~サビアンシンボルとは~
サビアンシンボルとは、おひつじ座1度~うお座30度までの360の度数ごとの運勢をシンボル化したものです☆

 

満月時刻 5月19日 6時11分頃
サビアンシンボル~さそり座28度~自分の領土に近づく妖精たちの王~

 

 

天使のようなくるみが、私に一番懐いているのが自慢だった・・・。


私とくるみは2歳年が離れた姉妹。
まだヨチヨチ歩きのくるみが「ネーネ。ネーネ。」と言って後をついて来るのが、可愛くてたまらなかった。


くるみのお目目はクリクリお目目で、なお一層くるみの可愛らしさに拍車をかけた。
そんな愛らしいくるみが、誰よりも私の事が一番大好きだって事が、私の自慢だった。


くるみは何でも私と同じにしたがった。
「ネーネと同じのがいい。」「ネーネと一緒じゃなきゃヤダもん。」


ママも姉妹が仲良しなのがとても嬉しいようで、洋服もなるべく姉妹で同じになるように揃えてくれた。
本当に誰が見ても私たちは仲良し姉妹だった。


だからなのか、よく見知らぬ大人が話しかけてきた。
「まー可愛いお譲さん達ね。」
そんな時はくるみは決まって私の後ろに隠れ、私の手をシッカリと握っていた。


小学生になっても、くるみの姉好きは変わらなかった。
学校にも絶対に一緒に行きたがったし、ランドセルの色も、かばんの色も、上履きの色も全部私と同じものを選んだ。


外食をする時もお菓子を買う時も、くるみは絶対に私と同じモノを選ぶ。
「ネーネはどれにするの?」「じゃあ私もそれにする!」
くるみは本当に姉好きのお利口さんで、姉の私と同じモノを与えられると、とっても嬉しそうにニコニコしてた。


そんな関係を初めて疑問に感じたのは、私が小学校の高学年の時の夏休みのこと。


私は夏休みの自由研究と図画工作の宿題を、同じ題材で取り組む事にして、ひまわりの観察と、その花を描く事に決めた。
だから私は毎日一生懸命にひまわりのお世話をした。
どうしたら大きな花を咲かせるのか、図書館に行って調べたりもした。


そしてとうとうヒマワリの大きな花が、見事に咲いてくれたのだ!
私は嬉しくって、ウキウキ気分でヒマワリの絵を描いていた。
ウキウキ気分が思い出させたのか?夏祭りで当てたシャボン玉で遊んだ時のことを思い出したので、
ヒマワリの花の周りに、シャボン玉をイッパイ描きこむ事にした。


「あ!お姉ちゃん何してるの?」
「ヒマワリの絵を描いてるの。図画工作の宿題にするんだ!」
「え?私も一緒に描いていい?」
「うんイイヨ。くるみも紙を持っておいでよ。」


その日の夜。帰ってきたパパに、くるみが描いた絵を自慢げに見せた。
「パパ見てー!くるみが描いたんだよー!」
「おおーシャボン玉も描いたのか。爽やかで幻想的で良い絵だ!くるみは3年生なのに、こんな絵を描けるなんて凄いぞ!」


パパのその言葉を聞いた時、私は一瞬凍りついた。
「ーえ?そうじゃないよパパ・・・くるみは私が描いた絵を真似しただけだよ・・・ひまわりのお世話をしたのも私だよ?」
そう言葉が出かかって、私は慌てて口をつぐんだ。


ママもくるみが描いた絵を見てニコニコしてた。
私はこの仲睦まじい家族の光景を壊してはならないような気がして、戸惑いながらそこにいた。


くるみは中学生になると私と同じ吹奏楽部を選択した。まだまだ私の真似っ子は健在していた。
私が一人で練習して得てきたものを、くるみがクリクリお目目でねだってくる。
「お姉ちゃんみたいにできるようになるには、どうしたらいいの?」


中3のある日、パパとママに相談してみた。
「くるみはいつも私の真似ばっかり。少しは自分で考えてやってほしい・・・。」
「何言ってるの。くるみはお姉ちゃんが大好きなんだもの。それくらい教えてあげなさい。」
「二人っきりの姉妹なんだから。仲良くしなさい。」
パパとママの言葉に、溜め息しか出なかった。


くるみは高校も私を追ってきた。
この頃になると、くるみの美少女っぷりは噂の的。
「おいおい!1年の榎本くるみって、お前の妹!?マジー!?紹介してよー!」
同級生の男子がうるさかった。


高校生活。自分だって褒められたいから、学業と部活を頑張ったのに。
くるみは無邪気に私の全てを横取りする。
「お姉ちゃんが大好き」なんて可愛い事を言いながら、一瞬のうちに私の全てを横取りする。


だから私はくるみが追って来れないところまで、逃げてみる気になった。


大学はわざと家から離れている大学を選んだ。
「海外交流が盛んな学校で、自然豊かな環境だから。」
両親を納得させるのはたやすかった。
通学は大変だったけど、長い時間家から離れていられる事が嬉しくて、頑張れた。


そして就職も海外勤務も含めて転勤が多いところをわざと選んだ。
内定早々、地方での勤務が決定した。
私は、これで本当に妹から解放されると喜んだ。


「えーお姉ちゃん!そんな所に行かされるなら、辞めちゃいなよ!もっと他にあるでしょ?」
くるみは私が本当に手の届かない所に行ってしまう事を察知して、大泣きした。
「自分で選んだ仕事だから。遠くに行くのも大丈夫だよ。」
そう言って、私は初めてくるみの手をそっと離した。


ようやく。ようやく解放される。一人になりたかった。

ごめんねくるみ。もうお姉ちゃんは疲れちゃったんだよ・・・。


パパもママもくるみも、私の苦しさを考えてくれなかった。
過剰な好意は苦しいだけだよ・・・。

 

逃げ出すような事をしてごめんね。

でも私は解放されたいと思っちゃったんだ。

 

なんだか苦々しい門出になっちゃったけど、

私の人生はこれからだ!

 


~解説~


この「自分の領土に近づく妖精たちの王」のサビアンシンボルには、
精神的にシッカリした人が、人と距離を置き自立して生きていくなどの意味があります。
なので今回は、依存が強い人を物語に書く事で、自立の必要性を客観的に理解できるようにしようと、物語に挑戦しました。


人と同じモノを選ぶ、真似する行為。これらは自信がないことからしてしまう行為かもしれませんが、
行き過ぎてしまうと、人から嫌がられる行為になってしまうと思います。


今回の満月期のテーマは自立です。

自分の居場所を自力で作っていけるように目指しましょう!
「ちゃんと自分で考えて決めたんだから、エライよ!」
そう言ってもらえると良いですね☆

 

 

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