当時、私はオリバー君来日の報を聞いてこう思ったもんです。


まずオリバーの体のどこでもいいから細胞を採って、日本のしかるべき研究所で染色体の数をマジメに調べろよ。その後で来い、このスットコドッコイ。


まぁ。こういう正論はこの国では通らない。


というわけでオリバー君、堂々の来日です。


かのビートルズもツイッギーも特別機なんかチャーターしなかった。


マリリン・モンローだってそうです。


だから特別機のタラップを下りて日本の土を踏んだのは、マッカーサーの次がオリバー君になるんじゃないかな?


チンパンジーがホモ・サピエンスの仲間入りをしようとした記念すべきこの年、ストーンズにロン・ウッドが加入した。ロン・ウッドは絵が得意。


同じく絵が得意なチンパンジーもけっこういる。そう考えると、この2つの事柄の間には『遠い関係・近い無関係がある』と言わざるをえない。


オリバー君は当時16才。チンパンの世界ではもう大人だ。


それがオリバー君と呼ばれたのは、エナリ君が成人になってもエナリ君と呼ばれているのと軌を一にする。だからチンパン君とエナリ君の間には非常に近い関係があると断言ぜざるをえない。 というのは冗談です。


[つづく]