忽然と消えた技師二人の行方は?東映東京「警視庁物語・行方不明」神田隆/今井健二/山本麟一 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。
 
 
休み二日目の夜中です。昨日はエアコンのフィルター掃除や散髪をして過ごし落ち着いたのは夕方でした。そして久方振りに以前東映chで放映された際に録画しブルーレイディスクに焼いていた此方を鑑賞しました。DVD-BOX化作品でAmazonプライムビデオ(東映オンデマンド対象作品)/U-NEXT(見放題対象作品)/ビデオマーケット内に於いて有料動画配信が行われています。
 
 
「警視庁物語・行方不明」(「警視庁物語シリーズ」第24弾で最終作品)昭和39年12月5日公開・長谷川公之脚本・小西通雄監督・東映東京制作。
 
 

 

 

都内の皮革製造会社の技師二人が或る夜行方不明となり捜査を始めると、その夜二人は残業及び酒食を共にしていた上に雰囲気が悪かった事が同僚技師や寿司屋の出前持ちの証言で判明し、更には血痕も…どうもこの二人の間には学歴から来る劣等感及び優越感から女性関係に至る迄真逆の様相を見せていた為その辺りも含めて捜査を進めて行くと一方の技師に関して履歴全般に於ける詐称や海外研修の強要・女性事務員を巡り上司との三角関係が浮上した上に、製造現場からの通報で一台の機械を停止させてみるとその中には科学反応を利用した殺人の現実が…

 

 

 
 
シリーズ自体が熟成の域に達していた上にテレビドラマ・劇場公開作品共に事件物を制作させればこの当時は東映の右に出る社は無いと言ってもいい程でしたから(加えて時代劇・ヤクザ映画でもそうですが「類似した下地を利用して違う趣を持った作品を幾つも制作が出来る制作関係者・役者の層がぶ厚かった」のも当時の東映の大きな利点)何の不安も無くゆったりと鑑賞出来ますし、俺の様に多数の薬品を使用する物作りの現場に携わっている者にとっては、序盤の台詞に登場した濃硫酸をどう生かすのかに注目をしましたが期待以上の活用法に頷かされました。平成中期以降は小手先の推理展開に頼ったり、警察以外の人物が首を突っ込んだ結果事件を解決する流れ等々が好まれ今では主流となりましたが、本職が積極的に動き五感を鋭くして地道に結論を追い求め人間味溢れる言動や行動も垣間見られる様な「地味でも観る側の事線に触れる事件物」が再び主流となって欲しいと俺は願っています(その代表格は最近であれば「はぐれ刑事純情派」となるか?こんな時代だからこそもっと放映かつ観て欲しい優れた作品ですし、時代に流されぬ姿勢を貫いた姿勢を買います)しかし現実は中々…そして昭和40年以降は悪役として名を馳せた神田隆・今井健二・アッチの方が強く「絶麟」とも言われたらしい山本麟一の真面目一本の芝居を堪能出来たり、女優陣に関しては「仁義なき戦いシリーズ」正篇五部作で金子信雄の女房役を狡賢さ・嫌味・計算高さ等々を高次元で融合させて最晩年の代表作とした木村敏恵のペット美容院の女将役が良かった(同時にこの時代から富裕層向けのこんな商売が成立していた事実に驚きました)。