心の目

テーマ:
牛肉は、端から端まで金太郎飴のように上質な霜降りであれば良い。

しかし、人は違う。

一人一人が個性を持ち、その持ち味を生かせるからこそ、世の中や地球は丸くいられる。

そしてその性格に基づく信念を勝ち得たら、あとは直向きに己の道を歩めば良い。

2店舗目を考えたことがないわけではない。

リニューアルの時にも、もっと店舗を大きくし、席数を大幅に増やすこともちらりと考えた。

そこにあったのは、見栄や野望だったに違いない。

が、一方で内面のこんな声もした。

でっかくしてはいかんよ。

そうして大きくできる可能性をくれたお客さんを裏切ることになるから。

店や暖簾を広げてより美味しくなった店なんか一軒もない。

その肉を誰が切り、この料理を誰が味付けるのか?

レシピだけでは本当の竹の一品、一品は決して生まれてはこない。

{9DC4CD8D-6F86-4393-8E37-B26E8C2CD341}

{723884AA-B191-4232-98AA-E1CB376A077D}

{58587F33-4A7A-4330-8659-2E3BC88B8775}

{B344C7B1-B2B3-426B-ADE5-907B6D157F80}
上からフィレ全景、フィレ端、シャトーブリアン、フィレ

心広げずに、目の前の一点に集中する。

そこに確かな光が照らされ、仄かな温もりが灯る。

それがお客さんの心を温め、照らし出すのだよ。

大切なことは、その心と技を使って、どれだけ目の前のお客さんを喜ばせるかだけだ。

すぐに脆く砕け散るプリズムで光を屈折、分散させるのではなく、サーチライトや虫眼鏡のような心の目で、その期待に膨らませた胸の奥に光を届けていこうと。

その心に寄り添い、食で励ませるよう、ゆくゆくはもっと店を小さくしたい。

コメント(2)