紅玉の店には大きな大きな机が鎮座している
机の引き出しは何処に繋がってるのか
たまに仕舞った物が出てこないこともある
その引き出しを眺めながら
椅子の背もたれにもたれて
腕くみをした蒼ちゃんが難しい顔で
「う～ん」って唸り声をあげた
「どうちたの？」
その声を聞いて飛んできたのはおちびちゃん
「いや ・・・ う～ん ・・・」
「なに？」
眉間に皺を寄せたまま
何に困ってるのか言ってくれない
「この時期、こんなに静かでいいのかと ・・・」
毎年この時期は結構忙しい
「そうか ・・・ 社長たちが戻ったからか ・・・」
ポンっと手を打って
理由をこじつけて納得顔の蒼ちゃん
「りょこうしゃのちごとが
ないっていいちゃいの？」
「そうだな、何の募集もしてないだろ？」
そう言われて
落ち着きのない様子のさとち
「ん？」
さとち君の顔を覗き込みながら
眉根を寄せる
「チビ、何か隠してる？」
「おいら ・・・ なんにもちらないよ
おんがくかいをするっちぇ！」
あらら ・・・ いつの間に ・・・
それに誰主催？
緋ではなさそうだし
翔先生でもなさそうだ
祝われる俺たちに言うはずもなく ・・・
そこはお兄ちゃんも同じだ ・・・
「ほ～ ・・・ 音楽会を ・・・するんだ」
聞き返されて
慌ててお口に手を当てて
頭をフルフルと左右に振る
その仕草が可愛らしくて
思わず笑みが浮かぶ ・・・
「誰が主催なの？
大ちゃん？ SATOSHI？」
「ううん ・・・ しゅしゃいは ・・・」
もじもじしながら天井を見上げる
「どういうこと？」
「ま ・・・ まが ・・・
つく ・・・ なの ・・・」
「へ？ ・・・ まさかだろ？
大ちゃんは知ってるの？」
「わかんないの ・・・
でもね、もうしゅつえんするちとは
ぼしゅうちたもん」
「誰が?」
「おいらが」
「一人で？」
「まじょしゃんと」
「ってことは決まってるってことか ・・・
場所とか、協力してくれる人は
決まってるの？」
「わかんない ・・・」
チビに聞いてもらちが明かないと
電話に手を伸ばした
「蒼 ・・・ 電話しなくてもいいよ
今回の魔女は ・・・
どうもポンコツみたいだ」
音もなく入ってきたのは大ちゃんと翔先生
ちょっと呆れた顔をしてる
「大ちゃんも知ってたの？」
「知ってたら教えてる
ちびちゃんが何やら動いてたのは気が付いてた
後ろで糸を引いてたのが魔女だとは
思わなかったけど ・・・
あの人が出てきたら抗えないの（笑）」
「じゃあ、場所の確保とか
出演者も考えないといけないってこと？」
「多分そうだよ（笑）」
翔先生も苦笑い
「歌とダンスは彼にお願いするとして
出演依頼は誰にするかだ」
慣れてる大ちゃんは
すぐさま段取りを取り始める
「今回は我々は裏方でいいんじゃない？」
「それが許されるなら
そうしたいけど ・・・
向こうの部屋は誰に出てもらうか ・・・」
「そこも考えないと ・・・
やっぱり忙しくなる（笑）
チビ、彼の所に行くよ」
「だれ？」
キョトンとした顔をするさとち
「歌とダンスと言ったら？」
蒼ちゃんに聞かれて
ハッとした顔をする
「むもんしゃま！」
「正解！どこに居るかだな？
欅が知ってるだろう」
そうと決まれば早く行きたいさとち
蒼ちゃんの腕につかまって
元気よく返事をする
「は～い！」
「大ちゃんはどうする？」
「緋と3人で打ち合わせをするよ」
「じゃあ、お願い」
蒼ちゃんはチビと
大ちゃんは紅玉で
「音楽会」の打ち合わせ
＜続きます＞
少々、エンジンをかけるのが遅くなりました
間に合うかな？
間に合う気がしない（笑）
別部屋は誰に出てもらいましょうか？
リクエストありましたら
教えてください
歌を歌ってくださる皆様
どの部分が歌いたいか
伝えたい思いなどありましたら
コメントにて教えてください
非表示にしてありますので
何なりとお申し付けください
魔女