取りあえず奇蹟を起こそうか 141 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

お昼ご飯を作るとキッチンに立つ姿

いやに様になってるけど

料理教室にでも行ったか?

 

俺の誕生日にケーキ作ってくれたっけ?

あれは綾野くんの店のパティシエが

付きっきりだったはず

今回は誰だ? 

一人いた、『Torch』の蔵さんだ

だから鼻唄まで出てんだな(笑)

 

「何か手伝うことある?」

 

ソファーに座ったまま声を掛ける

 

「大丈夫、ちゃんと出来るから」

満面の笑みのお前が親指を立てた

 

「何作ってんの?」

 

「ビール飲むでしょ?」

 

「うん、飲む」

 

「簡単なツマミしかできないけど

 我慢してね」

 

「お前の手料理なんだから

 大歓迎だよ

 側に行っても良い」

 

包丁を持ってるけど

どうにも危なっかしい

俺も過保護

 

「側で見られてると緊張するかも?」

 

言葉とは裏腹な不安げな瞳

側で見ててもらって作ってたはずだから

一人だと不安だよな(強がらなくて良いのに)

 

「手は出さないよ

 見てるだけ」

 

「じゃあ、側で見てて」

 

冷蔵庫から出された食材は

お揚げ(かなり分厚い)ネギと大根

ししとうにじゃこ

玉ねぎ、人参、合挽きミンチに

キーマカレーのルー

 

ビールのツマミが2品

キーマカレーがメインだ

 

大丈夫かぁ?

どれも細かく切るものばかりだけど

 

まな板の上に玉ねぎと人参

これ刻むんだよなぁ

 

「フードプロセッサー有っただろ?」

 

「何それ?」

 

「みじん切りにするんだろ?」

 

「なんで分かるの?」

 

「そのルーだとみじん切りでしょ?」

 

あっ!バレちゃったって顔をして苦笑い

 

「バレても良いだろ

 お前が作ってくれるのが嬉しいの」

 

棚の中からフードプロセッサーを取り出して

キッチンに持っていく

 

「ここに人参と玉ねぎ入れて

 スイッチ押せばみじん切りの出来上がり」

 

「そんな文明の力があるなんて知らなかった」

 

目をパチクリさせて驚いてる

 

「貴方も使ってた?」

 

「使ってない、洗うの面倒で(笑)

 でも時間短縮出来るから便利だぞ

    その代わりネギは輪切りにして」

 

多分、油揚げをトーストして

大根おろしとネギを乗せ

醤油で食べるツマミ

ししとうとじゃこの煮びたしかな

 

随分頑張ったメニュー

キーマカレーとサラダで充分なのに

蔵さんのレシビ通り作ったら美味しいはず

 

「材料見ただけでメニューって分かるものなの?」

 

素朴な疑問って顔をする

自炊してたら大概分かるよ

 

「そりゃ分かるよ

 だって俺が料理担当だっただろ?」

 

お前は食べる担当な(笑)

美味しそうに食べるお前がいるから

料理作るのが楽しいの

 

「じゃあ、俺が作るメニュー分かるの?」

 

「ふふ  … 一緒に作るか?」

 

「えっ 良いの?」

 

不安げだった顔が

ホッとした表情に変わる

 

「その代わり俺は補助な

 お前が指示して」

 

「うん、それはそうだね

 じゃあ 大根おろし作って」

 

良いけど、逆の方が良いと思うけど

ネギの輪切りできるのかなぁ

 

「任せろ!

 それより、ご飯炊いた?」

 

「ああっ!炊いてない」

 

やっばり(笑)

 

「お米有るの?」

 

「ある、無洗米貰ってきた」

 

一回分ずつ小分けの袋に入ってるお米を見せてくれる

保存もきくし便利な米

 

「ご飯のスイッチ入れたら

 キーマカレーの箱に書いてある説明よく読んで」

 

「貴方が読み上げてくれたら

 分かりやすい気がする」

 

その場合手伝えないが…

大根おろしながら声に出して読んでやるよ

 

ゆっくり作って

ゆっくり食事しよう

今日は誰にも邪魔されない1日なんだから

 

お前が包丁持ったまま

あたふたして大きな声を出した

 

「どうした?」

 

「ネギが繋がってる」

 

「それもみじん切りにしちゃえ」

 

「美味しい?」

 

「薬味なんだから大丈夫だよ

 ただし、指は切るなよ」

 

お前が何度も頷いて

 

「頑張るよ!」

ってにっこり笑った

 

頑張らなくても良いよ

その気持ちだけでも嬉しいんだから

 

 

 

〈続きます〉