少しはユーモアも取り入れたい

タイトル:障がい者でもがんばります!① 作成者 中馬寛泰
ジャンル:ヒューマンドラマ
時間:15分
ページ数:25ページ
アドリブ表示なし
第68話「ワンオペ」

○東京都渋谷区代々木公園ー早朝

登場人物

眞(まこと)(32)山手中央署の障がい者警察官。交通事故で左足に障がいを持つ。
ユウ(22)眞の同居家族。保護家族で路上生活者だった。
ゲンさん(45)眞の先輩刑事。
ポチ(3)眞の飼い犬。雑種犬。
ミハイル(28)眞の居候。ロシア系外国人。

○ワンオペとは従業員側からするとすべての業務を1人でこなさなければならず、忙しくて賃金と仕事量が割に合わないと感じることが多い
深夜営業がある飲食店
コンビニ
ネットカフェ
カラオケ店など

○代々木公園ー早朝
眞はポチと散歩をしている。ポチは元気に走り回っているが、眞は左足に杖をついて歩いている。眞はポチに声をかけながら、時々携帯電話を見ている。

眞◇ポチ、もう少しで帰るよ。今日は早番だからね。
ポチ◇ワンワン!(楽しそうに鳴く)
眞◇(携帯電話を見る)あれ、ミハイルからメールが来てる。何だろう?
メール◇(画面に表示)眞さん、すみません。今日は朝から仕事が入ってしまって、ユウくんの面倒を見られません。ユウくんにはよろしくお願いします。ミハイル
眞◇えっ、ミハイル、仕事?何の仕事だよ。ユウの面倒を見られないって、どういうことだよ。ユウは今日も学校に行かないといけないのに。(慌ててミハイルに電話をかける)

○眞の自宅ー朝
ユウはベッドで寝ている。テレビがついていて、ニュースが流れている。ニュースキャスターが話している。

ニュースキャスター◇今日は午前中から雨が降り始める予報です。午後には雨脚が強まり、雷雨になる可能性があります。傘をお忘れなく。それでは、今日のニュースをお伝えします。昨日、東京都内で発生した強盗殺人事件の犯人が逮捕されました。犯人は、山手中央署の障がい者警察官・眞刑事によって現場で取り押さえられました。眞刑事は、交通事故で左足に障がいを持ちながらも、勇敢に犯人と対峙しました。眞刑事の活躍に、市民からは称賛の声が上がっています。

ユウ◇(目を覚まし、テレビを見る)あれ、眞さんがテレビに出てる。何だろう、これ。(テレビの音量を上げる)

ニュースキャスター◇こちらは、昨日の事件現場からの映像です。眞刑事は、犯人が逃げ込んだコンビニに一人で乗り込みました。犯人は、店員と客を人質にしていましたが、眞刑事は、犯人の隙をついて、人質を解放しました。その後、犯人と格闘し、杖で犯人の頭を殴って気絶させました。眞刑事は、この事件で左足をさらに負傷しましたが、命に別状はないとのことです。

ユウ◇(驚く)えっ、眞さん、すごい。こんなことがあったのか。でも、大丈夫なのかな。左足、大丈夫なのかな。(心配そうに眞の部屋のドアを見る)

○代々木公園ー早朝
眞はミハイルに電話をかけているが、留守電になっている。

眞◇(イライラしながら)もしもし、ミハイル、どこにいるんだよ。早く電話に出ろよ。ユウのこと、どうするんだよ。ユウは今日も学校に行かないといけないんだぞ。お前、ユウのこと、どう思ってるんだよ。お前はただの居候だぞ。ユウのことをないがしろにするなよ。(切れる)
ポチ◇ワンワン!(眞に近づいてなぐさめる)
眞◇(ポチを撫でながら)ポチ、ごめんね。眞はちょっとイライラしてるんだ。ミハイルのやつ、信じられないよ。ユウのことを放っておいて、仕事だって。何の仕事だよ。ミハイルは無職だろ。どこかでバイトでもしてるのかな。でも、それなら言ってくれればいいのに。ユウのことを心配してくれる人がいると思ってたのに。ユウは、眞のことを家族だって言ってくれるんだぞ。眞はユウのことを大切に思ってるんだ。ミハイルはどうなんだ。(涙ぐむ)
ポチ◇ワンワン!(眞の顔を舐める)
眞◇(笑う)ポチ、ありがとう。君

「このドラマはフィクションです。実在の人物や団体、地名などとは関係はありません。」
 

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ゲンさん(回想)◇昔、建築現場のバイトさんが早退したときは笑えたな
2人が無言で帰ったとき親方はカンカンに怒って現場はほっぽらかしだし
現場が親方のワンオペ状態だ
その後2人のバイトさんはどうなったかは分からない(回想終わり)


眞◇ゲンさんの抜け道もある
ゲンさん◇胆石をできると宿直をしなくてもいいと聞いたことがあったな
眞◇カップ麵の食事でカルキのお湯で煮るカップ麵だったな
ゲンさん◇予想は的中、血尿が出て最後は小便と一緒にチャリーンが出て
胆石の死ぬような痛みで医師から言われたのが遊び過ぎたからこうなっただと
この時医師から初めてデタラメな診察を受けたのは覚えている