昨年、香港の「りんご日報」が廃刊になり先日は「立場新聞」が廃刊になったばかりだが、それに続き今回「衆新聞」も廃刊へと追い込まれた。「衆新聞」の編集長らは廃刊の理由を「従業員の身の安全を確保出来なくなった為」としている。また「従業員一人ひとりにも家庭があり、それぞれの家族があるので」とも述べている。身の安全が確保出来ないという事は、このまま創刊を続ければ危害を加えられる可能性があるということだ。自分自身はともかくとして、家族に危害が及ぶことを恐れての決断だと思う。これで中国共産党に批判的な論調の発刊物はほぼ無くなった。「衆新聞」の廃刊に対して香港当局は「あくまでも彼ら自身の意志によるものである」としている。従来広東省では、TVの放送は基本的に広東語が使われてきたが、既に普通話(中国共通語)での放送に切り替わっている。香港でもいずれは広東語が禁止され、普通話の使用が強制的に行われるであろう。言葉は生きた文化なのだから、それぞれの地域にそれぞれの文化や言語が存在するのが自然なのだが、中国共産党はそれを許さない。個々の地域や民族を認めず、中華民族で無理矢理一括りにする計画だ。20世紀末に消滅したと思われていた共産主義のイデオロギーとの闘いは未だ終わっていなかった。中国共産党をここまで大きく成長させたのは、民主主義諸国にも責任がある。安価な人件費を求めて、何もかも中国に製造拠点を移してしまったのだから。中国共産党は民主主義諸国が落とした外貨を貯め込んで軍備を増強させ現在に至っている。