●阪神は好機で打線がつながらず、今季4度目の零封負けを喫した。先発した村上頌樹投手(25)は 7回5安打2失点(自責0)と奮投し、試合前時点でリーグトップの「1.06」だった防御率を「0.88」としたが 2敗目。中野拓夢内野手(27)のまさかの 2失策がともに失点につながった。打線は序盤はシェルドン・ノイジー外野手(29)の 2打席連続の併殺打などでチャンスを広げられず。終盤は 2度の満塁機を生かせなかった。 2点を追う 8回一死満塁では佐藤輝明内野手(25)がこの試合 2三振目となる見逃し三振に倒れ、続く森下翔太外野手(23)も 2ゴロに倒れた。ミスが相手の得点に直結した。初回、無死 2塁で広島2番野間峻祥外野手(31)の平凡なゴロを 2塁中野拓夢内野手がファンブル。無死 1、 3塁とピンチを広げ、4番小園海斗内野手(23)の中犠飛につながった。 5回は一死から、7堂林翔太内野手(32)の 2塁への当たりにハーフバウンドで捕球を試みたが、後ろへそらした。その後、1番秋山翔吾外野手(35)に適時打を浴び、 2点ビハインドとなった。中野の 2失策がいずれも失点につながった。打線は左腕床田寛樹投手(29)を攻略することができなかった。 7回二死 2、 3塁で代打原口文仁内野手(32)が死球。続く満塁機で代打小野寺暖外野手(26)を送り込んだが、遊飛に倒れた。岡田彰布監督(66)が代打攻勢を仕掛けるも実らなかった。さらに 8回にも一死満塁の絶好機をつくるも、佐藤輝明内野手が見逃し三振、森下翔太外野手が 2ゴロに仕留められた。 2イニング連続の満塁のチャンスをものにすることができず、甲子園にため息が充満した。
●昨季ゴールデングラブ賞に輝いた中野拓夢内野手が、 2塁守備で 1試合 2失策。いずれも失点につながる苦しい展開となってしまった。 1回には無死 2塁で野間の 2ゴロをファンブルし、先制点献上につなげてしまっていた。そして、 0- 1の 5回にまさかの 2失策目を犯す。一死から堂林が放った当たりにバウンドを合わせられずに後逸してしまった。先発の村上としても踏ん張りたい場面だったが、二死から投手の床田に右前打を許してしまう。続く秋山に左前適時打を浴びて 0- 2とされた。この試合の 2失点にいずれも中野の失策が絡み、試合前時点でリーグトップの防御率1.06だった村上の自責はゼロのままという展開になってしまった。
●今季 2度目の3番で先発出場したシェルドン・ノイジー外野手が、大ブレーキとなった。 1回一死で遊ゴロ併殺打、 4回は先頭の中野が右前打で出塁した直後、投ゴロ併殺打。 2点を追う 8回一死 1塁で中前打を放ったが、得点は入らず。床田には試合前まで打率.600(5打数3安打)と相性がよかっただけに悔しさをにじませた。今季のノイジーは、試合前時点で左投手に対し打率.350(20打数7安打)と好相性だった。 4月11日の広島戦(甲子園)以来、今季 2度目の3番で起用されたが、ここまでは期待に応えられない展開となっている。今季の阪神は、試合前時点でリーグワーストの26併殺打。ノイジーの2併殺で、試合前時点で12球団ワーストだった北海道日本ハムの28併殺打に並んだ。拙攻も響き、阪神は 3塁を踏めない展開が続いている。 8回は中前打でつないで好機を演出しただけに、床田から奪われた 2併殺に反省しきりだった。
●大山悠輔内野手(29)が好守で村上を救った。 0- 2で迎えた 6回。先発の村上が菊池涼介内野手(34)、小園に連打で無死 1、 2塁のピンチを背負った。広島・坂倉将吾捕手(25)はバットを寝かせる。初球、バントを試みた坂倉の打球は 1塁線へ。猛チャージで捕球した 1塁・大山はためらうことなく 3塁へ送球。 2走・菊池をアウトに仕留め、ピンチを広げなかった。これには村上も拍手。大山の好守で一死 1、 2塁とした村上は続く宇草孔基外野手(27)を空振り三振。堂林を空振り三振に斬り、ピンチを脱した。
●阪神が一打同点の絶好機を逃した。広島の先発、床田の前に無得点に抑えられていたが、 7回一死から佐藤輝が中前打で出塁すると、森下が右翼線への 2塁打を放って一死 2、 3塁と好機を広げた。森下はこの日の第 2打席まで左投手に対し5打席連続三振を喫していたが、床田からの今季初安打で脱出。試合前まで打率.167と苦しめられていた左腕から放つ12打席ぶりの安打となった。しかし、続く坂本誠志郎捕手(30)が 2飛に倒れて二死。代打・原口が死球を受けて二死満塁となったが、続く代打・小野寺が遊飛に打ち取られ、本塁が遠かった。 0- 2の 8回二死満塁で打席が回った。カウント 2- 2から広島島内颯太郎投手(27)の内角 154キロに詰まらされて 2ゴロに終わり、観客のため息を誘った。一方で 7回には右翼線への 2塁打を放っており手応えも感じていた。
● 2点を追う 7回二死 2、 3塁で代打で登場した原口文仁内野手は内角球が左手を直撃。死球で満塁機を作ったが、鈍い音がグラウンドに響き、場内は騒然となった。 4日の巨人戦(東京ドーム)で中前打を放つなど、打率.286の男に期待していただけに大事に至らないことを祈るばかりだ。
●小野寺暖外野手は、 7回二死満塁の好機で代打起用されたが、床田の高めカットボールに詰まりバットを折られての遊飛に倒れた。限られた出番の中で、 3月31日の開幕カードの巨人戦(東京ドーム)での右前打以来 7打席連続で快音がない。 8回は一死満塁と長打が出れば逆転の場面をつくり、広島の投手は床田から島内にスイッチ。5番佐藤輝明内野手が打席に入った。フルカウントから外角 154キロ直球に見逃し三振。続く森下翔太外野手が 2ゴロに倒れて、またしても得点できなかった。 2イニング連続で満塁を生かせず。今季最多 4万2606人の観客からため息がもれた。
●阪神が2イニング連続で満塁の絶好機を生かせなかった。 0- 2の 8回先頭で近本光司外野手(29)が粘って11球目を中前にはじき返す。中野は投ゴロ併殺崩れで一死 1塁となり、ノイジーが中前打を放って 1、 3塁。大山は四球を選び、一死満塁として先発の床田をマウンドから引きずり下ろした。しかし、ここで広島の2番手・島内が立ちはだかった。佐藤輝はカウント 3- 2から外角球で見逃し三振。微妙な判定に、思わず納得できない態度を見せた。続く森下は 2ゴロに抑えられて 3アウト。2イニング連続で迎えた満塁の好機でも得点を挙げられなかった。佐藤輝明内野手が、絶好機で見逃し三振に倒れた。 2点ビハインドの 8回一死満塁。広島島内の外角球に手が出なかった。悔しさを押し殺した。〝輝ボール〟を作れ! 阪神は広島に 0- 2で今季4度目の零封負けを喫した。2位巨人に1.5ゲーム差に詰め寄られた中、岡田彰布監督は 8回一死満塁で見逃し三振を喫した佐藤輝明内野手に提言。微妙なストライク判定も輝だからこそ!? 打率.193と苦しむからこそ、審判を味方につける大切さを語った。打率.193、42三振はセ・リーグワースト。試合前の時点でボールゾーンスイング率35.1%と選球眼に課題を残している。指揮官にとって今のセ・リーグの状況は「(星の)つぶし合い」だと言ってきた。だからこそ、今のうちにメスを入れなければいけない。混戦を抜け出し、連覇を成し遂げるためには審判と〝ケンカ〟してはいけない。バットを止めれば審判の手も止まる、というのが理想の連係。一打席一打席を大切にした先に明るい未来がある。
● 1回から守りが乱れ阪神が先制を許した。リーグトップの防御率1.06を誇る村上が先発したが、先頭の秋山に右翼線 2塁打を浴びてしまう。続く野間が放ったゴロを、 2塁・中野がまさかのファンブル。処理していれば一死 3塁だったはずが、無死 1、 3塁となった。菊池は三振に斬った村上だったが、続く小園に先制の中犠飛を許してしまった。村上は 4月30日の広島戦(マツダ)での前回登板でも秋山に先頭打者本塁打を浴び 1回に失点。しかし、その 1点のみで踏ん張り完投勝利を挙げている。今季は先制点を与えるケースが多く、 6度目の先発登板で5度目の先制点献上となった。昨季MVPに輝いた右腕は同期のミスを帳消しにできなかったことを悔いた。降りかかったピンチを抑えてこそ、エースと呼ばれる。言葉の奥には自覚がにじんでいた。連打で招いたこの日最大のピンチとなる 0― 2の 6回無死 1、 2塁ではギアを上げた。相手のバント策を 3塁で封殺にした大山の好判断に助けられて一死を奪うと、宇草と堂林は連続空振り三振斬り。この日一番の雄たけびは、勝利への執念の表れだった。仲間のミスもチームの窮地も救い、勝って初めて笑顔になれる。昨年 6月 6日の東北楽天戦(楽天モバイルパーク)以来の自己最多タイ 116球の熱投。次なる勝利の糧にする。
●桐敷拓馬投手(24)は 8回に2番手で登板して空振り三振、 2ゴロ、遊ゴロの3者凡退に抑えた。これで自己最長タイの登板11試合連続無失点。リード、ビハインドの展開を問わず起用され、信頼度を高めている。
●岡留英貴投手(24=亜細亜大學OB)は 9回一死から島本の後を受けて登板。久保修外野手(23)を空振り三振、堂林を中飛に仕留めた。スライダーやカットボールで相手を圧倒した。今季は 9試合、11回を投げて 2失点と安定度が増し、ブルペンでの存在感が大きくなってきている。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 0- 2広島>◇ 6回戦◇阪神 2勝 3敗 1敗◇ 7日◇阪神甲子園球場
 阪神は好機で打線がつながらず、今季4度目の零封負けを喫した。先発した村上頌樹投手は 7回5安打2失点(自責0)と奮投し、試合前時点でリーグトップの「1.06」だった防御率を「0.88」としたが 2敗目。中野拓夢内野手のまさかの 2失策がともに失点につながった。
 打線は序盤はシェルドン・ノイジー外野手の 2打席連続の併殺打などでチャンスを広げられず。終盤は 2度の満塁機を生かせなかった。 2点を追う 8回一死満塁では佐藤輝明内野手がこの試合 2三振目となる見逃し三振に倒れ、続く森下翔太外野手も 2ゴロに倒れた。


  8回裏阪神一死満塁、見逃し三振に倒れベンチへ戻る佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 阪神が、終盤の好機を逃し、先発村上頌樹投手で接戦を落とした。 6回を終えて球数は 101球に達していたが、そのまま打席に入り、 7回も続投。 7回5安打2失点、8奪三振で 116球の力投も、打線の援護がなく2敗目を喫した。
 ミスが相手の得点に直結した。初回、無死 2塁で広島2番野間の平凡なゴロを 2塁中野拓夢内野手がファンブル。無死 1、 3塁とピンチを広げ、4番小園の中犠飛につながった。
  5回は一死から、7堂林の 2塁への当たりにハーフバウンドで捕球を試みたが、後ろへそらした。その後、1番秋山に適時打を浴び、 2点ビハインドとなった。中野の 2失策がいずれも失点につながった。


  8回、見逃し三振に倒れた佐藤輝明内野手を見つめる岡田彰布監督(ベンチ右から 3人目)=阪神甲子園球場
 村上は自責点0で、防御率は0.83まで良化。リーグ1位をキープしたが、チームの勝利には結びつかなかった。
 打線は左腕床田を攻略することができなかった。 7回二死 2、 3塁で代打原口文仁内野手が死球。続く満塁機で代打小野寺暖外野手(26)を送り込んだが、遊飛に倒れた。岡田彰布監督が代打攻勢を仕掛けるも実らなかった。
 さらに 8回にも一死満塁の絶好機をつくるも、佐藤輝明内野手が見逃し三振、森下翔太外野手が 2ゴロに仕留められた。 2イニング連続の満塁のチャンスをものにすることができず、甲子園にため息が充満した。

 


  1回、野間峻祥外野手の打球をエラーする中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 昨季ゴールデングラブ賞に輝いた中野拓夢内野手が、 2塁守備で 1試合 2失策。いずれも失点につながる苦しい展開となってしまった。
  1回には無死 2塁で野間の 2ゴロをファンブルし、先制点献上につなげてしまっていた。そして、 0- 1の 5回にまさかの 2失策目を犯す。一死から堂林が放った当たりにバウンドを合わせられずに後逸してしまった。先発の村上としても踏ん張りたい場面だったが、二死から投手の床田に右前打を許してしまう。続く秋山に左前適時打を浴びて 0- 2とされた。
 この試合の 2失点にいずれも中野の失策が絡み、試合前時点でリーグトップの防御率1.06だった村上の自責はゼロのままという展開になってしまった。


  1回表広島無死 2塁、野間峻祥外野手の 2ゴロをファンブルする中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 まさかのEランプ-。しかも 2つも灯った。昨季、ゴールデングラブ賞に輝いた中野拓夢内野手が 2塁手で初の 1試合 2失策。昨季コンバートされてから初めての屈辱を味わった。
 「もう、ほんとに練習するしかないと思う。しっかりと練習します」
  1回無死 2塁から野間のバットが折れた打球が転がった。待って処理しようとするも、直前でバウンドが変わって、ファンブル。無死 1、 3塁とされ、一死後、村上は犠飛で先制点を献上した。


  2回表広島無死、宇草の 2ゴロで好守を見せる中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
  5回にも一死から堂林が放ったライナー性が中野を襲う。難しいハーフバウンドでさばこうとするも、打球はグラブをはじいて右翼へと抜けていった。堂林は秋山の適時打で生還し、広島に 2点目が刻まれてしまった。
 「(最初の失策は)普通にバウンドが変わったりしなければ捕れる打球ではあった。それに対応していかないといけないと思う」


  5回、堂林翔太内野手の打球をエラーする中野拓夢内野手。まさかまさかの 2失策目となった=阪神甲子園球場
 全試合フルイニング出場した昨季は 9失策。守備率.988を誇った。今季は早くも 3失策目。俊足を生かし、広い守備範囲で何度も虎を救ってきた。 6日は雨天中止。 2塁手の先輩でもある岡田監督は「シートをかぶせた後は気いつけなあかんねん」と指摘した。天然芝の甲子園。自然も相手にしなければいけない。雨が降るとバウンドが変わる。それも頭の中に入れた上でこそ、虎の 2塁手といえるわけだ。
 「ホームグラウンドですし。それを跳ねた、跳ねていないっていうのを言い訳にしないように」
 バットでは 2安打を放ち「ミスが出た分、打撃で取り返すしかない」と意地を見せた。高い授業料だと思って、さらなる成長につなげてみせる。


  5回表広島一死、堂林翔太内野手の 2ゴロで失策する中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 昨季 2塁手でゴールデングラブ賞を受賞した、中野拓夢内野手が痛い 2失策を犯した。
 初回無死 2塁で、ややイレギュラーした緩いゴロをファンブル。先制点につながった。 5回一死ではハーフライナーにバウンドを合わせられず、 2点目の糸口とされた。
 「ホームグラウンドだし対応しないといけない。言い訳にしないように。もう練習するしかないので」と切り替えた。打撃では 2安打をマークした。

 


  1回裏阪神一死 1塁、シェルドン・ノイジー外野手は遊撃併殺打に倒れる=阪神甲子園球場
 今季 2度目の3番で先発出場した阪神のシェルドン・ノイジー外野手が、大ブレーキとなった。 1回一死で遊ゴロ併殺打、 4回は先頭の中野が右前打で出塁した直後、投ゴロ併殺打。 2点を追う 8回一死 1塁で中前打を放ったが、得点は入らず。床田には試合前まで打率.600(5打数3安打)と相性がよかっただけに「最初の 2打席で併殺打を打ってしまったので。悪かった」と悔しさをにじませた。


  4回裏阪神無死 1塁、シェルドン・ノイジー外野手は投併殺打に倒れる=阪神甲子園球場
 シェルドン・ノイジー外野手が、痛恨の2打席連続併殺打だ。
 まずは 0- 1の 1回一死 1塁では遊ゴロ併殺に倒れてしまう。そして、 1点を追う 4回先頭で中野が右前打を放ったところで第 2打席が巡ってきたが、床田の前にここでも投ゴロ併殺に打ち取られてしまった。
 今季のノイジーは、試合前時点で左投手に対し打率.350(20打数7安打)と好相性だった。 4月11日の広島戦(甲子園)以来、今季 2度目の3番で起用されたが、ここまでは期待に応えられない展開となっている。
 今季の阪神は、試合前時点でリーグワーストの26併殺打。ノイジーの2併殺で、試合前時点で12球団ワーストだった北海道日本ハムの28併殺打に並んだ。拙攻も響き、阪神は 3塁を踏めない展開が続いている。


  4回、この日2つ目の併殺打に倒れ叫ぶシェルドン・ノイジー外野手=阪神甲子園球場
 今季 2度目の3番起用されたシェルドン・ノイジー外野手は 2併殺を悔やんだ。
  1点を取られた直後の 1回。一死 1塁から遊ゴロ併殺に倒れると、 4回は無死 1塁から投ゴロ併殺と好機を拡大できなかった。「良くなかったですね。最初の 2打席に 2つ併殺を打ってしまった。悪かったと思います」。 8回は中前打でつないで好機を演出しただけに、床田から奪われた 2併殺に反省しきりだった。

 


  6回、坂倉将吾捕手のバントを処理し、 3塁封殺する大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
 大山悠輔内野手が好守で村上を救った。 0- 2で迎えた 6回。先発の村上が菊池、小園に連打で無死 1、 2塁のピンチを背負った。広島・坂倉はバットを寝かせる。初球、バントを試みた坂倉の打球は 1塁線へ。猛チャージで捕球した 1塁・大山はためらうことなく 3塁へ送球。 2走・菊池をアウトに仕留め、ピンチを広げなかった。これには村上も拍手。大山の好守で一死 1、 2塁とした村上は続く宇草を空振り三振。堂林を空振り三振に斬り、ピンチを脱した。

 


  7回、安打を放った森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 阪神が一打同点の絶好機を逃した。
 広島の先発、床田の前に無得点に抑えられていたが、 7回一死から佐藤輝が中前打で出塁すると、森下が右翼線への 2塁打を放って一死 2、 3塁と好機を広げた。森下はこの日の第 2打席まで左投手に対し5打席連続三振を喫していたが、床田からの今季初安打で脱出。試合前まで打率.167と苦しめられていた左腕から放つ12打席ぶりの安打となった。しかし、続く坂本が 2飛に倒れて二死。代打・原口が死球を受けて二死満塁となったが、続く代打・小野寺が遊飛に打ち取られ、本塁が遠かった。


  7回、 2塁打を放った森下翔太外野手。絶好の同点機としたが、後続が倒れた=阪神甲子園球場
  2試合続けて6番で先発した森下翔太外野手は4打数1安打だった。2打席連続三振で迎えた七回一死 1塁では床田から右翼線 2塁打を放って好機を拡大。試合前まで打率.167と苦手としていた左投手から12打席ぶりの安打だった。しかし、 8回二死満塁では島内の直球で押されて 2ゴロ。「打てないことは仕方がない。切り替えて明日頑張りたい」と前を向いた。

  8回裏阪神二死満塁、森下翔太外野手は 2ゴロに倒れる=阪神甲子園球場
 森下翔太外野手は 8回の好機で 1本が出なかった。
  0- 2の 8回二死満塁で打席が回った。カウント 2- 2から広島島内の内角 154キロに詰まらされて 2ゴロに終わり、観客のため息を誘った。「打てないことは仕方ないので、切り替えて明日頑張りたいと思います」。一方で 7回には右翼線への 2塁打を放っており「長打が逆方向に出たのは良かった」と手応えも感じていた。

 


  7回、左手に死球を受け顔をゆがめる原口文仁内野手=阪神甲子園球場
  2点を追う 7回二死 2、 3塁で代打で登場した原口文仁内野手は内角球が左手を直撃。死球で満塁機を作ったが、鈍い音がグラウンドに響き、場内は騒然となった。試合前、岡田監督は「いまウチの打撃陣で一番調子がいいのは原口や」と発言。 4日の巨人戦(東京ドーム)で中前打を放つなど、打率.286の男に期待していただけに大事に至らないことを祈るばかりだ。

 


  7回裏阪神二死満塁、小野寺暖外野手は遊飛に倒れる=阪神甲子園球場
 小野寺暖外野手は、 7回二死満塁の好機で代打起用されたが、床田の高めカットボールに詰まりバットを折られての遊飛に倒れた。「力負けです」と悔しい表情。限られた出番の中で、 3月31日の開幕カードの巨人戦(東京ドーム)での右前打以来 7打席連続で快音がないが「(控えで)後からいく以上、ああいう場面で打たないといけない。次にああいう場面で打てるように練習したい」と話した。


  7回裏阪神二死満塁、代打の小野寺暖外野手はバットを折られ遊飛に倒れる=阪神甲子園球場
 阪神が2イニング連続の満塁で得点できなかった。
  0- 2の 7回は二死満塁の好機をつくりながら、代打の小野寺暖外野手が遊撃への小フライに倒れており無得点に終わった。
  8回は一死満塁と長打が出れば逆転の場面をつくり、広島の投手は床田から島内にスイッチ。5番佐藤輝明内野手が打席に入った。フルカウントから外角 154キロ直球に見逃し三振。続く森下翔太外野手が 2ゴロに倒れて、またしても得点できなかった。
  2イニング連続で満塁を生かせず。今季最多 4万2606人の観客からため息がもれた。


  7回、バットを折られ遊飛に倒れた小野寺暖外野手=阪神甲子園球場
 小野寺暖外野手はビッグチャンスをものにできなかった。 7回二死満塁で代打登場。床田の食い込んでくるカットボールを、バットを折られながら打ち返したが、遊撃手への小フライに終わった。
 「力負けです。後から(ベンチから)行く以上、ああいう場面で打たないといけない。ギアを上げた投手の打席に立てたし、次は打てるように練習します」と懸命に前を向いた。

 

 阪神が2イニング連続で満塁の絶好機を生かせなかった。
  0- 2の 8回先頭で近本が粘って11球目を中前にはじき返す。中野は投ゴロ併殺崩れで一死 1塁となり、ノイジーが中前打を放って 1、 3塁。大山は四球を選び、一死満塁として先発の床田をマウンドから引きずり下ろした。
 しかし、ここで広島の2番手・島内が立ちはだかった。佐藤輝はカウント 3- 2から外角球で見逃し三振。微妙な判定に、思わず納得できない態度を見せた。続く森下は 2ゴロに抑えられて 3アウト。2イニング連続で迎えた満塁の好機でも得点を挙げられなかった。


 8回裏阪神一死満塁、見逃し三振に倒れた佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手が、絶好機で見逃し三振に倒れた。 2点ビハインドの 8回一死満塁。広島島内の外角球に手が出なかった。「何も言えないです」と悔しさを押し殺した。
 岡田監督は「そら、ボールばっかり振ってるバッターやからな。選球眼のええバッターやったら、審判もボール言うかもわからんで」と指摘。「そういう意味では味方につけなあかんわ、審判も」と注文をつけた。
 さらに「 2球、ファウルでも甘い球やからな、結局な」と追い込まれるまでのボールを仕留め切ることができなかったことをポイントに挙げた。「真っすぐも“1、2、3”でいけるカウントやしな。そういう意味では1球で仕留める、そういう場面。粘ってのあれじゃないもんな。ああいうチャンスは一発で仕留めんとな、 1スイングで」と課題を挙げた。


 8回、見逃し三振に倒れ思わず苦笑いする佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 〝輝ボール〟を作れ! 阪神は広島に 0- 2で今季4度目の零封負けを喫した。2位巨人に1.5ゲーム差に詰め寄られた中、岡田彰布監督は 8回一死満塁で見逃し三振を喫した佐藤輝明内野手に提言。微妙なストライク判定も輝だからこそ!? 打率.193と苦しむからこそ、審判を味方につける大切さを語った。
 悠然とボール球を見送ったはずだった。一呼吸おいて下されたストライクの判定に佐藤輝は頭を抱え込み、変わらない結末に天を仰いだ。今季最多 4万2606人を詰め込んだ甲子園がため息に包まれる。一打同点、長打逆転の好機を逃した岡田監督は首をかしげた。
 「あれ、ストライクか? なんか、ちょっと広かったなあ」


 8回裏阪神一死満塁、見逃し三振に倒れた佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場

 確かに打者には厳しかった。ただし、投球のコースにリクエストは通用しない。人間の目で判断する審判が絶対的な存在になる。 2点を追う 8回一死満塁で代わったばかりの島内が外角に投じた 154キロ。2017、23年に球宴に出場し、昨季まで 845試合の経験がある村山太朗球審(41)には佐藤輝の押し出し四球で 1点を返すという思いは届かなかった。「何も言えないです」。 4年目の長距離砲は多くを語らなかった。

 「(審判は)機械じゃないんやから。そういう意味では味方につけなあかんわ、審判も」
 岡田監督が佐藤輝に注文した。打率.193、42三振はセ・リーグワースト。試合前の時点でボールゾーンスイング率35.1%と選球眼に課題を残している。「そら、ボールばっかり振っているバッターやからな。そらそうやで。選球眼のええバッターやったら、審判も人間やから。こいつは絶対ボールを振れへんてなればボールになるよ」


 8回裏阪神一死満塁、佐藤輝明内野手が見逃し三振に倒れ厳しい表情の岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 ストライクゾーンが一定であることは理想だが、審判もロボットではない。巨人で868本塁打を積み重ねた王貞治氏(83)は見逃せばボールと判定されることもあり〝王ボール〟と呼ばれた。通算2390四球はダントツ。2位の落合博満氏(70=ロッテ、中日など、1475四球)に大きく差をつけている。歴史に名を刻んだ多くの打者が審判と〝信頼関係〟を勝ち取り、判定を惑わすほどのワザを身につけていた。佐藤輝のようにボール球を振ってしまうと自分自身も迷うと同時に、審判にも自然とインプットされてしまう。打席での甘さを今こそ、改善しなければいけなかった。
 「何球も粘って粘ってのアレじゃない場面やもんな。ああいうチャンスは一発で仕留めんとなあ、ワンスイングで」


 岡田彰布監督=阪神甲子園球場

 チームは広島打線を上回る7安打を放ちながら、好機を生かせず、今季4度目の零封負け。村上の 7回2失点(自責0)の好投を見殺しにした。2位巨人は中日に勝ったため、1.5ゲーム差。指揮官にとって今のセ・リーグの状況は「(星の)つぶし合い」だと言ってきた。だからこそ、今のうちにメスを入れなければいけない。
 混戦を抜け出し、連覇を成し遂げるためには審判と〝ケンカ〟してはいけない。バットを止めれば審判の手も止まる、というのが理想の連係。一打席一打席を大切にした先に明るい未来がある。

■データBOX
◉…阪神・佐藤輝が 1試合2三振。今季は出場31試合で42三振。シーズン 143試合換算では187三振ペース。自己ワーストは新人年だった2021年の173三振
◉…阪神は今季4度目の零封負け。 4月11日の広島戦(甲子園、 0- 1)以来

 


 先発し力投した村上頌樹投手。 2敗目を喫したが、防御率は驚異の0.88となった=阪神甲子園球場
  1回から守りが乱れ阪神が先制を許した。
 リーグトップの防御率1.06を誇る村上が先発したが、先頭の秋山に右翼線 2塁打を浴びてしまう。続く野間が放ったゴロを、 2塁・中野がまさかのファンブル。処理していれば一死 3塁だったはずが、無死 1、 3塁となった。菊池は三振に斬った村上だったが、続く小園に先制の中犠飛を許してしまった。
 村上は 4月30日の広島戦(マツダ)での前回登板でも秋山に先頭打者本塁打を浴び 1回に失点。しかし、その 1点のみで踏ん張り完投勝利を挙げている。今季は先制点を与えるケースが多く、 6度目の先発登板で5度目の先制点献上となった。


  1回を投げ終え、顔をしかめる村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 仲間を救えなかった悔しさが残った。攻め続けて 7回5安打2失点。自責ゼロも、村上頌樹投手は反省ばかりが口をついた。
 「やっぱり(ミスを)カバーできなかったことが一番の反省点。中野さんには申し訳ないな、という気持ちです」
  1回、中野の失策が重なり、小園に先制犠飛を許した。威力十分の直球を軸にし、 2回からの 3イニングはパーフェクトに抑えたが、 5回も中野の失策をはさんで秋山に適時打を献上。この 2点が勝敗に大きく響いた。


  6回表広島二死 1、2塁、堂林翔太内野手を空振り三振に仕留め、雄たけびを上げる村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 昨季MVPに輝いた右腕は同期のミスを帳消しにできなかったことを悔いた。降りかかったピンチを抑えてこそ、エースと呼ばれる。言葉の奥には自覚がにじんでいた。
 連打で招いたこの日最大のピンチとなる 0― 2の 6回無死 1、 2塁では「これ以上、点が入ると厳しい。何とか粘れるように、と思って投げていた」とギアを上げた。相手のバント策を 3塁で封殺にした大山の好判断に助けられて一死を奪うと、宇草と堂林は連続空振り三振斬り。この日一番の雄たけびは、勝利への執念の表れだった。


 現役時代の阪神・村山実投手。背番号11は永久欠番だ=阪神甲子園球場
 リーグトップだった防御率は1.06から0.88に上昇した。1.75で初タイトルを手にした同部門は昨年12月の契約更改で「 2年連続を狙っていきたい」と高らかに宣言していた。シーズンを通して 0点台であれば、球団では1970年の村山実氏(0.980)以来。レジェンドに追いつけ追い越せの期待がかかる。
 「(防御率は)低く(良く)なればいいかなと思うけど、勝てなかったので、そこがダメ。チームに貢献することが一番なので、勝てなかったということは貢献できていないということ。そこが反省です」
 仲間のミスもチームの窮地も救い、勝って初めて笑顔になれる。昨年 6月 6日の東北楽天戦(楽天モバイルパーク)以来の自己最多タイ 116球の熱投。次なる勝利の糧にする。

 


 力投する阪神2番手の桐敷拓馬投手=阪神甲子園球場
 桐敷拓馬投手は 8回に2番手で登板して空振り三振、 2ゴロ、遊ゴロの3者凡退に抑えた。これで自己最長タイの登板11試合連続無失点。「先頭を切ることを心がけていますし、それができていることがいい投球ができている要因だと思います」。リード、ビハインドの展開を問わず起用され、信頼度を高めている。

 2番手で 8回をゼロで封じた桐敷拓馬投手=阪神甲子園球場
 桐敷拓馬投手が11試合連続無失点でつないだ。
 先発村上のあとを受けて 8回から登板。先頭の2番野間を空振り三振に仕留めると、菊池と小園を内野ゴロに抑えて上位打線を3者凡退とした。「(村上)頌樹さんが粘っていたので、いい形で攻撃の方に流れを持ってこられるように頑張りました。きっちり先頭を切るところは心がけていますし、それは今できている」と自信を深めた。

 


  9回、力投を見せる岡留英貴投手=阪神甲子園球場
 岡留英貴投手は 9回一死から島本の後を受けて登板。久保を空振り三振、堂林を中飛に仕留めた。スライダーやカットボールで相手を圧倒し「しっかり投げ切れた。こういう投球を続けていければ」。今季は 9試合、11回を投げて 2失点と安定度が増し、ブルペンでの存在感が大きくなってきている。

 

※ 5月 8日の予告先発は、阪神・大竹耕太郎投手(28)―広島・大瀬良大地投手(32)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(03月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

 

 

 

 

 ペタしてね