「母さん…」
「母さん…」
「母さん…」

眠れない夜に天井を見つめながら呟くと、私の脳裏には母の顔と「なぁに?」と言う母の声が浮かんでくる。

この何気ない会話がもう二度とできないなんて…いまだに信じられない!切なくて悲しくて涙が溢れてくる。

そんな悲しみと向き合っていると、たまに強烈な孤独感や絶望感にさいなまれる時がある。そうなると、母の居ないこの世で生きていくことが怖くて怖くてたまらなくなる。

母は私の“盾”だった。それを失った今の私は無防備に立ちすくむことしかできない…。

この世に確実なんてことは存在しない。安定を手にしても、一瞬で失うこともある。そんな不確かな、この世の何を支えに生きていけばいいのかな…。

今日は快晴で桜が満開だった。いつもなら、散歩がてら眺めてるのに、桜を見ても心に全く響かず、そんな自分が悲しくてなって、桜を横目に帰宅の途についた。

私はもう母無しの生活が耐えられない。
思い切り甘えられたのは母だけ…。甘受してくれる人がいないこの世で生きていくのがどんなに恐ろしくて辛いか…。

情けない娘でごめんね、母さん…


母を亡くして10ヶ月が経った…。

母と一緒に過ごした時間を独りで過ごすようになり、昼夜を問わず涙に暮れて、母を想い続けてきた月日。母が生きていた頃、年月はあっという間に過ぎていたが、悲しみにひたすら耐えたこの10ヶ月はとてつもなく長く感じる上に、終わりがない。

季節は冬から春へ。冬が大嫌いな私にとって春は待ちこがれる季節だったのに、咲き始めた花を見てはまた悲しみが沸々と沸き上がる。母は草花を育てるのが好きだった。存命なら園芸店に行って花ポットを買ったり、庭の草花の手入れをしていたはず。

2ヶ月後には一周忌がやってくる。母の死を受け入れられてないまま、やってくる…。