父から着信があったのに気が付かなかった。

一時間近くして気付いて折り返した。


ニュースで〇〇って言ってたからお前の所の近くだと思ってな。

そう父が言った。


あれは家よりも川に近い場所だからこの辺りは大丈夫だったよ。

子どもたちも皆元気にしてる。

お父さんの方は大丈夫?



うちは近くに川が無いからな。

風もそれほど吹かなくて何とも無かったよ。

今度来るんだろう?

じゃあまたその時にな。


あっさり会話は終わった。


私も体力がついたし久しぶりに皆で顔を出そうという話になっている。

子どもたちが小さい頃は年に一度くらい遊びに行っていたけれどもう十数年行っていない。

私が働くようになって、子どもたちが部活を始めて、段々行かなくなった。

私が病気してからは父たちが2回程こっちに来てくれた。


父が今住んでいる土地には馴染みがない。

私が家を出た後父たちが住むようになった場所は結構な田舎で知り合いもいない。
すっかり足が遠のいてしまった。


都会育ちの孫たちは蚊を見ただけで大騒ぎする。
田舎ではどんな反応をするのだろう。

子どもたちがそうだったように虫を見ては大騒ぎして逃げ回るのだろうか。



相変わらず元気そうな父の声。

瓦が飛べば未だに屋根に上る様な父。

そんな事になっていなくてホッとした。