これが恋と言うものか 28 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

目白押しだった学校行事も無事に終わり

目の回る忙しさも一段落

今週末には、大野先生と星を観に行く

一番気になるのは天気なんだ

天気が良くなければ星が見えない

土曜の朝、雨が降ってれば中止の可能性もある

万が一雨が降っても

出かけられるように保険掛けなきゃ

 

駅の改札を早足で抜けて

坂道を上っていく後ろ姿の中の

大野先生を探す

 

最近は探さなくても分かる

何故なら ・・・ 木や鳥と話してるから

これ、冗談ではない

本当に優しい眼差しで見つめてて

会話してるように見えるから

 

「おはようございます」

 

後ろから声を掛けると

桜の木の枝が風も無いのに揺れた

 

「話をしていたんですか?」

 

「ん?」

貴方が怪訝な顔をした

 

「桜の木と会話してるのかなって思って」

 

桜の木を見上げると

貴方が『ああ』って顔をして

 

「そろそろ冬ごもりの準備だて

 葉を落として、春まで眠りに就く」

 

貴方が上を見ると、枝葉が揺れて

カサコソと音を立てて葉が落ちてきた

 

「桜の葉は赤くなるんですね ・・・

 緑の葉の印象が強くて

 気が付きませんでした」

 

「花の季節しか見ないから(笑) 

 葉は綺麗に紅く染まるけど

 それを見物には行かないでしょ」

 

確かに桜見物は花を愛でるけど

その後の桜って、あまり気にしないな ・・・

 

「そうですね ・・・ 紅葉狩りとか行きますが

 そうだ、星を見た翌日は紅葉を観に行きましょう」

 

「それも良いね ・・・土曜は夕方でいい?」

 

「もう少し早く出ますか?」

 

「早く出るの?

 もう少し遅くかと思ってた」

 

星を観に行くのに

昼間から出掛けないか ・・・

でも ・・・ 折角だから ・・・

 

「ダメですか?」

 

ダメ元でも良い

一緒に過ごしたい

 

「俺は構わないけど

 君は大丈夫なの?」

 

「大丈夫です ・・・ それでですね

 万が一雨だったとしても出掛けましょう

 その時は旅館に泊まって温泉に入ります」

 

旅館は予約して有るんだ

星を見た後泊まれるように

 

「旅館の予約を取って有るってこと?」

 

「はい、この季節車の中で寝たら風邪引きます

 ですから、旅館だけは押さえました

 ダメでしたか?」

 

初めから言えば良かったんだけど

断られたら落ち込みそうで

ギリギリまで隠そうと ・・・

 

「ふふ ・・・ 最初から言ってくれればいいのに

 寝袋が必要かなって思ってたけど

 旅館取ってるなら

 手ぶらに近い状態で大丈夫だね」

 

ほっ ・・・ 良かった

 

「良かった ・・・ 泊まらないって言われたら

 凹む所でした」

 

「言わないよ、俺も楽しみにしてるから」

 

貴方が極上の笑みを浮かべる

これは期待しても(何を期待するんだ?)

 

邪な想いではなく

楽しい休日を過ごせる

 

「先生は来て下さるだけでいいですから」

 

「じゃあ、後で旅館代は請求して」

 

「それは勿論です」

 

どうしよう、飛び跳ねたい気分だけど

2日間も一緒に居られる

胸がドキドキしてきた ・・・

 

貴方の横顔をチラッと見つめても

表情は変わってない

俺だけかな、ドキドキしてるの ・・・

それがちょっと淋しい

 

「天気が良いといいね」

 

貴方が何か訊ねるけど ・・・

舞い上がってて ・・・

 

「はい?」

思わず聞き返すと、苦笑いを浮かべて

 

「晴れるといいなって思って」

 

「ええ、俺テルテル坊主作ります」

 

「小学生みたいだな(笑)」

 

「作りません?」

 

「子どもの頃は作ったけど

 大人になってからは作らない」

 

「そりゃ、俺だって作りませんよ

 今回初めてです ・・・ 

 先生と星を観に行けるんですよ」

 

「ふふ ・・・ 大袈裟だな ・・・」

 

大袈裟でも何でもない

それくらい嬉しい

 

「遠出も久し振りなので

 そうだな ・・・ 昼過ぎに迎えに行きますね」

 

「どんどん早くなるけど」

貴方が可笑しそうに笑う

 

実は、朝迎えに行きたいくらいだけど

そこは遠慮してる

 

「さて、今日も1日頑張りましょう」

 

気が付いたら学校に到着

貴重な朝の時間は終了

門をくぐれば、二人とも先生になる

 

「じゃあ、昼休み伺います」

 

「珈琲淹れて待ってるよ」

貴方が笑顔で手を挙げた

 

 

 

 

<続きます>