に」

 

「そうだね」

 

3人で洗面所に向かう

 

「そば打ちってたのしいね」

 

健太君がニコニコ笑って

僕たちの顔を見上げる

 

「大勢で作ると楽しいね

 翔さん、すごく上達してて驚きました」

 

「ほんと?」

 

「僕は嘘はつきません(笑)」

 

最初を知ってるから

びっくりするほど上手くできてた

 

「努力したら出来ないことも出来る

 と言うことを身をもって

 体現したよ(笑)」

 

ちょっと難しい言葉が入ったので

健太君がぽかんとした顔をする

 

「ふふ ・・・ 練習したら上手になるって意味だよ

 

「じゃあ、ぼくもれんしゅうしないとね!」

 

「毎年、師匠と作れば上手くなるよ」

 

「うん、そうする!」

 

「これで ・・・ 喜んでもらえるかな?」

 

翔さん、ちょっと自信なさげ ・・・

でも ・・・ お祖母ちゃんは喜ぶと思う

 

「貰えます!」

 

「ぜったいによろこんでくれるよ!」

 

僕たちの言葉で

ホッとした顔をする翔さん

こんなに頑張って作ったんだもん

絶対に喜んでくれると思う

 

「それを聞いてホッとした ・・・

 ホッとしたらお腹空いたね(笑)

 おにぎり何個食べようかな?」

 

「ぼくは2個!」

 

「僕も2個かな?」

 

「そこは3個でしょ!」

 

「大きさにもよるかも?」

 

「それはそうだ ・・・」

 

手を洗って部屋に戻ると

持ち帰れるように

蕎麦はそれぞれの袋に入れられた

 

ただ ・・・ 蒼さんたち用の蕎麦は

びっくりするほどの大きさ(笑)

 

「翔君、そばつゆも入れておいたよ

 後は茹でるだけだ ・・・

 時間を間違えないようにな」

 

「はい、ありがとうございます」

 

蕎麦打ち道具も風呂敷に包まれてた

そうだ ・・・のんびりしてられないんだ ・・・

 

「じゃあ、そっちに座って

 お昼ご飯食べてね」

 

リビングのテーブルにおにぎりと出汁巻き

それから豚汁が用意されてた

マダムと母ちゃんの合作お昼だ

 

リビングの床に座って

和気藹々と話しながらの食事

 

「師匠、この後、紅玉さんに行くんですか?」

 

「ああ、健太と一緒に届けるよ

 さとし君が待ってるもんな」

 

「うん、やくそくしたから!」

 

その時、気が付いた

もしかして ・・・ 

一緒の蕎麦打ちをしたら

誰かが迎えに来て

全員が帰ったら

健太君が淋しくなっちゃうから?

 

ほんの些細な事なんだけど

それが気遣いなのかも ・・・

考えすぎかな?

 

「どうかした?」

 

翔さんが僕にだけ聞こえるような声で呟く

 

「いえ ・・・ 朝から優しさが溢れてるなって

 そう思ったら ・・・

 胸が熱くなってしまって ・・・」

 

「え? ・・・」

 

「何でもないです ・・・

 師匠と健太君

 翔さんを見送って

 片付けをしたら帰ります」

 

多分それが正解だと思う

 

「この後の事?」

 

「はい、そうです」

 

「ああ ・・・ そう言うことか ・・・」

 

翔さんも気が付いてくれたみたい

 

「健太君、雪ダルマがどうなってるのか

 写真を撮ってから行った方が良いかも」

 

「ゆきだるまとけてない?」

 

「それを見た方が良いでしょ?」

 

「うん、そうする!」

 

沢山話しが出来る方が楽しい

蒼さんたちも雪だるまみたいだろうから

 

もしかしたら

紅玉さんのお店の前にも

雪だるまがいるかも

 

 

今年もあと少し ・・・

翔さん、頑張って

 

 

 

 

 

<続きます>

 

『Wish~』第一部

あと少しで終わります

切りの良いところで

 

 

第2部は年明けから始めます

すぐにスタート予定ですが

題名 何が良いかな?

いい案があったら教えてください!

 

 

yayosato