子:アニキ…あいつなんか金持ってそうじゃないっすか?

兄:よし!あいつをちょっとビビらせて金払いたい気持ちにさせてやろうか

子:えへへ、さすがアニキ!

兄:見てろよ?

子:ヘイ!

兄:ちゃんと見てろよ!

子:ヘイ!見てます!


ドンッ!


兄:おっとー…どこ見て歩いてんだー?

子:い、いつにも増して棒読みだぜアニキ!さすがアニキ!

男:アーハーン?

兄:どこ見て歩いてんのかって聞いてんだコラー

子:アニキ!足バタバタさせすぎ!さすがアニキ!

男:アー…前を見ながら?前を見ながら歩いてますか?

兄:こちとら前見て歩いてたろコラー

男:ンー…前見て歩いて…歩いた先に未来はありますか?

兄:なんだコイツ!

子:アニキ!心折れないで!

男:ソーリー…ンー…僕って美しいじゃないですか?

兄:知らねえよ!今肩と肩がぶつかっただろ?

男:肩と肩がぶつかって?ンー…肩になりますか?

兄:肩にはならねぇだろ!

子:ア、アニキがツッコミになってる!?

男:ンー…僕はそう…肩がぶつかったら痛いですか?

兄:俺は痛かったよ!ほら!慰謝料!慰謝料払え!

子:おお!話が進んだぞ!もう少しだアニキ!

男:アー…美しい僕に見惚れてしまいましたか?

兄:慰謝料!

男:そう…この曲線に美が表れて…ますか?

兄:こちとら肩脱臼してんだ!金払えよ!

男:薔薇の棘のように…僕に触れたものは…傷がつく…んですか?

兄:いい加減にしやがれ!

子:アニキ!…なかなか手強いやつだったもんな…

兄:チッ!

子:お疲れ様でした!

兄:なんだよ…なんなんだよ…

男:アー…美しくて…レモネードな夕闇…ですか?

兄:ついてきやがった!

子:オー…アニキが…肩が痛くて…涙の…夜の前ですか?

兄:昼だよ!

男:ソーリー…これで…蝶が舞う花びらに…なりますか?

子:そう…美の巨人に…なりますか?

兄:どうしたんだよお前まで!えっ?通じ合ってる?嘘だろ?

男:じゃあ…僕はコッチに…コッチに進みますか?

子:アーユーレディ?

   ガシィィィィッッ

兄:なんで?なんで握手?何が通じたの今!教えて!教えてくれ!

子:アニキ…彼がくれたこの綿毛…天使になりますか?

兄:おお、3万円か…これでアイツと2人で病院行ってこい