これが恋と言うものか 31 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

車の助手席に、大好きな貴方が座ってる 

チラッと横を見ると

綺麗な横顔が目に入って

その度に顔が紅くなるし

胸の鼓動は早鐘を打ちだす

 

好きな人を隣に乗せることが

こんなに緊張する事だって思いもしなかった

 

「ふふ ・・・ 何時になく静かだよね」

 

貴方が可笑しそうに笑う

 

「そんな事ないですよ ・・・

 ただ、安全運転に徹してるだけです」

 

貴方の澄んだ声が車内に響くでしょ

だって、ここまで狭い空間で一緒に居るって

今までないから ・・・ 声聴いただけでドキドキしてくる

 

「安全運転は分かるけど(笑)

 もう少し肩の力抜いて

 いつもの櫻井先生で居てくれないと」

 

いつもの俺? ・・・ それは賑やかって事かな?

 

「いつもは煩いって事でしょうか?」

 

「アハハ ・・・ そこまで言ってないけど

 いつも、俺を楽しませてくれるから

 静かだと、調子が悪いのかって思ってしまう」

 

「調子は悪くないです、至って健康ですから

 少し早く着きそうなので

 何をしようかなと考えてました」

 

「少しじゃなく、かなりだよね(笑)

 天気も良いから紅葉でも見て行かない」

 

そうだ ・・・ 紅葉が見頃だって書いてあった

 

「じゃあ、そちらに向かいます」

 

二人っきりになると

からっきしダメな俺

学校とかなら話せるのに

 

「櫻井先生は好きな人はいるの?」

 

その質問に固まった

前にも聞かれと事があるような

俺なんて答えたっけ ・・・

 

「ごほっ ・・・ す ・・・ 好きな人ですか?」

 

貴方が涼しい顔(どちらかと言うと意地悪)で訊ねる

 

「前に居るような事言ってなかったっけ?」

 

「そりゃ ・・・ あの ・・・ います ・・・

 というか ・・・ か ・・・ か ・・・ かた ・・・」

 

「かた?」

 

「片想いです!」

 

言っちゃったよ ・・・ はあ ・・・

 

「片想いか ・・・ 伝えないの?

 告白されるの待ってるかもしれないよ」

 

前も同じこと聞いた気がする

そりゃ、自分の事だと思ってないんだから

アドバイスできるよな ・・・

俺が好きなのは貴方なのに ・・・

男から好きだって言われても嬉しくないでしょ?

そう考えると、想いを伝える勇気がない

 

「どうでしょうか ・・・ 待っててくれるとは思えなくて ・・・」

 

好きな相手に恋愛相談って

アドバイス貰う度に落ち込んでいく

 

「先生はどうなんですか?

 好きな人がいるって言ってましたよね」

 

前に聞いた時言ってた ・・・

だから余計に伝えられない

 

「俺のこと? ・・・ああ ・・・ ずっと待ってるよ

 相手が鈍感な上に奥手だからね ・・・」

 

どんな人なんだろう ・・・

貴方の心の中に住んでる人は

 

「ご自分からは言わないんですか?」

 

「俺からは言えない ・・・

 相手がその想いに気が付くまで ・・・

 待ってる ・・・ 待つのは慣れてるから ・・・」

 

貴方の横顔が少しだけ淋しそうで

胸が締め付けられた

 

「待たなくても良いのに 

 先生から言われたら ・・・ 

 俺なら舞い上がってしまう」

 

「本当に?」

 

「ええ、絶対舞い上がります

 断わる人なんていません

 俺が保証します」 

 

何で俺が背中を押してるんだ ・・・

でも、先生が笑って居てくれれば ・・・

 

「ふふ ・・・ 俺も、それは分かってる

 でも、それじゃダメなんだ ・・・

 相手が俺で良いって腹を括らなきゃ

 乗り越えられない ・・・」

 

「乗り越えられない

 何か難しい事でもあるんですか?

 もしかしたら、先生、どこかの御曹司?」

 

「アハハ ・・・ そんな訳ないでしょ

 住んでアパート見ただろ?

 俺は至って普通の一般人だよ

 卵の値段を気にするね

 そう言う事じゃない ・・・ 心の中の問題 ・・・

 俺と歩く覚悟が有るかだよ」

 

一緒に歩く覚悟 ・・・ 俺だったらあるのに ・・・

こんな素敵な人に想われてるのに

気が付かないって ・・・ どんな朴念仁だよ ・・・ 

救いようがない馬鹿だな

 

「俺だったら ・・」

 

「俺だったら?」

少し食い気味に訊ねられて

たじろいてしまう

 

「いえ ・・・ どんな人なのかなって思って」

 

思わず口を尖らせてしまった

 

「どんな人か?引くぐらい鈍感かも

 真っ直ぐな性格で

 情熱的なんだけど

 あと一歩が踏み出せない(笑)

 自分の事に関しては無頓着」

 

「どんな人か会ってみたいな」

 

「クフフ ・・・ アハハ ・・・ お腹痛い ・・・

 ここまで言ってるのに ・・・」

 

貴方がお腹を抱えて笑い出す

 

「へ?」

 

「ふふ ・・・ まだその時じゃないってことだ(笑)

 何でもないよ ・・・ 

 櫻井先生、もう少し自信もっても良いと思うよ

 思いっきりぶつかって行けば、伝わるよ」

 

「当たって砕けろって事ですか?」

 

「砕けなくても良いだろ?」

 

そんな事言っても

振られても、毎日顔を合わすんだ

余程の勇気がなきゃ ・・・ 伝えられない

 

「そうですけど ・・・」

 

変なこと聞いちゃったな ・・・

好きな人がいる ・・・ それは事実 ・・・

 

でも、ずっと側に居られるなら

俺はこのままで良い

 

 

「時期尚早って事だね ・・・ この話はおしまい

 この辺りかな紅葉?」

 

貴方が窓の外を見ながら呟く

 

「そうですね ・・・ 降りて歩きましょう」

 

近くの駐車場に車を止めて散策する

 

 

 

 

「真っ赤な絨毯だ ・・・ 彩り豊かな紅葉 ・・・

 本当に綺麗だ ・・・」

 

貴方が眩しそうに色付いたモミジを見上げた

その横顔が、息を飲むほど美しくて

ただただ見惚れてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ショー ・・・ 君のいる世界は

 涙が出るほど美しくて素晴しい世界

 君と一緒に同じ景色を観てる

 だから ・・・ 歩いていこう ・・・」

 

誰かが遠くで囁いたような気がした

 

 

 

 

 

<続きます>