(有)智翔旅行社 分室 4 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

飴とグミ作りに忙しい大ちゃんを心配して

翔先生がお兄ちゃんと一緒にお店に帰ってきた

 

「ただいま」

 

お兄ちゃんの明るい声がお店中に響き渡る

その声を聴いただけで、チーフの心は晴天になり

トンという音を立てて椅子から飛び降りて

二人が入ってくるのが見える場所まで移動する

 

「おにいちゃん、おかえりなさい

 しょうせんせい、いらっしゃい」

 

そのまま駆け寄って

お兄ちゃんの腰にギュッと抱き付いた

チーフの頭を撫でながら

 

「こんばんは、元気の良い声だね

 聞いたよ、今はチーフって呼ばないといけなんだよね」

 

満面の笑顔の翔先生が頭麻撫でながら訊ねる

 

お兄ちゃんの手をギュッと掴んで

翔先生を見あげるチーフは大きく頷いた

 

「うん、おいらチーフ!」

 

何をすれば良いのイマイチわかってないチーフだが

元気とやる気だけは人一倍

胸を張って挨拶をする

 

「依頼は沢山来てるの?」

 

依頼に関しての管理は蒼ちゃん

そう言われてもよく分からない

困った顔で首を傾げてお兄ちゃんを見上げる

察したお兄ちゃんがチーフを抱き上げて

 

「以来の管理は助手1の仕事らしいです

 チーフは依頼人に会うのが仕事」

 

「なるほど、じゃあ家の大ちゃんは何になるの?」

 

この家には助手4まで居るはず

大ちゃんは助手5になるのかな?

そう思いながら確認する翔先生

 

「おおちゃんは ・・・ おおちゃんだよ」

 

「そうなの?」

 

てっきり助手5と答えると思ってた二人は

同じ仕草をして目を泳がせ小首を傾げた

 

「うん、おおちゃんだもん

 ぐみとあめつくるんだよ」

 

「特別顧問ってとこかな?」

 

意味は分かっていないが

カッコイイ言葉に思えてチーフがニヤリと笑う

 

「そう!とくべちゅこもん!」

言えていないのだけれど(笑)

 

「副チーフは知ってるんでしょ?」

 

いくらなんでも蒼ちゃん一人が

管理してるとは思えない翔先生

小さな声で確かめる

 

「ええ、把握はしています

 来客予定については聞いていません

 まだチラシが出来上がっていないですし

 飴も量産できないらしいので」

 

「確かに難しい ・・・ 配合を間違えると

 とんでもない力になるらしい」」

 

大ちゃんから聞いてるのか

翔先生が渋い顔をした

 

「どんな力ですか?」

 

「例えば副チーフが過去の人になりたいと言えば

 叶ってしまう」

 

「いくら大ちゃんでも ・・・」

 

そんな事が出来るのは神様くらい

眉唾ものかと疑いの眼差しを向けると

抱っこしてたチーフが

 

「かみしゃまだもん」

 

ニッコリ笑って副チーフに

大ちゃんは出来るんだよって顔をする

 

「そうだった ・・・ あの人神様だ(笑)」

 

二人が奥に向かって歩いていくと

廊下から蒼ちゃんが顔を出す

 

「お帰り

 翔先生、いらっしゃい

 チーフは赤ちゃんに戻ったのかな?」

 

抱っこされてるチーフに向かってニヤリと笑う

 

「あかちゃんじゃないもん 

 おにいちゃんがだっこしちぇくれちゃの

 おいらからじゃないもん」

 

ちょっと頬を膨らませたまま

勢いをつけてジュンプして

中に少し浮かんだ状態でゆっくりと床に足を付いた

 

「羽使ったろ?」

 

「つかっちぇないもん!」

 

「ふふ ・・・ 使っても良いんだよ

 みんな知ってるから(笑)」

 

「忙しそうだね」

 

大きなテーブルの上に

少し風変りな手紙が置いてある

全て葉っぱの形をしている

 

「変わった手紙ですね」

 

副チーフが視線を落として

一枚を手に取った

 

「依頼主からの手紙だよ」

 

「そうなの?」

 

チーフが目を丸くする

 

「ああ、この葉の花はなんだ?」

 

そこは花の博士でもあるチーフすかさず答える

 

「リコリス! これはきょねんの『は』?」

 

 

花が咲いてる間は葉をつけないのが特徴

サクラの花に似ている

 

「そうかも知れないな」

 

リコリス?二人には分からない

 

 (イメージです)

「これだよ」

 

「あれれ ・・・ リコリスちゃんなのに あおい ・・・」

 

「ブルーパールにも見えるけど

 多分こっちは幻のリコリスかな」

 

二人からすれば珍紛漢紛の話で

ただただ、二人の会話を聞くしかない

 

「あのね、あおいりこりすちゃんは

 めったにさかないの

 ぶるーぱーるちゃんにも にちぇるけど ・・・」

 

「だから幻なんだね」

 

副チーフ、少しだけ園芸に詳しい

得心した顔で頷いた

 

「リコリスの妖精ちゃんが来てくれるの?」

 

「ああ、店に来てくれる

 後、もう一人の妖精は

 この子だな」

 

蒼ちゃんが葉を抓んでチーフに見せる

テストされてるみたいな感じ見えるのは俺だけ?

翔先生が苦笑いを浮かべた

 

「ブルースターくん ・・・ おおちゃんのすきなはな」

 

葉の形だけでは分からない二人

助手1が見えてくれる画像を待っている

 

 

「ああ、これは知ってます

 花屋さんで見かける

 ピンクスターもありますよね」

 

「チビ ・・・チーフの指導のお蔭で

 お兄ちゃんはお花に詳しい(笑)」

 

「うん、おにいちゃん かっちぇきたことあるよ」

 

「最初の頃ですよ

 すぐに切り花を止めて

 鉢植えにしました」

 

翔先生がブルースターの花を愛しそうに眺める

ブルースターとピンクスターは二人の花

 

「世界中を幸せにしてくれる花になってくれたら

 それだけで嬉しいかな」

 

「サムシングブルーに選ばれますよね」

 

持ってる携帯でブルースターを検索して

結婚式のブーケになってる画像を見せる

 

「本当だ ・・・」

 

「よかっちゃね」

 

チーフが翔先生の腰をギュッと抱きしめた

 

「何が良かったの?」

 

全然中に入って来ないから

痺れを切らした大ちゃんが店に出て来る

 

「何でもないですよ

 大ちゃん、終ったの?」

 

「ああ、今日の分は終わった」

 

「じゃあ、ゆうごはん!」

 

チーフの言葉で部屋の空気が明るくなる

 

「じゃあ、ご飯を食べて

 打ち合わせだね

 チーフ、忙しくなるよ」

 

「まかせちぇ!おにいちゃんもいるからだいじょうぶ」

自信満々の顔で胸を叩いた

 

 

 

 

 

 

紫陽花、青い桔梗、ラナンキュラス

リコリス、ブルースター

 

あと半分の妖精さんが待っています

チーフは忙しくなりそうです

 

 

 

 

 

<続きます>