NHKの番組です。
血縁にはありませんが、私の人間関係のうちで相当に近い関係にある人の問題でもあるので
自然とチェックしていました。
従来、障害を持った人自身(障害の中身)やその親の苦しさをフォーカスしたプログラムは多い
ように思いますが、
本番組は、兄弟姉妹に障害を抱えた人=「きょうだい」に注目した番組で、その視座の重要性には
実体験からしても非常に共感するところです。
その人たちの抱える苦悩は、やはり当人以外には分かりえないほど辛いものだと思います。
親は自分ではなく、障害を持った兄弟姉妹の面倒につきっきりで、自分の方を向いてくれない、
結果、いい子を演じて、なんとかこっちを向いてもらおうとする、
いい子を演じることのできる子はまだよいかもしれない、
そうすることができない場合は、過剰な自暴自棄を創出し、こちらへの視線を強制的に生み出す
というケースもあるだろう。
意図的に創出しうるなら、まだよいのかもしれない。
学校に行けば、フツウな家庭に暮らす同世代の人々を目の当たりにし、正気でいることすら難しくなる。
不登校を助長する。真面目に、フツウに生きていくことが辛くなってしまい、「なんかもういいや」と
線が切れたように脱力するだけの時間を過ごしてしまう。
見るのが本当にしんどい番組でした。
しかし、この番組は本当に必要な番組なんだとも思います。
その人たちになにか直接に提供するなんて上からの目線でなく、
世の中に自分と同じ気持ちで苦しんでいる人たちがいる、という感覚を当事者に持ってもらえれば。
そういう形で、埋めることのできない距離を分かりつつも、少しでも寄り添いたい、という作り手の優しさ。
ディレクターどなたなんでしょうね。優しさが十二分に伝わってきました。
阪大学長でもある、鷲田清一さんの言葉が思い出されます。
「いるというのはゼロではない、何かをしなければプラスにならないというわけではない」
大学二年の時にこの格言に触れましたが、
時間がたっても思い出される言葉というのは、本当にいいですね。
これをどれだけの人が見ているんだ、という蛇足の批判は受け付けません。
直接の当事者たる人間が見ている場合は少ないだろうが、周りにいる親・学校教諭・NPO関係者・
行政の事業担当者等、
視聴者各層は十分に想定され、その人たちの意識としてこの問題が認識され、
直接の当事者への問題解決に役立ちうる。
視聴率どうのこうのという議論は今日のところは撤退願います。