申し遅れましたが、

タイの洪水による被災地の方々に心よりお見舞い申し上げます。


昨夜遅くに東京から戻ってきた。

通信大学のスクーリングで、「経済概論」という科目で、

経済学入門となる学問であった。

これから学ぶ複雑高度な経済学の最も基本となる内容だったが、

まだまだ学習が足りない。

日頃の不勉強さを思い知らされた。


昨今の新聞やニュースを見ても、

予想も付かぬ経済の未来に底知れぬ不安を感じる。

タイの洪水による浸水被害で、部品の供給の制約を受けたホンダは、

鈴鹿製作所・埼玉製作所共に生産調整に入った。

復旧のメドも立たない。

自然災害によるもので致し方ないことではあろう。

だが、それだけではない我が国の経済事情がある。


パナソニックは、家電の主役であった薄型テレビの不振に生産の縮小を始めた。

ただ単に普及による販売不振では無い。

韓国やアジア諸国が生産技術を上げ、日本の製品に追いつき、

しかも低価格で販売しているのが要因のひとつである。

その苦境に対して同グループは、パナソニック電工を子会社化するなどの、

グループ内の調整に力を入れるが、大規模故にその改革は困難を極める。

他には、ソニーやシャープも、世界シェアを誇るビデオカメラなどを除けば、

みなじり貧である。


モジュールを標準化することによって、メーカーごとの個性や価値が奪われ、

市場に溢れる製品は、どこメーカーのを選択しても殆ど変わらなくなってしまった。

いわゆるコモディティ化である。

昔の国産自動車で言うと、エンジンなら日産、

ボディーや内装ならトヨタと言った個別性が無くなってしまった。


するとどうなるか。

消費者はより低価格の商品を選ぶだろう。

そしてそれは、メーカー側に多大なるコストを産ませることになる。

価格競争により利益を圧迫された企業は、最終的には破綻して行く。

その逃げ道となるのが、製造委託も含んだ海外へのシフトである。


その典型となったのが浜松市、群馬県太田市の中小企業である。

今まで経済流出となる地元企業の海外移転に反対していた自治体が、

180度変わって進出支援に廻った。

このままでは円高も影響し、経済の立て直し処か、逆に空洞化するのを見越して、

それよりも海外で利益を上げ、

残存する産業を維持する方が得策だとの判断であろう。

同時に政府も、日本政策金融公庫の融資制度拡大により、

積極的に後押しするという。

そうして国の経済復興への足がかりを任された浜松の中小企業は、

事業協同組合を設立し、インドネシアなどの工業団地に集団進出する。

そこで資金とスキルを共有し、土地購入、自動車部品・繊維・建設・など、

幅広い異業種によって協力し合う。


今後、この波は間違いなく私達の地方へも押し寄せて来るだろう。

東近江市には大企業が多い。

今後新たな誘致が見込めず、近くの工業団地からは活況が消え、

地場産業が目減りすれば、働く場が減るどころか、人工も減少し、

それは我々小売業にも打撃を与えるに違いない。


TPPをはじめとする経済のグローバリゼーションは、

私達に本当に幸福を寄与してくれるのか、現在議論されている。

その場所は世界だ。

無論私は、世界がひとつになってそれぞれが持ち得るものを交換し、分かち合い、

協力することほど素晴らしいことはないと思う。

だが、その影に大国のエゴが見え隠れし、それに追随する国がはっきりと見える。


それでは、他に方法はないのだろうか。

海外進出を全面的に反対するのではなく、自国の力を示せる方途はないものか。

そのヒントを、三菱電機・日立製作所に見ることが出来る。

ふたつの大企業は、早くから家電を縮小し、

新興国のインフラ整備、インフラ用製品に特化し、利益を拡大している。

そこにはまだ、コモディティ化が起こらずに、いわば新市場が開けている。

技術もさることながら、製品とサービス、保守をタイアップし、

新たな市場を創出している。

特に、サービスやそれに伴う保守は向上に限りが無く、

差別化されやすい供給ではないか。

その需要は、物質と違って、欲望と同じく際限のないものである。

商品にいくら付加価値を付けたところで、

機能や品質は何れ模倣され追い抜かれてしまう。

目に見えない価値である技術やサービスを目的のある施設、施工に向ければ、

差別化が可能になるのではないか。

心の通う商品と言っても良い。


私達サービス業も、商品の差別化や付加価値には限界がある。

無限にあるのは、心のこもったサービスである。

あるいは心のこもった料理である。

更に言えば、その主体となる自身の人間性の成長である。


また、自然との共生も叫ばれて久しい。

将来的には、環境やエネルギーに関わる市場経済も現出するように思われる。

理想的な人と自然が融合した環境配慮型都市、スマートシティーの建設然り。

あるいは、市場原理主義の最先端を行くアメリカが誇る最大の発明品、

国立公園のシステムの研究と導入。。

人と自然を守る基準が法律で定められている。

経済発展と自然保護が、決して矛盾しないことを示唆している。

否、経済発展が自然保護に直結するやり方が、

私達が本当に目指すべき道では無いか。

経済の中に自然や人間のあるべき姿を組み込める筈だ。

いや、その翻転で、本源の中に経済を組み込むと言うべきか。

日本も、政府がここにこそ力を入れて後押しすれば、

状況はもっと変わるのではないだろうか。

そのように取り組む余地が、経済を満遍なく流れせしめる方途が、

無限に残されているように思えてならない。

それが実利と人と自然の幸福を両立させる大きな市場になると予測する。




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