Carry on 14 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

夢を見ているみたいだった

貴方の手が俺の手を握りしめて

思いっ切り引き上げてくれる

 

「ショー、瞳を閉じて」

貴方が俺の肩を抱いて呟く

 

「どうして?」

不思議に思って訊ねると

 

「下を見ると怖くなるよ」

そう言ってクスクスって笑った

 

「怖くないよ、サトシと一緒なんだから

 それより、カズ ・・・ カズは? ・・・」

 

腕を掴んで顔を見上げる

貴方は、優しい笑みを浮かべて

 

「君が命懸けで助けた彼は

 大丈夫、ちゃんと生きているよ

 それに寄り添う相手も居る

 独りぼっちじゃないから、安心していい」

 

寄り添う相手?

カズは愛想だけは良い ・・・ それが生きるための処世術だった

でも、心を許す相手は僕しかいなかったんだ

 

「そんな相手 ・・・ どこに居るの?」

 

俄かに信じられない言葉に問い掛ける

 

「う~ん ・・・ 君の知らない相手 ・・・

 その相手が命を懸けて守るだろう 

 はぐれてしまった相手と巡り合った

 二度と離れないだろう」

 

兵士に捕らえられて、命を奪うと言われた

もしかして俺はあの時 ・・・ 

頭の中を過ぎる不安 ・・・

 

「あの ・・・ 僕は死んでしまったの?」

 

おずおずと、貴方の顔を眺めた ・・

 

「え? ・・・ どうしてそう思うの?」

って、不思議そうな顔で答える

 

「だって、神様に抱えられてる」

貴方は可笑しそうに声を立てて笑う

 

「人が命を全うしても天上には行くわけじゃない

 この前も話しただろ、

 地上と天上は、全く別の世界なんだ

 人は命を全うすると、来世への準備を始める

 輪廻の輪に戻るんだ

 未来に帰っていくんだよ」

 

「え?じゃあ、僕は生きてるの?

 空を飛んでるのに?」

 

まだこれが現実だと、実感できないまま

頓珍漢な事を呟いてた

 

「手を動かしてみたら?

 ほっぺを抓ってみるのもいいかも」

 

って、クスクス笑いながら提案してくる

 

言われた通りに手を動かして

ほっぺを抓ったら、痛みが走る

 

「痛っ ・・・」

 

「アハハ ・・・ 痛いだろ

 つまりは生きてるって事だと思うけど?

 まだ、信じられない?」

 

「ううん ・・・ じゃあ僕はどこに行くの?」

 

「俺が住んでる場所、もうすぐ着く

 一つだけ約束して、決して外には出ないと」

 

「うん約束する、絶対その場所を出ない

 そこは、天上なの?」

 

「いや、違う ・・・ 俺は天上と地上の間に住んでる

 そこは、両方の世界と繋がっている

 君が間違って、天上の扉を開けてしまったら

 その瞬間消えてしまう ・・・ くれぐれも気をつけて」

 

消えてしまう?

そうか、僕は人間だからだ ・・・

急に怖くなった ・・・ サトシはやっぱり神様だから

 

「そんな怯えなくて良い

 少しの間身を隠して、ほとぼりが冷めたら

 地上に戻してあげるから

 それまで、我慢して欲しい」

 

僕の背中に廻した手が

優しく宥めるように動く

 

我慢なんて思わない

恋い焦がれた貴方の側で暮らせるなら

地上に戻らなくても平気なんだ

 

 

ふんわりと浮かび上がってた体が

ゆっくり地面に降りていく

 

そこは、緑豊かな森

色とりどりの花が咲き

鳥が囀り続けてた

 

絵にかいたような楽園だった

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>