アンティークショップ 紅玉 36 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

若き王の悩みは思ったより深刻で

背負ったものの重さに押しつぶされそうになってる


智の背負った重責とは違う意味で過酷なのかも知れない

エルフが望む王にになろうとすればするほど

現実は甘くなくて、自分を追い込んでいく


蒼のエルフの存在は、全てのエルフの誇りであり憧れなんだ

この世界で蒼のエルフに会えるエルフは少ない

俺が審査して許可しているんだから ・・・ それでも週に数人はあの店の扉をくぐる


許可された奴は、何やかや理由を付けて何度も会いに行こうとするから

そんなエルフはすぐ国に戻される ・・・



どうやって智に伝えよう ・・・


智は、あと数十年はこの国で過ごそうって言ってくれている

人として生きてきた俺だから

その縁が濃いうちは離れるべきじゃないと ・・・

全ては俺の為 ・・・ 智の時間は俺を中心に回ってるから



暫くジュン君をこの家で預かる方が良いのかも知れない

何もかも忘れて自由な時間を過ごすことが

今、一番彼に必要なことだと思うから



ジュン君を客間に案内して、部屋に戻って電話を掛ける


「もしもし、智君」


「翔 ・・・・・ ジュンは寝たの?」

声が心なし元気がない ・・・


「ああ、疲れてるのか家に着いたら休みたいって言ったから

 それより、どうしたの疲れてる?」



「疲れてないよ ・・・ 声が聞きたいって思ってたから ・・・

 翔 ・・・ ずっと ・・・ 傍にいるよ ・・・ 」


ん? ・・・ 珍しいな ・・・ 滅多にこんなこと言わないのに


「もしかして淋しいの?」

そんな訳ないって笑われると思ったら


「ん ・・・ 淋しい ・・・」

って、小さく呟くから

素直すぎて心配になってきた ・・・


「何かあったの?そっち行こうか?」

俺の時間も貴方を中心に回ってる ・・・



「ふふ ・・・ 大丈夫だよ

 それよりジュンなんか言ってた

 随分悩んでいるみたいだったから ・・・

 俺より、翔君の方が話しやすいかなって思って」


この人、見てないようで見てるから


「だから、一緒にって言ってたの」

って確認すると


「俺には言いにくい事も有るだろうから」

って、淋しそうに呟いた


「その事なんだけど、ちょっと深刻かもしれない

 暫く家に泊まって貰おうと思ってる

 家は誰もジュン君の素性を知らないから

 気兼ねしないだろうし ・・・

 それで、明日外で話せない?」



「深刻な事? ・・・ 俺が関わってるって事だね ・・・

 父さんからそれとなくは聞いてたから ・・・

 いつも迎えに行く公園で待ってる

 それで良い?」



「うん、じゃあ明日夕方 ・・・ 少し早めに行くから

 だって、1分でも早く智君の顔見ないと安心できない」

って言うと、可笑しそうに笑って



「翔君って、赤面する様なこと平気で言うよね

 急がないで、ゆっくりきて ・・・

 あの森の住人とも話がしたいから ・・・

 じゃあ、お休み」


「しまった ・・・ お休みのkissしてないじゃん

 今してくれる」


って、甘えるとクスクス笑って


「まだ足りないの ・・・ 今朝したでしょ」

って呆れた声が返ってきた


「あれは、おはようのでしょ ・・・ おや ・・・」

って言い終わらないうちに


「切るよ、おやすみ」

って言って電話が切れた




いつもの智君だってちょっとホッとした




あの人も同じ、自分一人で抱え込むから

それが王族なのかな ・・・・

 

 

 

 


<続きます>