Ray of hope  37(翔太郎編) | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。



サトシが森を出て行った時の絶望を ・・・ 二度と味わいたくない

何度あの小屋に通ったか ・・・ サトシが戻って来てないかって ・・・



あの頃一人でも平気だって思ってた ・・・ あの笑顔に出会う前は

サトシの心の中に、温かい光を見つけたから

その光にあこがれて・・・好きになった



・・・・ 嫌だ ・・・・ 置いて行かないで ・・・・




家に連れ帰り、ベッドに寝かせる

顔には生気はなくて ・・・ 俺が背負える位に痩せている



「カズ ・・・ ごめん 」

小さな声で呟いて、そのまま意識を失った


「サトシ ・・・ サトシ」 泣きながら呼んでも、返事は帰って来なくて



取りあえず、部屋の温度をあげて

冷え切ったサトシの体を温めなきゃ

あるったけの毛布を持ってきて、体を包む ・・・ それでも意識は戻らない



「ねぇ ・・・ 目を覚まして ・・・ どうすればいいの?」



サトシの頬に手を添えて、俺の気を分けてあげる

俺の命をあげてもいい ・・・ でも、俺のじゃ足りない ・・・

 


泣いてなんかいられない、助けないと ・・・ あの人なら ・・・ 



「サトシ、ちょっとだけ待ってて ・・・ 絶対、助けるから ・・・」



慌てて外に飛び出す

外は白い物がチラチラと落ちて、歩く道を白いもので覆っていく



「 ・・・ 寒いはずだ ・・・」


早くしないと ・・・ あいつを捜さないと ・・・ 

あいつのいるところ ・・・ どこに居る ・・・




「頼む ・・・ 助けてくれ ・・・ 助けて ・・



声の限りに叫ぶ



サトシが歌を謳う木の傍に ・・・ あいつが姿を現した


俺の必死の声を聞いて、心配そうに



「どうしたの?」




「サトシが ・・・ 冷たくて ・・・ 目を覚まさない ・・・ 助けて ・・・」


最後は声にならなくて ・・・ 泣くことしかできなくて



「心配でしょ、家で待ってて」

それだけ言って、どこかに行ってしまった



俺は急いでサトシの元に戻って、サトシの手を握った

氷のように冷たい手を



「サトシ ・・・ サトシ ・・・ 」



待ってる間にできる事 ・・・ サトシの体を擦って ・・・ 温めないと ・・・



その時間が永遠に続きそうで ・・・



待つこと30分 ・・・ ドアを叩く音がして

慌てて外に出る



心配そうな顔をした、あいつが



「力を使いすぎたから、自分の体を守るために眠りに就いたんだって

・・・ それで ・・・ この薬を飲ませれば大丈夫だって ・・・

俺もついていようか?」



そう言って差し出された薬を手に取り、



「ありがとう、大丈夫 ・・・ 俺一人で ・・ 君に迷惑は掛けない ・・・

今度お礼するから ・・・」




それだけ言って、部屋に戻る



薬を飲ませる方法が解らない ・・・

サトシの体を起こし、口を開いて薬を入れる



・・・ 飲み込んでくれない ・・・ どうすればいいの ・・・



自分の口に水を含んで、サトシの口に流し込む




・・・ 飲み込んでくれた ・・・ サトシをそっと寝かせて ・・・




サトシの顔に触れる ・・・



『カズ大丈夫 ・・・ 危ないところに行っちゃ駄目だよ』

っていつも心配して


『 カズ 』 って優しく笑って、俺を呼んでくれる




お願いだから ・・・ 戻って来て ・・・ 

俺を置いて行かないで ・・・ 俺 ・・・ サトシが居ないと ・・・



サトシの手を握って、その手に額を押し付けて

目を覚ます事だけを祈る ・・・



ずっと名前を呼んで、あとからあとから涙が零れて



どれくらい時間がたったんだろう ・・・



漆黒の夜が少しずつ薄闇になってくる明け方



少し掠れた、小さい声で


「カズ ・・・ どうして泣いてるの?」

って言って、俺の頭を優しく撫でる



「・・・ サトシ ・・・ 良かった ・・・」


サトシの顔を見ると、また涙が零れてきて ・・・




その顔を見たサトシが心配そうに


「俺、気を失ったんだな ・・・ ごめん 吃驚させて ・・・」



俺は大きく頭を左右に振って


「ううん 目を覚ましてくれただけで ・・・ それだけで 」




「ふふっ カズは優しいね ・・」



って言って、微笑んだ




「今日は、ゆっくり休んでください」

って言うと



大きく頷いて



「ずっと傍に居てくれたの?  ・・・ カズ ありがとう ・・・

きっと眠っていないんでしょ ・・・ ちゃんと休んで ・・・」


そう言って、瞳を閉じて眠りに就いた



サトシの頬に触れると、さっきと違って温かくて

それだけで嬉しくて ・・・





あいつにお礼を言わなきゃ

外に出ると ・・・ 家の傍の木の枝の上に座っていた




「ありがとう ・・・ 君のお蔭で目を覚ましてくれた」




「あまり無理をすると ・・・ また倒れるかもしれないって」





「・・・ 君は ・・・ だれ? ・・ 何のためにサトシを ・・・」



聞き終わらないうちに



「サトシ ・・様って言うんだ ・・・ 俺は何も知らない … 聞かされてないから

ただ、俺もサトシ様の歌に救われてる ・・・ それだけ ・・

 ・・・それに俺は ・・・・ 君を ・・・」



そう言って、姿を消した



俺? ・・・



何も知らない ・・・ 名前さえ知らないのか

あのエルフ ・・・ アスベル?から薬を貰った



サトシ様 ・・・ 王子だから ・・・



助けてくれたんだから味方だって思っていいんだきっと




この事は言わない方が良い ・・・ 何も言わない方が ・・・

俺はサトシの傍にいるだけで ・・・ それ以外は望まない









数日後、起きだしたサトシは仕事場にこもり出てこない



「サトシ ご飯食べないと ・・・ また倒れるよ」

ってドア越しに言うと



「ごめん 今行く 」

って返事が返ってきた



仕事場から出てきて、椅子に座り



「腹減ったな ・・・ 食べるか?」

って言って、優しく笑う



「何してるんですか?起き上がれるようになったら仕事場にこもって

もう3日になるんですよ ・・・ 」


って、ちょっと怒った顔で言うと




「カズ ・・・ そんなに怒るな ・・・ でもねもうすぐ出来るから」

って言いながら、美味しそうにスープを食べてくれる




「何が出来るんですか?」




「カズのスープ美味しいね ・・・ うん?何ができるか ・・・

実はね、気を補充する薬を作ってるの、この前みたいに倒れないように

 ・・・ それにカズにも効くんだ 」


って言って、嬉しそうに笑った



「俺にも効くの?」



「そう、カズも人の姿してると疲れるでしょ ・・・ 夕方には出来るよ」



そう言って、早々と食事を済ませて仕事場に戻って行った






サトシの大切な人が誰でも良い

俺はあの笑顔を見られれば、それだけで満足だから





夕方、仕事場から出てきたサトシ



手に緑色の飴の様な物を二つ持って来て




「カズ 口開けて」って言って


俺の口にその飴を一つ入れて、もう一つを自分の口に入れた




「これで大丈夫 ・・・ もう倒れないから」


って言って、優しく笑った





<つづきます>




*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


こんにちは


36,37は一つのお話にする予定でしたが(汗)

長くなりました


拙いお話にお付き合いくださり

ありがとうございます



でわまた