Wish you were here 301 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

大きな紙袋を持って入ってきた翔さん

スポーツウエア(ジャージの上下)に身を包んで

満面の笑みでやる気満々(掃除好きなのかな?)

 

「今日の櫻井君は本気だねぇ(笑)」

 

師匠が笑いを堪えて感心した様な顔をする

 

「当然です、隅々まで掃除しますから」

 

大掃除って言うからには

かなり大掛かりにはなると思うけど

にしても気合が ・・・

 

「あの ・・・ 何を買ってきたんですか?」

 

大きな紙袋を指さすと

翔さんは師匠に頼まれたらしい掃除道具を

一つずつ出して見せてくれる

 

窓ガラスクリーナーに

クイッ〇ルワイパー

雑巾に ・・・ ブラシ?

 

こんな大掛かりな掃除するの?

 

「師匠 ・・・ 今年は本当に大掃除なんですね」

 

去年も一昨年も、適当で良いと言い続けた師匠

見かねたお祖母ちゃんがいつも指示を出してくれてた

 

「そりゃ、偶には気合を入れないと

 来年からは2人のデザイナーの店だからな」

 

「もう、僕はまだまだ見習いですよ

 でも、年末の大掃除は隅々まで

 歳神様を招き入れないといけませんものね」

 

僕の言葉を聞いた翔さんが

感心した様な顔をする

 

「智君、古風なしきたりを知ってるんですね」

 

「小さい頃、祖父と一緒に大掃除をする度に

 その意味を教えて貰ったので」

 

このお店も大掃除を済ませたあと

店の中に鏡餅と花飾りを置く(飾るのは明日)

本当は昨日までに飾るらしいのだけれど

お店の場合難しいから30日らしい

(師匠の家は既に飾りつけは終わってる)

 

「この若さで良く知ってるの

 俺なんか、門松もしめ飾りも

 何時でも良いだろって思うけど

 今日と31日は駄目らしい」

 

「本来は昨日までにするのがベストです

 商店街にも既に門松が立ってるお店もあります」

 

古本屋さんが一番だった

シゲちゃんのお祖父さんが率先してやってた(笑)

 

「確かに28日までにって聞きますね

 でも、最近は30日でも良いという説もあります

 気持ちの問題ですけど」

 

29日以降は一夜飾りと言われるらしい

30日がOKていうのは聞いた事は有るけど

どうしてかは知らない

僕の場合、祖父ちゃんの受け売りだから

あまり意味は分かっていないけど

 

その点、翔さんは博識だなって思う

 

「お袋から小言を言われたが

 掃除せずに飾れないだろ?」

 

昨日まで福袋を作るのに忙しかったから

そこまで手が回らなかった

 

「ええ、歳神様は不浄を嫌いますから

 綺麗にしてお迎えしないね

 で、何処から始めますか?

 

翔さんが一番張り切ってる(笑)

 

「まだ、お昼を食べてないから

 昼食が来てからだ」

 

「翔さんは食べてきたんですか?」

 

「そう言えば ・・・ 朝から何も食ってない」

 

「マジですか?」

 

あんなに食べる事が好きなのに

翔さん倒れちゃう

 

「ああ、コーヒー飲んでた時

 師匠にスカウトされたから」

 

翔さんが師匠の顔を見てニヤリと笑う

師匠は視線を僕から外して

白々しい顔をする

 

「師匠、スカウトしたんですか?」

 

「ショーケースの配置も少し変えようと思って

 そうなると、人手がいるだろ?」

 

だから、スカウトは間違っていないって言いたげ ・・・

 

「だから翔さんですか?」

 

「ああ、 打ってつけだと思って

 彼は頼りになるよ」

 

「そうですが ・・・」

 

翔さん何故かニヤニヤしてる

ほんとお人好しなんだから

 

「智君、全然迷惑じゃないから安心して

 どっちかと言うと

 押し掛けたみたいなものだから 

 一緒に掃除ができるでしょ」

 

そう言われると ・・・ 僕も嬉しいけど ・・・

 

「お待ちかねのお昼ご飯が到着

 我が家の王子様が持って来てくれた」

 

師匠がアーケードの方に視線を向ける

健太君がお祖母ちゃんと手を繋いで歩いて来る

 

僕たちの姿を見つけて

満面の笑みを浮かべてドアを開ける

 

「おひるごはんもってきたよ」

 

明るい声で叫んで

僕たちの所に走ってきた

 

「先ずは腹ごしらえをしてからだな」

 

「しょうおにいちゃんもいっしょ?」

 

「お手伝いしてくれるって」

 

「やった!ぼくもがんばるね」

 

健太君は翔さんが大好き

いつも以上に笑顔に力があるみたいだ

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>