背後の巨人が父親である海神リル。
父神の方であるリルはどちらかというと海の神というか
海そのものを具現化した存在とされていた様だ。
マナナン・マクリールは、海の神でもあるが魔法、商業も司る。
水夫や漁師の守護神でもあり、天の動きを読み操る事も出来たとされる。
特に彼の魔法の神としての能力は他の神より秀でていたようだ。
主神ダヌが人間界と完全に袂を分かつ事を決断した際、
「常若国(とこわかの国)=ティル・ナ・ノグ」・・・
すなわち「妖精の国」を作る時、彼の力を借りたとされている。
その為彼はティル・ナ・ノグの最初の王に就任したそうだ。
マン島(一応イギリス特別領とはなってはいるが
アイルランド、イギリスどちらの所有でもない)の所有者で
マン島では最初の居住者とされている。
基本は争い事を好まなかった様で
魔法で霧をかけて外敵から島を守ったと言う伝説が残る。
三本足で車輪を転がすように濃霧の中を移動すると言われ、
其の為、マン島の国旗は三本足の車輪(三脚巴=トリスケリオン)だ。
ケルトの遺跡文様の三脚巴とも関連が深いと考えられる。
さてマナナン・マクリールは太陽神であるルー(下記参照)の養父でもある。
もう一柱ミディールという地下の神も彼の義理の息子だ。
(ケルトの神は何故か両親が現存していても育ての親が違う場合があるのが不思議)
彼は幾つか魔法の道具を幾つか所有していた。
櫓や帆がなくても動く舟「鎮静波号」や、海を渡る戦車、
的を決して外さな「十字剣フラガラッハ」、炎の兜(帽子とも)
姿を消すことのできるマント、
アイルランドの王だったコルマックマクアルトへ贈った魔法の杯と槍、
魔法の馬アンヴァル、食い尽くされない魔法の豚などが有名だ。
アオサギの物語もある為アオサギが彼の鳥とされる。
彼の持つ杖は後のドルイド僧達が大きく影響を受けており、
今世における魔法使いたちが持つ杖の起源と言っても過言ではないかもしれない。
後にアーサー王伝説で強大な魔法使いでありドルイド僧であった
魔術師マーリーンのモデルとなった神でもある。
兎も角、こんにちにおける魔法使いのおおもとのイメージ大は彼にアリ、という訳だ。
【ルー】
ルー、ルーグ、レイ、ルゴス(フランス)と呼ばれる
太陽神、または光明神である。
非常に長い腕の持ち主で、そのことから「長腕のルー」、や
工芸・詩吟・医術にも秀でていた為
百芸に秀でたものの意味の「サウィルダーナハ」、「イルダーナハ」ともあだ名された。
(全知全能を意味するドルドナの語源でもある。)
ルーは他の神と少し違った立ち位置にいる。
トゥアハデダナン族の宿敵であるフォモール族の長、バロールを祖父に持ち
トゥアハデダナン族の医療神ディアンケヒトも祖父に持つ。
いわば両部族のハーフなのだ。
その上魔術で名高い上記のマナナンマクリールが養父であり
鍛冶神ゴブニュ が師匠だった為、非常に強力な
魔力と技術をもっていたのも事実の様である。
別項 のヌァダが片腕を失い、闘えなかった際も
彼を名代に立てて王として就任させた時期があったようだ。
一度はヌァダが復活し戦いに戻ったものの、
死亡前にルーを跡取りとして任命している。
基本は槍を武器としており、彼の槍については幾つかの説がある。
だが、雷や炎を纏うものあったのは間違いがなさそうだ。
フォモール族長で、彼の祖父であるバロールがそうであった様に、
邪眼の持ち主であったという説もあり、光と闇の二面性を持つ神の可能性も高い。
後のアイルランドの英雄、ク・ホリン(ク・フーリン)の
父親であるともされる。
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忘れた頃にこっそりUPしてみるテストw