六月の雨は嫌いだ

懐かしい道。

いつか歩いた道。

過去とすれ違う。

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六月の雨は嫌いだ。

白いドレスはシミだらけ。

森のテントウムシは跳べない虫になる。

お迎えの母さんは、ブレーキとアクセルを踏み間違えて、我が子を跳ね殺す。

六月の空なんて欲しくない。

どんよりと曇った目はいらない。

拗ねた瞳の奥の初夏の眼差しは萎えたまま。

行き場を失った海路。

雨音は紫陽花の移り気を何度も叩く。

いくつもの思いが寄り集まった花はまたひとひら川面に浮かぶ。

本当のことを言ってはいけない。

言えばみんな濁流に流される。

止めることの厳しさを知れ。

ずっと押黙れ。

永遠の嘘をつけ。

だから六月の雨は嫌いだというのだ。


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