森閑というに相応しいのが、杜の緑の中でしょう。
奈良の杜はふかく、木の実が落ちる音、水玉のこぼれる気配、生き物逹の微かなさざめき、そして楠や杉の冷涼な香りと、一礼して立ち入れば忽ち包み込まれる心地がします。
何度か登拝させて頂き、配偶者がことのほか愛着を感じているらしき大神(おおみわ)さま。
去年、母の病平癒をご祈祷して頂いた事が、遠い昔のようです。
今年もご祈祷頂き、何かとてもスゥッとしたような、身体の内を水が流れていったような、今までに無い感じを覚えました。
お山の元、祈りを持ち寄るたくさんの人々。私もその一人。
この半年、何か空っぽになったような、それなのに重い心身を引き摺るように日々を過ごしてきました。
明日があり、人生は未知だけれども続くのだ。
希望とまでは言えずとも、木々の声に励まされたような、新年の1日でした。