2019.3 臨時号NO.111 ゃく VS ゃく(2)

本ブログエッセイのこれまで掲載した中で、私自身が気に入っているものを取り上げてみた。各号の標題の一字違いについては、必ずしもオリジナルなものだけではない。初号の「オス メス」や50号の一字違いの定番である「コンクラーベ コンクラベ」なども使用している。

オリジナルで気に入っているのは、NO.13ちょうしゅうりき(長州力)としょうしゅうりき(消臭力)NO.38 むりしで(無利子で)とむりして(無理して)NO.49アンナカレーニナ(小説の主人公) アンナカレーニシナ(杏奈カレーにしな)NO.62ピペット(スポイトの類)VSパペット(操り人形)NO.69いたがり(痛がり)VSいいたがり(言いたがり)

 一字違いを探すのはまだ苦にはなっていない。色に関するだけでも、あかVSあお、きいろVSきんいろ。きんいろVSぎんいろ。しろVSくろは99号で使用したが、まだシロサギVSクロサギや白人VS黒人がある。

世に出ている面白いものに、ミランダ―カー(美人モデル)VSニランダカー(睨んだかー)、やくみつる(漫画家)VSやくみつゆ(東国原氏の芸能界復帰時没になった芸名候補)がある。

しかし、面白い一字違いがあっても、3千~4千字の文章を書くことは簡単ではない。とくに下ネタ等は。あげまんVSさげまん、あんこVSうんこ(うの字を他の字に換えても)、ドエスVSドエムなど、それを標題にするのも憚れるし、Storyも難しい。

 

そのStoryで私が気に入っているものは次の通り。裁判員制度を批判したNO.5サイパン()とサイバン(裁判)。甲斐性のない夫の末路を描いたNO.16アントキノイノチ(さだまさし氏の小説)とアントキノイノキ(ものまね芸人)。国民主権の欺瞞に触れたNO.41えいこく(英国)とばいこく(売国)ABE主義と批判したNO.80かいげん(改元)VSかいけん(改憲)、武士道を思い起こしたNO.82ぶし(武士)VSぎし(義士)。紛争地の海外邦人救出の為の憲法第9条二項の改変をなぜ政治家は口にしないのかとの疑問を呈したNO.87ほご(保護)VSほこ()。戦後は終わっていないと書いたNO.91かいざん(改竄)VSたいざん(大山)。“天皇制社会主義”が揺らぐと新自由主義を批判したNO.102びぼう(美貌)VSびんぼう(貧乏)。日本人の心・精神に武士道精神という火入れをと説いたNO.107はじ()VSいじ(意地)。支持者に眼を覚ませ!と安倍首相の失政を総括したNO.109たいざい(大罪)VSたいがい(大概)

それから女支配社会の夢物語NO.63おとこ()VSおとめ(乙女)。これは、その前月号のNO.62ピペットVSパペットの冒頭にて枕詞で「SMAP解散とSTAP細胞はともに幻に終わった。」と書いた。SMAP独立騒動でメンバーに公開処刑ならぬ公開謝罪をさせ、後日(経営面のトップではない?)代表のジャニー喜多川氏が解散はないと明言したと思ったのでそう書いた。が、アップして10日ぐらいあとに解散報道が出た。

「落日のジャニーズ帝国はどないなってんねん!?」と怒り心頭に達した。翌月号に訂正原稿を載せるべくすぐに着手したが、鈍い頭も怒ると回転がよくなるのか、私にしては上出来なStoryが出来た(ミソジニーのつもりはない。ただ女は怖いとは正直思っている)。災い転じて福となすと言ったところか。私にとって思い出深い号になった。

 

 私は人生のゴールを一応喜寿77歳に設定しているが、あと9年もある。ブログ掲載を月1に戻しても煩悩の数108もある。そこまでブログを書き続けるのは、如才はあるが文才のない私にとっては至難の業。畢生の事業とするには荷が重い。

 毎週愛読していた週刊新潮連載コラム『管言妄語』が昨年11月に10年を区切りに472号で残念にも終了した(保守の論客西部邁が亡くなり、「言論」の無力感からか劣化した日本社会に声高に喝!を入れてくれる大御所がいなくなっていく。執筆者の藤原正彦氏には世のご意見番の任は別の形でも引き続き担ってもらいたいが)。最終回で藤原先生は週1連載の大変さに触れられていた。

10年でもすごいことだと思うが、次のお二人はもっと凄い。

櫻井よしこ女史の同誌コラム『日本ルネッサンス』は800号を優に超える。年間48号前後とすると何と18年に及ぶ。1年間ですら、1週間で3号分書き溜めるほどの力量がなければすぐに自転車操業に陥りとん挫してしまう。安倍首相擁護の号は読むに堪えないが、何にしろこんな長期間掲載し続けられるのは称賛するに値する。

 高山正之氏の同誌連載コラム『変見自在』も800号を超えた。毎週知られざる逸話、裏話を披露する、それを延々と続けられることに感嘆を禁じ得ない。

 私にはとてもお二人のマネはできない。仕事でもないし、誰かに頼まれたわけでもない。ズタボロになる前に止めた方が賢明に違いない。ただ、ブログエッセイを止めてしまえば、怠け者の私は本を読まなくなるし、考えることもしなくなる。一気にボケてしまうだろう。

この歳になれば癌も怖いが脳が壊れる方をもっと恐れる(家族や知人はとっくに壊れていると言うだろうが)。とりあえず150号を目標としてなんとか書き続けて行こうと思う。