ことばの物語
≪よるー依・因・拠・由≫
依代(よりしろ)
神が依り憑(つ)く対象物。
巫(かんなぎ=神和ぎ)は霊の依る人。
付喪神(つくもがみ)は、長く使われた物に霊が憑依
したもの。
門松は歳神様の依代。
松を用いるのは常盤木(ときわぎ)の中で「祀る=まつ
る」につながるところからと、生命力、不老長寿、繁栄
の象徴でもあるところから。
門松は冥土の旅の一里塚
めでたくもあり めでたくもなし (一休狂歌)
依ーよる・イ・エ
字の成り立ちは「人にまとわりつく衣服のさま」で、ま
つわりしたしむ、よるの意味。
衣には人の霊が憑りつくと考えられていたと。
因縁(いんねん)
しかるべき理由として使われますが、これぞ仏教であ
ります。
物事の生ずる原因。因は直接的原因、縁は間接的
条件。
世の中は全て因縁の理法で生滅変化し無常である。
転じて、運命としても用いられる。
風の縁によって水は波となるのであります。
因ーよる・イン
字の成り立ちは「口=四角い布団」に「大=大の字に
なった人」で、布団を下に敷いてその上に大の字に
乗ることを示す。
「茵=しとね」の原字。
群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)
多くの英雄が各地で勢力を振い互いに対立しあ
うこと。
「互いに対立」?「互いに殺しあうこと」とすべきでは。
一人を殺せば殺人者で、百万人殺せば英雄と
なる。
(チャップリン)
拠ーよる・しめる・キョ
もとの字は「據」で、字の成り立ちは「杖によりかか
る人」で、身のよりかかるところ。
径に由らず
径(こみち)を通らないで大道を通る。
人生に処するに近道を行かないで正道をいくこと。
由ーよる・よし・ユ・ウ・ユイ
字の成り立ちは「酒や汁を抜き出す口の付いた
壺の形」で、○○から出てくるの意を含み、あること
が何からか生じて来たその理由の意。
【使い分け】
依ー物事を行う手段にすること。(手段・依拠)
因ー物事が起こる原因となること。(原因・理由)
拠ー物事を行う場所としてもちいること。
由ーあとに従っていくこと。(これに由ってこれを見
ればド等)
ひらがなで書くと間違いなしでありますね。
今日一日幸運でありますように
2017.9掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編