1mm happiness



■basic data■


名前:佐藤聖晃(さとうまさあき)
生年月日:1990年11月16日 22歳
所属:関西学院大学商学部4年
   eco×cawaii project 企画・広報
   「就活の栞」学生ライター




■Questions■


1、今やってること


○eco×cawaii project


「自分がミスキャンパスに出たことがきっかけで色んな人にチャンスを与えてもらって人生が楽しくなった。だから可愛いけど自信が無くてくすぶってる女の子にもっとチャンスを与えたい!」という思いを持った同志社のミスキャンパスのファイナリストの女の子がつくった組織。その女の子が環境に興味があったことから、組織で社会問題にもアプローチすることに。
このプロジェクトには大きなビジョンが2つあって、一つは「かわいい」を通じて社会問題を解決すること」で、2つ目は「女の子がもっと活躍できるメディアをつくること」。


ここにかかわるようになったきっかけは、ある日急に、もともとこのプロジェクトにかかわってた友達から呼び出されたこと。どうやら「メンバー増やしたいから誰かひとり連れてきて!」って言われたときに、俺が選ばれたらしく「もう、まちゃ入ったから」って 言われて(笑)。でも、俺はいつか医療であったり科学であったり政治のような難しいけど大切なことに笑いとか可愛いとかをからめてわかりやすく伝える、難しいことに興味が無い人でもリーチできるような媒体をつくりたいと思っていたし、ソーシャルデザインのような社会問題を解決するためのクリエイティブでわかりやすいしくみに興味があったから、共感できる部分も多くメンバーになった。


「自分のことだけでなく、未来のこと、地球のことも考えてオシャレする女の子」=「エコカワイイ」と定義して、「大切な文化を守り続ける」「ちゃんと情報を開示する」「無駄な労働をさせない」「雇用創出」などの意味を持ってる「エシカル」という概念をファッションショーなどを通してわかりやすく伝えようとしている。


イベントを創るときに気をつけてんのは、「気付きを与えてどう動いてほしいか」まで伝えること。だからこの前のファンションショーの後には「エシカル」の概念を伝えた後に、すぐにできる小さな行動について話したりした。
結構色んな団体が「きっかけを与える」とか「気付きを与える」って言ってるけど、結局なんでみんなが変われないかと言うと、気付きを与えるだけだから。「で、結局どうなってほしいの?」っていうところまで言ってあげてないと、相手は自覚できないし何も変われない。だから俺は今後すべての活動においてそこまで突き詰めて考えていけたらなあと思ってる。


eco×cawaii projectの活動としては、今後はもっとコンテンツ作りに力を入れ、エコグッズやエコな服をHPを通して紹介していく予定。


○フリーランスでライター活動


昔から、Twitterやmixiボイスで適当にボケたら人が笑ってくれたり反応してくれるのがうれしかった。あと、大学生から読書にハマり、毎日1~3冊ペースで本を読んでた。読んでたら本が好きになって、活字が好きになって、最終的には書きたくなった。


最初は、関西学院大学生向け情報発信サイト「ポチサク」の立ち上げメンバーとして、そこでサイトの企画の文章を書いてた。
友達の紹介とかで噂が回ってイベントのパンフレット制作を依頼されたり、友達に「ES添削してー」「キャッチコピー考えてー」って頼まれたりして小さいことをやってったうちに噂が広まって依頼される仕事が増えてきた。あとは自分から「俺やりたいんで書かせてくださいよ」って言って書かせてもらったり。

今は主に「就活の栞」っていう就活ノウハウサイトと、創業まもないベンチャー企業でライターをしてる。企業の方に関しては、Twitterでライターを募集してたから、今までに書いた記事をまとめて見せてお願いに行って契約してもらった。ここで書く時に意識してるのは、案件をくれてる人が決めた落としどころに向けて記事を書くこと。自分の書きたいことを書くんじゃなく、ほんまに相手に求められてることを書くって感じ。


「就活の栞」で記事を書くときは、他の就活ノウハウサイトを全部見て、あんまり他のサイトで書いてないことや書き切れてなかった視点を書くように意識してる。あと、振り切った表現は使いすぎないように注意してる。口コミのためなら完全に言い切りの表現を使ったり時には過激なことを言う方がいいと思うけど、ここは30~40万人が見てるサイト。自分の記事を見て人生変わる人がいるかもしれんから、こういう考え方もありますよ~ってあくまで一例を示すような感じで書いてる。


あとは、自分がビジネス書や色んな人の話から得た知識を就職活動に使えるように編集して、一時しのぎのノウハウじゃなく、就活を終えた後でも使えるものを提供するようにしてる。


↓過去に書いた記事の例


●「どうしても就活にやる気が起きない!」という方にオススメの就活に役立つ取り組み
http://www.s-shiori.com/con2/archives/2012/10/post-91.html


●面接やESで聞かれる、就活用「自分のキャッチコピー」を書くコツ
http://www.s-shiori.com/con2/archives/2012/09/es-7.html


●学生団体に所属している人が就活で気をつけたい3つのこと
http://www.s-shiori.com/con2/archives/2013/01/3-53.html



○「つくること」


文章制作以外でのつくる能力を身に付けたいと思って、今年から本格的に「1日1個何かをつくる」ことを目標にしてつくってる。元旦には目覚ましの曲を作った。あと、プログラミングで神経衰弱ゲームやストップウォッチを作ったり、反広告社を真似てマクドナルドの「I’m not lovin it」なんてのをphotoshopで作ったり。


大学1~2回生のときは、バンド活動なんかを通じて「自分が言いたいことを言う」問題提起側ばっかやってた。けど3回生のときにバンドを辞めてポチサクやって、ちょうどその時期に死ぬほどビジネス書を読んだことによって、効率化はできるようになったしビジネス的視点は身に付いたけど、その分創造性が無くなって頭堅くなってつまらなくなった。友達にも「まちゃ、ほんま人間らしくなったなあ」って言われたし。
問題解決能力は去年おととしでだいぶ身に付けたから、今年はもうちょい問題提起能力を付けていこうと思う。


自分のアイデアとか思想を一番最適なカタチでビジュアル化して表現できるようになりたい。プロデューサー的役割を担っていくとしてもある程度わかってないとつくる側に頼まれへんから。



2、大学生活


○ハードコアバンドのボーカル(1~2年)


高校の時からずっとバンドがやりたかった。
中学時代に空手であごの骨を骨折してそのときに全身麻酔をしたため、大きい声が出なくなって、声を出すのも怖くなってたんやけど、負けずに高校の最後の方からカラオケに行って喉をつくって備え、大学入学後はサークルに入って練習しながら経験を積みつつ、みんながサークルのボックスに行ってる時に俺は一人でスタジオに入って個人練をしてた。そして、外でバンドを組むようになって約1年間くらい活動してた。

最終的には音楽性の違いで解散したけど、ハードコアバンドのオンラインショップで日本で一番大きいところに音源レビューをしてもらえたことや、雑誌に載るようなバンドと対バン出来たことはよかったなと思う。


○学生中心のファッションショーのモデルとしてBEATNIXSに出演(1~2年)


大学入ったばっかのときは「とりあえず音楽サークルに入って遊びサークルに入ろう」と思っててんけど、すごく慕ってる先輩に「お前も普通の大学生になんのか。お前は、そこらへんの奴みたいに女のケツ追っかけ回すんじゃなく、自分の好きなことをやれ。ファッションが好きならそっちをやれ。」って言われたからファッションショーのモデルをすることに。
純粋に服が好きで、構成や音楽を考えるのが楽しくてやってた。

ショーの構成を考えるときは、「いかに他のチームと違うことをするか」ってことを意識して、他のチームがテクノとかばっか流してたから逆に全然違う音楽を使ったり。


ファッションは思想そのものを表すツールだと思う。みんな何も考えずに全身黒でまとめたりしてるけど、それは本来は「反社会的」って意味を表してたりするんよ。昔もっと尖ってたときは、何も考えずに服着てないやつぶっとばしたいって思ってた(笑)。


「人間、中身が重要。」ってよく言うけど、見た目を磨くのは常識やと思ってる。だって、見た目が良くないと見てくれる人なかなかおらんやん。ダサい奴がどんだけ真面目なこと言ったって真面目な奴にしか通用せん。どんな人にも影響与えたいなら無条件でカッコよくないとあかんやろ。


○関学生向け情報発信サイト「ポチサク」(3年~約一年間)


ファッションショーで知り合った子が最初の立ち上げメンバーやって、当時の代表がメンバー一人ひとりに「一番自分が信頼しててコイツおもろいって思う奴連れて来い」って言ったときに俺が選ばれたらしく呼ばれて、代表が俺の過去のmixi日記を見て「お前おもろい」って言われて採用された(笑)。


当時はビジネスの知識なんて全く無かったから勢いだけで超無茶苦茶やってた。「顔だけグランプリ」っていう顔面だけで勝負する企画をしてみたりね。もちろん批判されたり当時はサイトも整ってなかったから馬鹿にされたこととかもあったけど、それも力に変えて、リクツじゃなくて単純に感覚でおもろいと思うことばっかしてた。


○就活


するかどうかも迷ってたけど、とりあえず夢を叶える環境作りのために就職をすると決めた。「20代のうちに爆発的な成功を収める」って決めてたから、若いうちから裁量権をいただけて、成長性のある市場で事業を行ってて、先進性の高い技術を導入することを恐れないチャレンジ精神のある企業であることを軸にして広告とPR業界を中心に受けてた。


内定先はインターネット広告業界の企業。インターネット広告制作、SEOシステムのコンサル、アプリの開発、webサービス全般の開発、webのプロモーションなんかを事業として行ってる。


元々インターネットが嫌いでアナログの広告を扱ってるところに行くつもりだった。
けど、『The Museum of Me 』(http://white-screen.jp/?p=16663 )ってサービスに出逢って人生が変わった。Facebookと同期したら自分の投稿がギャラリーになるものなんだけど、「インターネットのサービスでもこんなに人の心を動かすことが可能なんだ!」と思ってすごく感動した。
今となっては一番イケてる業界・領域やなと思ってるし、社会を変えられる可能性をインターネットに感じてる。



3、大事にしてること


・社会や環境の変化に対応し続ける人間であること
自分の軸を大切にしながらも、時代や環境に合わせて武器とかツールを変えてくべきやと思ってる。今やらなければいけないことと未来のこうなりたいっていう理想は変えずに、その中間はどんどん変えていくべきかな、と。
・右脳と左脳両方で考えること
ロジックで考えた後にもう一回単純に感情でイケてるかイケてないか判断したり、その逆をしたりする
・孤独になること
・自分と他人を比べること
確かに過去の自分と今の自分を比べると自分の成長を実感できてそれはすごく幸せなことやと思うけど俺はそれを「逃げ」やと思う。一番になりたい人間が他人と比べんでどうすんねん。だから存分に人と比べる。イチローとも比べるよ。
他人と比較してこそ自分の強みが分かるし、自分に足りてない部分を直していくことができる。
・常にバリューを出すこと
いかに自分が関わった人や組織に価値を提供するかをずっと考えてる。
例えば今日やったら、「もっちが好きそうな情報を集めて編集して会話の中で出そうかな」って考えたりね。全てにおいて意識してる。
・「頼まれたことや義務をこなしてからが仕事。」という意識を持つこと
言われたことをいち早くこなして、プラスアルファの働きをこなしてやっと価値が提供できると思う。
・「これを言って、これを伝えて、相手にどうなってほしいのか」を考えること




4、自分の性格とか


○生きづらさ


小学校の頃から周りに自分の考えをわかってもらえることが少なくて、生きづらさをずっと感じて生きてきた。
けど大学に入っていろんな活動をやってく中で自分を認めてくれる友達にたくさん出会って、生きづらさとかいらだちが減ってたし最近は幸せやった。


でもやっぱそれでは創造力が落ちてしまう。
ムカついてた時の方が、詩的な表現の言葉とか遣ってたりするんよ。


生まれつきそうなんかもしれんけど、組織内である程度認められたら消えたくなるんよな。
「何やってもおもしろいな」とか「コイツすごいな」ってイメージが付いたら「もういいや」ってなっちゃう。超絶飽き性やから刺激にすぐ慣れちゃうんかな。
だからいつもコミュニティは2~3個横断してる。


きっと、ずっと幸せなのは良くない。
生きづらさや苛立ちを忘れずに生きていきたい。


○「寝たくない」


もともと不眠症。
やる気が出たときは寝られへんくなって一人でオールしたりしてる。
とあるクリエイターの人が「ゆっくり寝るのは死んでからでいい」って言ってるように、すごい人ってやっぱり人の倍努力してるし考えてる量が桁違い。
あと、中田ヤスタカは寝てないらしい。限界が来たら勝手に寝ててまた勝手に起き上がって作業してるらしい。だから俺もそんな生活リズムを目指してる。



5、人生のターニングポイント


○中学3年のときに空手でケガをしたこと


空手を始めて、「生まれて初めて本気で打ち込めるものを見つけた」と思った矢先にあごの骨を骨折。
自分の力ではどうしようもない出来事に遭遇した、完全な挫折経験。
悔しくてたまらなかったから、次に何かをやるときは本気でやろうと決めた。


○大学入学時に先輩に言ってもらった言葉


トラックで学校に登校するようなバグった人やったんやけど(笑)、すごく尊敬してて、その人がおるから関学に入ったし、彼に言われた一言で「ただ遊ぶだけの大学生活は辞めよう」って思えた。
彼は「人生ってなんでもありやな」って思わせてくれた人。




6、好きなエンターテイメント


○本


司馬遼太郎『竜馬がゆく』

一番最近ヒットだった本。
今までは「成功したい」っていう一人よがりな思いしか無かったけど、この本を読んで初めて、自分を日本とを切り離さずに、「日本人としてどう闘うか」「日本をどう良くしていきたいか」ってことを考えるようになった。


大学まで本をまったく読んだことが無くて、「やばい、人の倍本読んでいかなあかん」って思って、毎日空き時間さえあれば読書。だいたい小説、社会学(現代思想)、ビジネス書の3つのジャンルを3冊同時並行して読んでた。
読んでるうちに本が好きになって、挙句の果てには誰より活字フェチになった。今でも外に出て本屋に行かない日が無い。


ただ、最近は読書の量を極限まで減らしてる。
読書は内田樹的表現を使って言うと、「他者からの贈り物」。
人から枠組みを与えられて考えるわけだから、読書だけでは知識と問題解決能力しか身に付かない。

まっさらな状態で「自分はどう社会を変えていきたいのか」を考えて問題提起をしていくことが一番大切だと思う。


○言葉


「ビジネス系」=キャッチコピー、ライターが使うような言葉
「アート系」=現代詩、歌詞、言語を記号としてしか使わない表現、言葉の意味を剝ぎとってる表現
「日常会話」=SNSや街で溢れてる言葉
「学問」言語学、音相学(「ミルク」と「牛乳」って、おんなじもの表してるけど「ミルク」って聞いた方がなんとなく温かく感じるよね的な)


この4つの観点から見た言葉に興味がある。
言葉の可能性はどんどん探っていきたい。

その一方で、最近「言葉の可能性はテクノロジーに追いつかれてるなあ」とも感じてるから、別の方面の勉強もして、様々なカタチで表現できるようになりたい。


○音楽


気分をアゲたい時はいつでも「Fear,and Loathing in Las Vegas / Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!」。

基本的には80年代の“スーパースター感”溢れるアーティストや、極限に激しさを追求したアーティストが好き。



7、いま気になる人


・レイ・イナモト
広告業界の常識を変えてってる人。
「こうなったほうがいいよね」ってことをいち早く提示してる。
・猪子寿之


2人とも「Art」×「Business」×「Technology」の領域の開拓者であり、問題提起して、ルールを創っていってる側の人間たち。

常識を疑わせてくれる人や、ぶっとんでる人がめっちゃ好き。



8、未来について


自分の表現で世界を変えるコンテンツクリエイターに、
日本を代表する人材に、
そして世界一の男になる。


小学校の頃から自分は将来有名になる運命やと確信してるし、常に今が一番楽しいから未来はもっと楽しくなるに違いない。


本物を伝えるカウンターカルチャーでありたい。
世の中イケてないものが伝わってて本物が伝わりきってない。もっと質の高いものを伝えたいし、自分が心の底からイケてるって思うものを創って世界に広めたい。



スーパースターになりたい。
歌でもなんでも「等身大であれ」とかってのが流行ってるけど、それじゃつまらんし夢が無さ過ぎへん?
それに、政治家に愚痴ってる暇があるなら自分が変わったらいいねん。


俺は、世界を本気で変えにいく。




【About you】♯076 佐藤聖晃
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■My note■


まちゃとは、大学も学部も学年も同じだけれど、きっと私がこのインタビュー活動をしていなければ出会っていなかっただろう。
というのも、以前私がゼミの先生のインタビューをした際に(その記事はこちら )、ゼミの友達がたくさん記事を拡散してくれたのだが、そのときにたまたまその中の一人であるゆうみのRTを見て記事を読んでくれて、「この子面白そうだから会いたい!」と言ってくれたからだ。あのときにすぐに繋いでくれたゆうみ、ありがとう。


まちゃは、異質だ。
人当たりもノリもいいおちゃらけキャラであるが、どこか攻撃的で、常にフラストレーションを抱えている。
けれど、それらをエンジンにして猪突猛進で進んでいき、新しいものを生み出してゆく根っからの芸術家・クリエイター気質。
また、決してそんな姿は見せないけれど、鬼のような努力を厭わない、超ストイックな人に見える。


そして、発想豊かですごく面白い。
彼のツイートにはよく笑わせてもらったり、「なるほど」と思わされている。
また、蓄積してきた知識と経験、そして入念な準備により、目の前の人・自分が取り組むと決めたことに最大限の貢献をしようという姿勢がある。

これは、頭では大事だとわかっていてもなかなか出来ないことだ。


彼は大きな大きな夢を語ってくれる。
でも不思議と、ものすごく、びっくりするぐらいに、彼の発言は地に足が着いているのだ。
それはもはや、夢でも目標でもなく、確信であり予定なのだろうなと感じさせてくれる。
きっと、継続してきた泥臭い努力が、それを裏打ちしているのだろう。


「面白き こともなき世を 面白く」
そんな精神を携えた孤高のクリエイターが、世界を盛り上げる日は近い。