先日、髪を切ってきました。
といっても、オレの場合、刈るといった方が早いんですが(笑)

いつも頼むのは「スポーツ刈り」で、数カ月して髪が伸びてきて、首筋や耳にかかってこそばゆさを感じると床屋へ。
このパターンを、20年近く繰り返してます。

このパターンになる前迄は、髪にも「オレ流」のこだわりがあったりしたのですが、ひとつは、家庭の経済面からそんなに床屋に金をかけられなくなったのと、もうひとつは、一度短髪にしてしまったらセットの必要がなく、その楽さにそれまでのこだわりはどこへやらという感じになってしまったのです。(笑)

このパターンになった背景として、それまで職人の仕事として「床屋」という存在があり、現在オレがしている「スポーツ刈り」でも3500円くらいしてたのにたいし、千円床屋が参入してきたというのも大きいと思う。
それまでの床屋は、客から入った注文にたいして客ひとりひとり頭のカタチが違うので、その頭に合わせながら接客中も会話の中から客の好むスタイルの情報を取り、注文以上に満足させるヘアースタイルを作り上げる、腕の違いで大きく差が出るまさしく職人の仕事であったのにたいして、千円床屋は頭のカタチの違いで多少の変化はさせるだろうが、ただ客の注文通りの長さに髪を切る、洗髪もしないし顔剃りもしない、当然、パーマをかける技術も必要としないただの髪切り屋である。

この千円床屋の登場により、客層も大きく分かれたように思う。
そう、千円床屋の登場前からヘアースタイルになんのこだわりももたなかった人達や子供にそんなに高い床屋代をかけたくない、かけれない親達は結構いて、千円床屋に流れていき、ヘアースタイルにこだわりながらも顔剃りのない美容室には行きたくない客が職人としての床屋の客として残ったのである。

そして、ここ一、二年ほどで増えてきてるように感じるのは二千円床屋の存在である。

髪を切るだけでなく、洗髪と顔剃りをするタイプでヘアースタイルにこだわりはなくとも、顔剃りと洗髪によって、サッパリした気分になりたい客や身嗜みを整えたい客は、こちらに流れているだろうと思う。

オレがふだん使ってるのは、一応職人っぽい店主のやってる地元の床屋だが、普通に切るだけなら二千円で済む。

今回、これを書くきっかけになったのだが、この店は以前は入れ代わりは激しいもののつねに従業員だか弟子だかが2~3人いて、洗髪や顔剃りはこの従業員の仕事で、店主は髪を切ったりパーマをかける、いわばメインの作業だけをしていた。
この頃は、開店時間や閉店時間もいい加減で、店休日も気分次第という感じのルーズな店だった。

それがいつからか、きちんとした営業をするようになったが、その頃には店の経済事情なのか従業員に愛想をつかされたのかはわからないが、従業員は置かず、店主だけですべてをやるようになっていた。

オレの場合、髪の刈り方はバリカンがほとんどで最後の仕上げに店主のハサミがちょっと入る程度だし、二千円だからこんなもんだろうと納得できる。
しかし、眉の整えと顔剃りについては下手くそ過ぎるのだ。

髪を刈る前に眉の整えと顔剃りをするのだが、眉の整えについては客の意向を聞かず勝手に処理され、顔剃りに至っては剃り残しがあっても平気で仕上げる。

店を出た後、サッパリした気分でふと顎下を触ると、なんとも言えぬジョリジョリ感。ちゃんと剃れてねーじゃん。

床屋で散髪した後、洗髪したのに切った髪が残ってる事が結構あるので、オレは家に戻ってもう一度洗い直すんだけど、その時鏡を見たら、顔にも剃り残しがあるわ、耳毛はカットしてないわ、鼻毛は出てるわで結局、自分で手入れし直した。

経験を積んだ後店を開き、それから何年も経った職人が素人の客を満足させられないでどうするのよ?
客の髪を切る前に、最初に学ぶ事なんじゃないの?
これなら千円床屋で刈ってもらって、あとは自分でやった方がマシだと思ってしまった。

増えつつある二千円床屋は、髪切りだけでなく、顔剃りをやる以上、そういう技術は求められるだろうが、はたして対応できているのだろうか?

ふだん、マンガの感想やオモチャの紹介が多いので、たまには私的な部分も書いてみようかと書いてみました。