いつもありがとうございます!

七輪紀州備長炭焼肉でございます。


意外と知られていないサガリとハラミの違い。

同じ横隔膜周りの筋肉でありますが、牛一頭に付き、

ハラミが2本、サガリが1本と、後者の方が希少価値が高く、

値段も若干高めであります。

ほとんどの焼肉屋では、同じハラミとして出しています。


確かに味も見た目もほぼ変わりません。

ただ、サガリの方が工夫によって、より美味しく提供可能なのです。

そのスキルを御紹介しましょう。


下の写真をご覧下さい。

分かり易いようにハーフカットにしました。

タテに一本、緩やかなカーブを描きながら、スジが走っているのが分かりますよね。



photo:01


断面を見れば明瞭であります。

大概の焼き肉屋は、この状態のままスライスし、お客様に提供します。


photo:02
しかし、もう一度先の写真を確認して下さい。
繊維が中心のスジに向かい、V字型になっていますよね。
基本的に、繊維に対して直角に近づけて切るほど、サシも美しく、
肉質も軟らかく仕上がります。
一面のみでなく、ブロックの全面から見た繊維の向きを考慮に入れて、
全ての方向の繊維の入り方に、できるだけ直角になるように、
最適の包丁を入れる向きと角度を決めます。
この時の慎重さが、その肉の良し悪しを決定します。
そう、せっかくの上肉が並程度になってしまったり、また、その逆にもなるのです。
おいしく召し上がって頂くためには、スジを除去します。

photo:03

きれいな霜降りが表れました。

photo:04

あとは、スライスを繰り返す内に変化する繊維の流れに注意しながら、

常に全面直角になるように、包丁の入れ方をコントロールします。

photo:05


こうして丁寧に捌くと、ヒレロースのように厚切りにしても、

充分な軟らかさと味と、調理人の想いを醸し出してくれます。

photo:07
サガリ ¥1480


重量が減った分、店側にとっては損ですが、
仮に、お客様が求める付加価値を値段に換算すれば、どちらが得でしょうか?
余ったすじは、他のスジと比べて断然軟らかく、独特の味であります。

photo:08

サガリのスジ ¥480


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