嫁ぎ先は女好きの父子が営む牛肉屋!新東宝「女の一生」乙羽信子・新藤兼人監督。無料動画配信中! | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。
 
 
勤務開始日の夜中です。本日はYouTube内「新東宝【公式】チャンネル」内に於いて「乙羽信子生誕100周年記念」として10/11(金)12:59迄無料配信されている作品です。ソフト化状況は不明、有料動画配信も行われていません。尚、同名原作を元に制作された劇場公開作品・テレビドラマが幾つか存在しています。
 
 
「女の一生」昭和28年11月23日公開/昭和34年再編集短縮版公開。ギ・ド・モーパッサン原作、新藤兼人脚本/監督兼任、新東宝制作。尚、今回の配信は昭和34年公開の再編集短縮版です。
 
 

 

 

 

オープニングクレジットの場面では丸出しの乳房が画面を占拠していますが(当然、乙羽信子ではなく別人のものでしょう)我国で乳房を修正無しで公開した映像作品は「女の一生」が初なのか?果たしてそうかは確認のしようがありませんでしたが…寺院の住職の長女の乙羽信子は心から愛していた進藤英太郎が営む牛肉屋(牛鍋屋?すき焼き屋の事か?)の若旦那・山内明と婚姻を果たしたものの、女好きの進藤さんの血を引いただけあり山内さんも女中に手を出し孕ませたりと乙羽さんを苦しめた上に情死事件をも引き起こします。しかも間髪を入れずに大東亜戦争が始まり、実兄の宇野重吉は特高警察に逮捕され、ほぼ同時期に進藤さんは脳溢血で他界、更には牛肉屋も閉店に追い込まれ…

 

 

性描写の幅が広がった昭和40年代以降であったなら、文芸思考のポルノ/ピンク映画の良き題材にもなったのではないかと思う程の内容ですが、逆に考えると制限の多かった時期に如何に色艶を強調しながら撮り進めていくか考え抜いたであろう制作陣・出演陣の苦悩は相当なものであったとも思います。自由度の狭さが生んだ表現技法の奥深さとでも言えばいいか?しかも男尊女卑が当たり前であった戦前は「亭主が浮気をするのは普通!しかもあれだけ謝っているのだから…」と旦那の実父ばかりか実母迄同調する風潮もあったのか?さすがに実母は嫁の味方をするのかと思っていただけに意外でした、これが全てではなかったでしょうが…そして結論は「女は強し!母親ともなれば更に強し!」です、男は本当に我儘で弱い生き物なのだと痛感・猛省させられますね。