Wish you were here 423 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

インテリアっぽく見せて有る階段

2階に上がれると思ってる人は少ない

丸ちゃんは未だに気がついてない(笑)

普通の部屋を倉庫代りにしてるから

部屋自体はモダンな作りになってる

昔は2階で居住していたのかも

部屋には箱や包み紙

商店街のお祭り、季節の飾りに使う

備品が仕舞ってある

 

「この階段、凄く気になってたの」

 

翔さんが手摺りに触れながら

感慨深い顔をする

 

「翔さんって古い建物好きですよね」

 

僕の家も気に入ってくれたし

二人で行った洋館も

瞳を輝かせながら見てた

 

「その家の歴史を肌で感じて

 頭の中で妄想するのが好き」

 

小説家さんだからだ

でもその気持ち分かる気がする

 

「この階段をどんな人が上がって行ったのかなぁとか?」

 

後ろから上がって来てる翔さんが

にっこり笑って、その通り!って顔で頷く

 

「その言葉が出るってことは

 貴方もあるでしょ?」

 

貴方もって言われるとドキドキする

名前で呼ばれるのは

なんともないんだけど

特別な関係って思えて(特別な関係なんだけど)

 

「妄想まではいかないかも …」

 

「そう?ここにどんな人が住んでて

 どんな恋をしてって想像しない?」

 

どんな恋をしてたか?までは

想像しないけど …

でも、考えたら楽しい

 

「そこまで想像するのは小説家さんだからです」

 

シゲちゃんも同じ様な事言ってたのを思い出した

 

「貴方の方が感性が豊かだから

 インスピレーションとかを受け取ってると思うな

 俺は、その時代の背景を思い浮かべて

 色々想像するのが好き」

 

少年の様な眼差しで

階段の手摺りや壁紙

インテリアっぽく置いてある

古い写真や絵を楽しそうに眺めながら

2階にあがる

 

「時代の背景まで考えるんですか?」

 

「考えない?

 日本家屋ばかりの時代に

 ここまでモダンな建物にしようって

 どうして思ったのか

 そもそも、ここは宝飾店だったのかとかね」

 

その視点がお話に活かされるんだ

 

「それは知りたいかも …

 きっとハイカラさんだったんですよ」

 

「ハイカラさんなのは間違いないね

 貴方も同じだよ」

 

隣に並んだ翔さんが

僕の瞳を除き込む

その瞳が優しくて

ちょっと艶っぽくて

恥ずかしくなってくる

 

「同じ?ですか …」

 

腕が触れただけでドキドキが止まらない

気付かれないように …

少し前を歩く

 

「アンティークジュエリーの本を見てた貴方も

 同じこと考えてると思って」

 

ほんとだ!

同じこと考えてる

自分が気がつかないことを

教えて貰うだけで嬉しくなってくる

 

「言われるまで気が付かなかった

 翔さんと同じなのが嬉しい」

 

翔さんが固まった …

僕、何か変なこと言った?

 

「あの … 」

 

声を掛けたら「はっ!」ってした顔をして

 

「貴方が余りにも可愛い顔で笑うから

 見惚れてしまいました」

 

へ? …  今度は僕が固まった

 

 

 

 

 

 

 

〈続きます〉