11.07 19:27
先月、東北旅行をした時の
ことです。
城ケ倉大橋付近の風景を
撮っていたら、隣でやはり
城ケ倉大橋に向かって
三脚を立てていた高齢の
お爺さんに
共通の趣味を持つ者同士の
親近感から
「何かお手伝いする事が
ありますか?」
と尋ねましたら
「いやぁ大丈夫ですよ今日は
妻と一緒に写真を撮りにきた
のですよ」
とのこと。
お喋りな私は、また余計な
お節介をしたと恥ずかしく
反省をし、さりげなく周囲を
見渡したのですが
それらしい方は見あたら
なくて。
そのとき
「今年もここにやって来ました
ここは思い出の場所なの
ですよ」
遠い昔を慈しむような
穏やかな笑みを浮かべて
話して下さいました。
そして
内ポケットから一枚の少し
古くなった写真を取り出して
見せて下ったのです。
亡き奥さまへの今も変わらぬ
愛に
わたしの胸は
ホロリとなって
熱くなって
切なくなって…
短い会話を交わして
別れの挨拶をして
秋田ナンバーを見送った
のです。
見知らぬ人との出会いと
旅の不思議さを感じながら。
もう お会いすることは
ないけれど
どうかお元気で
お過ごしください。
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