木村医師が続けた
「パチンコ依存症に対する社会的な偏見や差別があるため、依存症を周囲に打ち明けたり、治療を受けたりすることが恥ずかしいと感じる方もいらっしゃいます。塩谷さんの場合もあてはまるのではないでしょうか」

パチンコ依存症になると社会的な孤立や自己嫌悪を感じることがあることから、木村は和夫の心理的な抵抗を和らげようとすると同時に、依存症を認めることの重要性を示唆した

「周りの人にもパチンコに行っていることを隠してないし、治療なんて必要ないよ」 和夫はパチンコに行っていることを周りに隠さないことで、健全だと思い込んで治療の必要性を拒否した

和夫が受け入れない理由を木村は推測してさらに問いかけた
「パチンコによって快感を得ているため、依存行為を手放したくないという思いがあるのかもしれません。パチンコをすることで、何かを忘れたり、発散したり、満たされたりする感覚があるのではないでしょうか」