5分間の恋 99 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

冷たい北風が公園の木々の枝を揺らし

地面に落ちた枯葉がカサコソと乾いた音を立ててる

風で舞い上がる枯葉を眼で追いながら


二宮君達が言ってた事を考えてた


「大野さんの実力は、あのカンパニーの中でトップクラスでした

 俺だったら大野さんを主演に使います

 ただ、あのカンパニーでは無理です

 演出家との相性もあるから ・・・ あそこは主演の人が決まっているんです

 彼がカンパニーの顔、二大看板にするつもりもない

 主演を食うダンサーは必要ないんです

 

 大野さんは見たままの人です、裏表がない

 世渡り上手かと聞かれたらNOです

 媚びる事はしません、認めて貰える様に必死で努力します

 だから ・・・ ドンドン実力の差は広がる ・・・ それが面白くない 

 その結果、セリフもほとんどないその他大勢の中にしか入れないんです

 あそこのトップより下手くそだったら隣に並べたはずです」


全く畑違いの俺が見ても、大野さんのダンスは別格だって思った

その事は間違っていなかったんだ 

あの人はずっと自分に実力がないからだって言ってた

俺は一度も不平を聞いた事がない 

いつも自分に厳しくて ・・・ 


「ニノとも言ってたんだ

 大ちゃんが前を向いて羽ばたこうって思ったのは

 櫻井さんと話してからだって ・・・ 」


「いい傾向だって思いました、あの人は自分を過小評価しすぎだから

 櫻井さん、あんな素敵な人は何処を探してもいません

 掴まえたら絶対離したら駄目です」


隣に座ってた相葉君も、俺の顔を見て大きく頷いてた



貴方の歩く道が険しいのは俺にも理解できる

仕事柄、その手の話には事欠かないんだから 

俺が支えられるように頑張る ・・・ 絶対 ・・・ 離さないから



誰もいないのに、『うん』って大きく頷いて掌を握り締めた



太陽が西に大きく傾き、少しずつ日が暮れていく

腕時計を見るとすでに、夕方の5時を回ってる

ベンチから立ち上がって、貴方がやってくるであろう公園の入口を見つめる




自然に両手を組んで祈らずにはいられない

絶対大丈夫だって言い聞かせても

 ・・・ 胸の鼓動は早くなる ・・・ ドキドキして ・・・ 胸が張り裂けそうになってくる





大野さんの姿が ・・・ 見えた ・・・ あのマフラーを巻いてる ・・・




俯いて ・・・ トボトボ歩いてくる ・・・




え? ・・・ どういう事? ・・・




まさか違うよね ・・・ 




笑顔で走って来てくれるって ・・・ その姿だけをイメージしてたから ・・・




用意してた笑顔も言葉も空しく消えてしまいそう




  ・・・ 俺 ・・・ どうすればいい?




思わず天を仰いだ ・・・ 神様は意地悪なのか ・・・




大野さんの姿を見てられなくて ・・・ 俯いてベンチに座った








<続きます>