ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』



その12『水辺』

写真・文by ロンジ (クリック)


半ズボンで畦道を駆け回りカエル爆弾をつくったこと
駄菓子屋で買ったメンコを菓子折りの空き缶に集めていたこと
プールで塩素のタブレットを見つけたこと
隣町に引っ越した友達がいつのまにか不良になっていて声をかけられなかったこと

水辺であなたが話す古い記憶が 私のなかにも滑り込んできて
私はふたつの過去を持ってしまう


『水辺』文by 70rock


アメンボの群れに混じって円舞曲(ワルツ)を踊ったり、

山女のとなりで水平の姿勢になって

清流のなかでゆらゆらと腰をふりながら

空から落ちてきた虫たちを喉一杯に飲みこむ。


そんな水棲少年になりたかった。


100年も前に、

プールで溺れた10才の叔父さんの思い出に


冷やし蜥蜴寫眞館 (クリック)のロンジさんと私70rockととのコラボレーション、

ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』の第12回です。


日曜の夜にロンジさんの写真と文章をアップ。

その写真と文章に触発されて私の灰色の脳細胞に生れた言葉を書きつけ

1枚の写真と2つの文章を次の日曜にアップします。


その1『指輪』

その2『紫陽花』

その3『装置』

その4『Nine Lives』

その5『残暑』

その6『横浜ベイサイド』

その7『一人と二人の夜のものがたり』

その8『官能』

その9『板チョコと廃工場』

その10『かきのきのさか』

その11『舞台』