満天の星空



焼け付くアスファルトの匂い。


飛び交う草の葉の夏の香り。


乾いた喉に流し込む校舎の片隅の水道水。


傾いた夕陽がまだグラウンドに残ってる仲間の影を伸ばす。


帰り道。


でっかいスポーツバッグを荷台に乗せて友とふざけ合い、トンボを追った。


汗と夢と躊躇い、白けた頭に冷水を浴びせるように自分を徒らにいじめていた。


家にたどり着くまでに満天の星空。


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何か大きな、とてつもなく大きなものに突き動かされて、駆け引きなど入り込む余地もなく、毎日を過ごしていた。


それがなんであり、なんのためかもわからずに、無性に虚しく寂しかった。


何もかもにすがりつき、何もかもが空回りしていた。


宇宙に包まれ宇宙を包む我が身を知りさえしていたら。


神、仏、普遍意識。


キリスト、アラー、釈迦、サムシンググレート。


その名は何でも良い。


森羅万象を統べ貫いている法、リズム。


それは形も色も音もなく、無の境地に至る道を指し示している。


現在過去未来、時空を超越した満天の心の星屑たち。


無窮の想いが散りばめられた天空それ自体が私であり、貴方なのだと。