カレンは日本にやってきて

5年目。

ポーランドの国籍と、日本の国籍を

両方もっている。

高校から日本に。

母方の祖父母の家に世話になっている。

いま、カレンは21。

大学の学部は、芸術学部で

絵画史を専攻している。

土日は、エクササイズも兼ねて

横浜スタジアムで

生ビールの売り子をやっている。

ポーランドの血の入った

西洋絵画のような容姿のカレンが

ビールいかがですか^_-☆

と勧めてくれば、

3分に一件、すくなくとも

5分に一件は、生ビールの売上が

上がる。上がる。


エクササイズと言ったのは

横浜スタジアムの急勾配なシートの

階段をくまなく延々と

昇り降りすれば、

ひと月で5キロは確実にダイエット必達。

背中には、ビアボトルのDパック。

かなり、重い。無くなれば

軽くなる。骨身にダイレクト。。

自分が高校時代、同級生の男子が

ひと夏で、10キロ以上痩せたと

豪語していた“ビールいかがですか~”

だから、カレンのそれは

たぶん、正しい。

カレンは売上の優等生。

ライバルの一美たちも負けず

熱心に自らすすんで汗して

売上アップにいそしんでいる。

カレンたち、売り子さんのグループとは

先週、ベイスターズファンのつどい

つながりの合コンで、知り合った。

ベイスターズファンの自分としては

ゲームの流れもさることながら

彼女たち、ビールの売り子たちの

健気で真摯な、そして、

溢れんばかりの笑顔に

頭が下がるおもいだし、ステキだなと

おもう。

がんばってほしい。

すくなくとも確実にダイエットは

サクセス。

シャンパンゴールドの髪をした

カレンの夢は、美術館の学芸員。

日本は世界からみたら

各地の名画が

巡回展覧されてくる。

とても、めぐまれた国。

ポーランドにも、歴史ある美術館や

名画の数々は、あるけれど、

カレンとしては、日本で

ひとつ、仕事を持てたら

いいなと。

ロシアやウクライナそのほか

地政学的な危機は

ポーランドにも影を落とす。

カレンとしては

日本で、家庭も、持てたらと

思いはじめている。

横浜スタジアムのビールを買ってくれる

お客さまは、ガラの悪いひとも

たしかによくいるけれど、

おおむね、親切で、優しいひとがおおい。

だから、もっと笑顔に磨きがかかるカレン。

笑顔、汗、売上、親切、優しい、笑顔、汗、売上

親切、優しい、、、

そんな、サイクル。

横浜スタジアムに、天然の海風、

深呼吸も気持ちイイ。

一美も、まさみも、咲枝も

カレンに負けず、

サラサラとキラキラと

汗している

確実に確実に

夢に近づいている汗、まちがいない。

ドッーと湧くスタジアム

梶谷のツーランホームラン

きょうは、とびきり

うなぎのぼりな売上になりそうだ。

6回裏 /   3ー7  ベイスターズ、

タイガースをリード中





^_-☆ジパング