私はブロッコリーが大好きだ。
まず、味が好きだ。
ゆでたてのブロッコリーにマヨネーズをつける王道の食べ方をはじめ、焼き付けたブロッコリーにカレー粉をまぶしたり、ごま油と鶏ガラスープの素で和えたり、サラダの一員としても優秀だし、おかか和えでも塩昆布和えでもごま和えでもなんでもおいしい。
もちろん茎もいただく。ほのかな甘みと食感がたまらない。
次に、色味がいい。
さっとゆがいた後の鮮やかな緑。
息子が園児だった頃のお弁当は、ブロッコリーなしでは成立しないといっても過言ではないほどにフル出場だった。
トマトの赤、卵焼きの黄、ブロッコリーの緑。この信号機配色は最強だ。成長期にはどうしても肉っけが増す分、茶色弁当になりがちなので、たまには懐かしの信号機弁当もいいかもしれない。
そして、栄養面でもすばらしい。
ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なうえ、タンパク質の含有量も多いらしい。
最近ダイエットレシピに鶏ささみ&ブロッコリーコンビがあがっているのはそういうわけだ。
水溶性の野菜なので、電子レンジや蒸し器で調理すると栄養が逃げずいいとされるが、私は固ゆでで食感も楽しみたいので加減のわかる鍋でゆでている。
鍋でゆでたときは栄養がしみでたゆで汁はスープに再利用。ほんのりとブロッコリーの香りが残り、和風洋風どんなスープにしても合う。
今から10年ほど前、お気に入りの農家さんがあった。愛知県田原市の三竹さん。
ブロッコリーやキャベツなどを栽培しており、彼の育てた野菜は本当に甘くておいしくて、毎週Oisixで購入していた。販路が変わったのか、栽培をやめたのかわからないが、随分前から買えなくなってしまい残念でならない。
三竹さんのブロッコリーづくりがどなたかに継承されて、道の駅あたりで取り扱いが続いてくれていたらうれしい。とにかく、これほどまでにブロッコリーを愛する者としては、離乳食並みにグズグズに、くすんだ黄緑色になるまで火を通す行為や、本体が行方知れずになるほどにタルタルソースをかけるなんて、とてもじゃないが許容できない。
素材殺しもいいとこ、台無しである。
味も食感も彩りも栄養も損なわれて、本当にブロッコリーがかわいそうだ。え?誰に立腹しているかって?
主婦歴10数年、子育てジャンル1位のO子さんですよ!
嬉々として発信しているけど、どこにも何にも共感できないし、笑えない。
これを子育てジャンルの人気記事として読まされる身にもなってほしい。
一体どういう層が彼女を支持しているのか。
その方たちは腐敗目前のブロッコリーを食べさせられるであろう子供をどう思っているのか。真夜中に衝動的にせいろでブロッコリーを蒸しながら居眠りする彼女をどう思っているのか。
火事でも起こされたら、近隣住民はたまったもんじゃない。
眉毛を整えるのもバレエを鑑賞するのも好きにしたらいいが、それよりまず先に子供との約束は守ってほしいし、日々の食事を何とかしてほしい。
サラダパックやドライフルーツに罪はないが、たまには食卓に旬果を取り入れられないものか。もちろん謎のアレンジは必要ない。
来る日も来る日もほぼアフィ飯オンリーの貧相な食事を強いられ、びしゃびしゃ弁当を持たされる子供たちが本当に不憫でならない。