*   S   *



事故から5日経ったが特に身体の異常は感じ
られない。
ぶつけた頭のコブも引いて痛みもすっかりな
くなった。

「 しょーちゃん、ホントのホントに大丈夫?
    頭を打った時って後から大変なことになる
    こともあるんでしょ? 」

「 本当に大丈夫だよ
    それに異常が出るならもう出てる
    痛みもまったくない
    それより頬が少し赤いな
    ヒートがくるんじゃないか? 」

「 うん、微熱があるみたい
    風間ぽんにはもう連絡いれたよ 」

「 じゃあ、今日はなるべく早く帰る
    もし我慢できなくなったら電話して 」

「 大丈夫だよ
    しょーちゃんが帰ってくるまで待ってる 」

「 あまりいい子すぎると番のαとしては寂し
    いんだが? 」

「 くふふっしょーちゃん、寂しいの? 」

「 寂しいよ
    雅紀にたくさん甘えられたい 」

「 じゃあ、今夜はいっぱい甘えるね 」

チュッ

雅紀からのキスに愛おしさが溢れる。
こんなの仕事に行きたくなくなるだろ。

「 いってきます 」

「 いってらっしゃい、気をつけてね 」

出がけにしたハグに何か違和感を感じたが、
この時はまだはっきりとはわからなかった。