$アートと音楽~グレンのクラシック音楽航海日誌~






 山根一仁





 という名前をみなさんご存知でしょうか?



 おそらく音楽関係者やヴァイオリンを専門でやっている方ならご存知かも知れません。



 1995年生まれの現在17歳。




 2010年、第79回日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第一位、聴衆賞の他、全部門を通じてもっとも印象的な演奏に贈られる増沢賞も受賞。


同コンクールでの中学生の優勝は26年ぶり(史上最年少)。




 と、こんな簡単な紹介だけでも彼の傑出した才能は一目瞭然ですが、実演に接するならば彼の登場がクラシック音楽界における事件だと言うことがわかると思います♪









以上のプロコフィエフやショスタコーヴィッチなどの所謂ロシア新古典主義のレパートリーは彼の得意中の得意。



彼の演奏の特徴を一言で表現するならば、それは




 尽きぬ泉のごとき無限のインスピレーション




ということになろうかと思います。非常に現代的でカッコイイ感性に優れているため、ともすればベタになりやすいクラシック音楽の従来の枠にはハマらない良い意味で「優等生的ではない」演奏。



その作品解釈は極めて独創的。それは彼がすでに自分自身から音楽を発想することの出来る一流の天分に十二分に恵まれている何よりの証明だと言えるでしょう。








ヴァイオリン無伴奏の最高傑作バッハのシャコンヌ。



シェリングの名演などに比べると、ややショウマンシップに走っているという見方もあるかもしれませんが、しかし、次の点は見逃せません。



第一に、一種の変奏曲であるシャコンヌはともすれば細切れの一直線で直情に訴えるだけの平坦なものに成り易いが、この曲の空間的な広がりと弦一本で弾き切るという無伴奏の表現の可能性が開拓されていること。(とりわけ、下降するフレーズと上昇するフレーズの意味の区別と関連及び各セクションの構成が極めて立体的かつ豊かに表現されている。)



第二に、これだけの才能を有しながら決してこれ見よがしにならず謙虚にバッハの大作に今の自分の精一杯で立ち向かうと言う音楽家として最も大切な精神性が演奏の随所から感じられること。



第三に、作品の世界に没入する高い集中力を有しながらもそれを自分自身で客観視できるある種の余裕(卓越したテクニックにも裏付けられた)が感じられること。(所謂「没入型」は高い集中力と直観力を有するもの、思考が自由でない場合が多い。その点山根さんからは様々な視点や音楽以外の興味や関心を広げる器の大きさが感じられる。)




 要するに、彼の演奏は独りよがりなものではない、ということ。



 本物の独創性がある、ということです♪




シュニトケのような現代曲↓も彼の手にかかると一つ一つの表現の意味、情景が手に取るように伝わってきます♪








 こういう若い演奏家がどんどん出てくるようになるとしたら、日本の、世界の音楽界は大きく変わっていかざるを得ないでしょう☆



 最後に彼のワックスマンのカルメン幻想曲を!



 この作品はサラサーテの同名有名曲よりも一層難曲であるためなかなか聴けないのですが、山根さんは完璧に弾きこなしています♪







是非とも山根さんには大成して頂き、音楽界の新たなアート・シーンを切り開いて頂きたいと思います♪


山根一仁ファンページ♪


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山根さんが特別出演している映画「カルテット」♪



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