今まで悩みごと、辛いことがあると、内に秘めていることができない私は、必ずと言っていいほど母に聞いてもらって、その都度助けてもらってきた。

たとえ、解決しなくても聞いてもらえるということがどんなに支えになってきたことか…。唯一の味方であり、裏表なく、真に私のためを思って助言をしてくれた母はもうこの世から居なくなってしまった…。

父や姉…家族が居てくれてとてもありがたいけれど、母ほどに心開けず、頼れず…。吐き出し場所を無くした感情は、この世に味方が居なくて独りぼっちのような孤独感に変化し、ますます私をどん底に突き落とす。

私が死ぬ日まで…母が迎えに来てくれる日までこの苦しさが続くんだろうな…。



寝付けない夜…。

母の病室で泊まったことを思い出した。母は昨年の3月下旬、自宅で体調不良となり、救急で外来、入院することになった。今までは相部屋だったけれど、気兼ねしないように今回は個室にした。

それから4月下旬まで家族が交代で泊まることになった。と言っても、ほとんど父が泊まってくれて、私や姉は数回程度。病院が用意してくれた簡易ベッドの寝心地は悪く、なかなか寝付けなかったため、睡眠導入剤を服用し、眠くなるまで携帯でネットサーフィンをして時間を潰してた。

あの頃は母の、日に日に悪化していく病状を目にしたり、医師から耳にしたくない宣告を聞かされたりして、精神的に相当なダメージをくらっていた。

この苦しい日々がいつまで続くのだろう…でも終わった時が母との別れの日…と思っていた。でも、違ったのである。実際は、別れの日は終わりではなく、更に過酷な日々の始まりとなった。

あの病室で母と二人で寝ていた頃に戻りたい。そこに居てくれただけで安心できた頃に還りたい。


お母さん、今はどこにいる…?


もうすぐ母の日…。

花屋、スーパー、広告など至るところで色鮮やかなカーネーションが嫌でも目にはいる。
前に、ネットサーフィンをしていた時に見つけた言葉。
「母が亡くなっても、母の日に花を供えて感謝する」
確かにその通り…わかっているのだけれど、母の反応を見れないのはやはり寂しい…。

母が亡くなってようやく一年が過ぎた。
回想してみると、母が生きていた頃の私は、日の光が注ぐ地上で母に愛情を注いでもらって、ささやかな幸せを感じながら日常生活を営んでいた。
それが、母の死を境に嵐で荒れ狂った大海に投げ出された。太陽を失って、地に足がつかない…。強烈な不安や恐怖が幾度となく襲いかかり、もがき苦しむ日々を送ることになった。
そして、一年が過ぎた今。もがく回数がほんの少し減ったように思う。母を諦めて海に沈んでいかなきゃならないことを余儀なくされているから。どんなにもがいても母が生き返ることはない…地上で生活を送ることは二度とないのだから。