各務原市立かかみがはら支援学校のひばり祭に参加しました。同学校は小学部、中学部、高等部の一貫校であり、また知的障害、肢体不自由、病弱を対象とする全国初の市立支援学校。今年4月に開校を迎え、約170名の児童生徒が通う。
ハンドベルや合唱の披露があった。途中でハンドベルの演奏が止まり(指揮者の教員があえて止めて)「やり直し」が何度かあった。「演奏=1発本番」で慣れてきた私にとっては驚きであり、新しい発見であった。
推察するに、「失敗した」という意識を軽減する狙いがあるのではないか。そして、同時に「やり直せる」ということを(音楽においてのみならず、実生活でも)意図して伝えたいのではないのかと考えた。
いずれにせよ、「『やり直し』の効かない社会」といわれる日本において、新しい学びのスタイルが具体化されているなと感じた。音楽を嗜んできた者の1人として何百人を前にする演奏の緊張感は痛いほどよくわかるものだ。
加えて、外国出身者の児童生徒が多いことも発見した。保護者とのコミュニケーションが難しい場合(言語的バリア、身体的バリア)は各務原市から通訳担当者を呼んでいるという。まさに包摂的な全市レヴェルでの取り組みである。
ここは「本の森」と名付けられた吹き抜けの図書スペース。「LLブック」(Lätt Läst :スウェーデン語、「やさしく読みやすい本」)も用意されている。日本語が得意でなかったり、知的障がいがあっても読みやすい本である。
外との空間を確保し、読書に集中したり、自分だけの空間をつくる工夫がなされている。このスペースに入ると、少しだけ外の声が聞こえにくくなる。ゆえに、半プライベートな空間ができあがる。
充電スポット付きの学習スペースが6席ほど用意されていた。椅子がない席もあり、おそらく車椅子利用者用ではないか。隣の席との差別化もなされていて、個人空間の確保がなされている。快適な学習スペースである。
物販販売もあり手作りのボードや校章つきマグネットを購入した。帰りには、エリアごとに色の異なるバスを見学。広い駐車場にも驚いた。今後も、様々な現場で学んでいきたいと思う。




