アルガベル杯が始まりましたね。今か今かと首を長くして待っていましたが、その日が来てしまえば、時間が経つのは早いと感じます。
 さて、第一戦は、対アメリカ戦でした。強的アメリカに対して、最強なでしこメンバーがどう戦うのか。非常に楽しみでした。しかし、しかし、試合内容は、散々でしたね。パスミスが多く、アメリカに一方的に抑え込まれ、防戦一方でした。こういう試合は、イライラしますね。やはり、シュートまで持ち込まないと、得点できないわけですから。良く守っていますねというより、相手陣内までボールを運んでシュートしてほしいですね。それをさせなかったアメリカというより、シーズンも始まっていないなでしこたちの、体のキレ、ボールコントロール、連携といったところが、全然機能していなかったというところだと思います。佐々木監督も、引き分けでよしとしていましたね。

 そんな中で、強い意志で勝ちに行ったのがキャプテンでした。あやちゃんの勝利への執念、けっして諦めない気持ち、見ていて伝わってきました。

 山根選手も頑張りましたね。以前に比べて、各段の進歩が見られました。彼女のプレーの中で、ちょっと気を付けないとという点がありました。それは、相手選手に寄せられた時のボールさばきでした。試合慣れしていない選手に見られるばたつき、慌ててしまうという素振りを見せていたので、心配していました。そして、それが決定機なミスにつながり、失点してしまいました。それまで、シュートから安定的にゴールを守っていたのですが、あの凡ミスだけは悔やまれます。長身をいかした、守備は、今後のなでしこにとって大きな武器になります。福ちゃんには、最強ライバルになりますが・・・。

 山根選手のミスを帳消ししたのは、我らが頼れるキャプテン、あやちゃんでした。本当に、あやちゃんは、ここで点を取ってほしいという場面で、きっちりと取ってくれます。仲間たちの信頼度は一番でしょう。相手陣内の真ん中当たりでもらったフリーキックのチャンス。ゴール前に上げるかと思ったら、直接シュートを狙ってきました。ソロもシュートコースを読んでいて反応したのですが、ボールに触れるのが精一杯で、外へ弾き出すことはできませんでした。

 無回転シュートでした。揺れるような軌道の中、スピードも後半伸びたように見えました。さすがの最強GKソロも、ゴールを守れませんでしたね。二人の駆け引きは、見ていてわくわくします。お互いをリスペクトしている二人の、不思議な戦いの空間。どちらが勝ってもさわやかですね。って、いつも、あやちゃんが勝っているような気もしますが(笑)

 あやちゃんのゴールは、チームの負けを救っただけでなく、仲間たちからの信頼を高め、そして、何よりも山根選手のミスを帳消しにしました。山根選手のあやちゃんへの感謝の気持ちと、今後の成長にどれだけのプラス作用をもたらしたことか。

 さて、このシュートレンジについて、報道は様々な距離を書きためました。最長は40m、最短は23mでした。もっとも多かったのは30mでした。皆さんはどう思いましたか。僕は、23mが一番正しい数字ではないかと思っています。報道は、より劇的に見せたいと思い報道しがちです。でも、あの距離で40mはないと思います。距離の正しさはともかく、向かい風の中であのシュートを決めたあやちゃんへの賛辞は、少しも揺るぎませんが。

 残りの試合も楽しみですね。徐々に体がほぐれてくれば、もっといいパホーマンスを見せてくれる信じています。